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良いコンテンツに対してカスタマーは違和感を持たない。それを作るために、カスタマーのことを誰よりも考えたい(DeltaX CCO大西未以子インタビュー)

日本最大級の学習塾検索サイト「塾選」を展開する株式会社DeltaXでは、現在一緒に働くメンバーを募集しています。これまでにない塾のリアルなクチコミや、一括資料請求ではなく自分にあった塾に対して個別に資料請求できるサービスの提供を行う「塾選」。サービスの要である「塾情報」「クチコミ」のコンテンツ制作や、ユーザー獲得のための広報・PRなどを総括するCCO(最高コンテンツ責任者)大西未以子に、情報提供で大切にしていることを聞きました。

<プロフィール>
2002年 関西学院大学卒業、株式会社リクルートに入社。ブライダル事業・学習領域事業などで商品企画・開発などに携わる。2013年からはスタディサプリの商品企画・コンテンツ制作、Kidslyなどの新規事業開発に従事し、2016年にARENA(全社リクルートイノベーション賞)、GROWTH(事業開発賞)を受賞。2023年4月より現職。

大西さんのご経歴を教えて下さい。

2002年に新卒で株式会社リクルートに入社しました。当時は就職氷河期と言われる時代で、しかも女性で総合職の募集はまだまだ少ない状況でした。そんな中で、性別を問わず活躍できる職種として目をつけたのがエンジニアでした。

SEの募集をしている会社を受けて内定も頂いていたのですが、同時に受けていたリクルートで「君はエンジニアには向いていなそうだから、SEを目指すのは辞めてうちに来たほうがいいのでは?」と言われたんです。当時のリクルートは採用面接数が多く、7回の面接で毎回そう言われたので、採用のプロが言うならそうかもしれないと思い、リクルートに入社を決めました。

それなのに配属されたのはシステム部でした(笑)。ちょうどリクルートが提供しているサービスや、社内の情報をデジタル化しはじめたタイミングで、私は社内システム設計やインフラ構築を行う仕事を担当しました。でも当時面接官に言われたとおりあまり適性がないように感じ、2年で異動希望を出し、メディアの企画を行う部署に異動しました。

リクルート社でネットメディアの企画から、ネットの新規事業の事業推進を歴任してきた大西

メディアの企画部署では、これまで紙媒体で提供してきたサービスのWEB化にあたっての企画・要件定義・開発などを主に担当していました。その後、結婚・出産し、産休を経て仕事に戻る際、これまでとは違う仕事をしたいと思い、新規事業開発の部署に異動しました。小さく立ち上げてその後大きく成長したサービスもあれば、テストリリースでボツになったサービスもありましたが、さまざまな新規プロジェクトを複数並行で担当することができました。

新規事業に携わりながら、私はゼロからイチを生み出すのはできないな、と感じました。むしろゼロイチを生み出せる、世の中でいう天才気質なプロデューサーのもとで、それをカタチにするのが得意だな、と。実際に、さまざまなプロジェクトに「仕立て屋」として声をかけられることが多かったんです。

リクルートからDeltaXに転職したきっかけは?

二人目の産休からの復帰タイミングでキャリアについて考えた際に、既存メディアのネット化や大小さまざまな新規事業の立ち上げなどリクルートではやりきったなと思うことができ、しばらくは子育てをしながらゆっくりと次のキャリアを考えようと思っていました。そんなタイミングで「塾選のコンテンツ部門を手伝って欲しい」とCEOの黒岩から連絡をもらいました。

黒岩はリクルートの新卒同期で、当初から「ああ、この人はすぐにリクルートを辞めちゃうんだろうな」と思わせる天才肌な印象でした。実際に3年くらいでリクルートを辞めたので「やっぱり」と思いました(笑)。仕事での接点はなかったのですが、SNSでつながっていて、お互いの消息は知っていました。連絡をもらったのは、黒岩がちょうどDeltaXを立ち上げたタイミングで、私がリクルートを辞める直前だったんです。

あまりベンチャーでガツガツ働く気もなかったので、最初は業務委託としてコンテンツの方針検討やそれを実現するための組織づくりなど、コンテンツ部の全体を見る仕事を手伝っていました。しかしリクルートで働き続けてしまった性分なのか、いつのまにかほぼフルパワーで業務に関わるようになってしまいまして… サービスの要であるコンテンツの統括者が業務委託という状況もサービスの責任所在の点であまり良くないだろうということで、CCO(最高コンテンツ責任者)、として参画することになりました。

CEOの黒岩とはリクルート同期。コンテンツ部門の統括を依頼されDeltaXに参画

参画当初のDeltaXで、大西さんがCCOとして重視したことはなんでしょうか?

「塾選」としてやりたいことは、塾選びのための情報を質・量ともに豊富に提供すること、そして最良の選択をサポートすることです。いまも当初もその思いに変わりはないのですが、創業時は事業を進める上で大切な人材も資金もない状態でした。そのような中でも、情報の正確性・信頼性は、何よりも重視してきています。

利用者にとってはベンチャー企業が提供しているサービスだから情報が多少間違っててもいい、なんてことはありません。きちんと信頼されるサービスがカスタマーに選ばれると考え、情報量は大事にしながらも正確性も担保できる体制づくりや業務フローの構築をしてきました。結果的に、質の高いクチコミや塾情報が、塾選の強みの源泉になっていると自負しています。

現在コンテンツクリエリティブ部はどのような体制なのでしょうか?

コンテンツを作って発信する上では「制作」「編集」「広報」という機能で分かれています。

「制作」は、塾選のサービスに必要な塾の情報やクチコミといったコンテンツを担当しています。制作で大切にしているのは、情報の正確性と網羅性です。

「編集」は、塾選びや進学先選び、受験ノウハウなどカスタマーに気づきを提供したり、塾選のサービスを知ってもらうための記事を作成しています。記事で大切にしているのは、カスタマーが知りたい情報をわかりやすく提供する企画力です。

「広報」は、塾選やDeltaXの新しいサービスや取り組みを知ってもらうための体外的な情報提供を行っています。広報で重要なのは、広く知ってもらうための戦略性です。

限りあるリソースの中で、コンテンツで守るべきは信頼性と語る大西

また、事業推進の機能としては、マーケティングに関する業務もコンテンツクリエイティブ部で担当しています。サイトのPV数やコンバーション数の目標設定やそのモニタリングを行い、SEO戦略や事業戦略に繋いでいます。

組織としては、コンテンツを作る上での方針や体制づくりなど全体を統括し、各分野に責任者を立てています。組織マネジメントについては、マネジャーを置いて、担当割り振りやメンバーコンディションの確認を行っています。

大西さんから見て、DeltaXの魅力は?

ベンチャー企業としてすべてにフルパワーをかけられるリソースがない中で、コストをかけてでも、正確性・信頼性の高いコンテンツを作るべきという価値観を大切にしているのが、DeltaXと「塾選」の特徴だと思っています。

一般的にコンテンツの質は数値化がしづらく社内の合意を得るのが難しいですが、むりやり言語化するための調査やテストなどの "仕事のための仕事" を求められない点は、社内でコンテンツクリエイティブ部が信頼してもらえている証拠だと感じています。一方で、説明できるもの、数値をとって振り返ることでよりよいコンテンツに繋げられるものは数値化し、事業に活かしています。

大西さんにとっての「良いコンテンツ」とは?

抽象的ではあるのですが、情報を探している方が見たときに「違和感のない情報」=「良いコンテンツ」なのではと思っています。私自身、子供の塾を探した経験がありますが、情報はあれど、違和感のない情報は驚くほど少なかったのです。

塾が提供しているWEBページやCMにはネガティブ情報が含まれませんし、第三者的に書かれた記事や口コミも塾から広告費が支払われるアフィリエイトサイトの場合は公平性の判断が難しいです。そういう目で見ていくと、正確性が担保され、公平に発信されている情報を見つけるのは意外と難しいのです。

情報を探している人にとって、違和感のない情報が良いコンテンツ

それぞれがそれぞれの事業のために考えて作っているものなので決して悪いものだとは思いませんが、情報を見る側としてはそのような前提をもったうえで自分で判断するリテラシーが求められます。塾選びという将来を左右するメディアを作る上で、私たちはそのような負荷をカスタマーに与えないサービス提供をしたいと思っています。

どんな人と仕事をしたいと思っていますか?

WEBサービスをやっているとPV数・CV数のようにカスタマーの反応を数字で語ってしまいがちなのですが、「PV数・CV数のひとつひとつが、将来のことを真剣に考えるカスタマーのアクション」なんです。カスタマーはどのような気持ちで受験を考えていて、どういった塾を選びたいと思っているのか。それらを深く知ろうとすることで、カスタマーにどのような情報を提供するのがよさそうかを想像できると思っています。このように、「数字の先にあるのは誰かの大切な人生である」ということを想像できる人と一緒にコンテンツを作っていきたいですね。

会社が社員に対してできることは機会提供だと考えています。DeltaXという会社や塾選というサービスでやりたいことはまだまだあるので、たくさんの機会を提供できます。我々の思いに共感いただくことができる方、一緒に良いサービスを作りたいと思ってくださる方からご応募いただけると嬉しいです。

一緒に進学先選びの未来を作りましょう!