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2023 0424 ラ・マンチャの男@横須賀芸術劇場

グランドフィナーレ へ行ったこと。

今まで観たことなかった。2022年公演のときには以前観た友人からすごくいいといわれ、取ろうとするも、東宝公式やプレイガイドの抽選からもれ、行きたい日は一般でも取れずに一度諦めたもの。
今回の10日間の横須賀での興行はプレイガイドの抽選で千穐楽があたりました。
十二月大歌舞伎での披露口上の出番を殆どお休みされていたりと、白鵬さんのおからだの状態など、チケットを買うかどうかから迷いましたが、無事開いて安心し、観劇された方々の感想SNSでみながら楽しみに待ちました。

横須賀(汐入駅)へは約1時間半の電車の旅。あまり乗り慣れない路線、普段の遠出は新幹線が殆どなので、もう電車のホームを探すのからあたふた。
そんな私に、金沢八景駅で「この電車は汐入駅へ行きますか?」と尋ねてくる麗しいお姉さま。「たぶん、大丈夫だと思います。きっと同じ行先ですよね?」と申し上げた所、「ええ。」とにっこり答えられました。
高麗屋ファンのお姉さまと京急各駅列車に座って、私はドアの上の案内を目を凝らして確認しながら各駅停車何駅かを過ごしました。それ以上お話しなかったけれど、不慣れな電車や駅で、同じ行先へ向かう同志がいらして、少し落ち着きました。ほんと、場所見知りがひどすぎる。

白鵬さんが50年以上勤められている舞台を一度も観たことがなかったくせに、グランドフィナーレにあたって初めて観てしまった者が内容について書くのは不遜すぎるけれど、自分が感じたことだけ忘れないようにメモしておきたい。それが目的なので、感情がこみあげてどうしようもなかったハイライトを二つだけ。

休憩後、アルドンザが男たちに乱暴されてボロボロになった姿でドン・キホーテとサンチョの前に現れて、「生まれたことが一番の罪」自分をさげすむ台詞を言って叫び、歌うアルドンザ。

どぶのなかで生まれた。。。蔑みのことばよりもあんたの優しさがあたいを一番傷つける

聴きとれた歌詞(大体です)

ドン・キホーテがはその彼女を見て、嘆きながら、懸命に手を差し伸べようとする姿がつらすぎて、松さんの迫力、白鵬さんの嘆きと愛が溢れて涙が出てきてしまった。

二個目は、その後老いて、もうドン・キホーテのことも忘れた病床のキハーナ(白鵬さん)のところに訪ねてきたアルドンザが手を握りながらかつて彼が語ってくれた話を思い出してと言って語る・歌うところ。澄んだ綺麗な声。そんなアルドンザを見つめるキハーナの表情。
オペラグラスでガン見ていたところ、声までは出さなかったけど、涙で息が上がってしまい、喉辺りがしゃくりあげる状態に。

いろんな女優さんのアルドンザと公演されているしどれもよいに違いないけれど、この最後の公演が子供のころから白鵬さんのラ・マンチャの男の足跡のそばでご覧になっていた松さんがされることの運命にただただ感動してしまった。偉そうな言い方だけれど、白鵬さんはご自身の偉大なる成果のひとつを目の前にしながら最後のラ・マンチャの男をされてるのだなぁと。

カーテンコールにて、赤い薔薇の花束をスタッフの方から渡された松さんは即座に白鵬さんの左前に膝まづいて、花束を差し出しました。その姿がいさぎよくてかっこいい。

サンチョ役の駒田さんが出演者全員の紹介を終えた後、自分の紹介をせずに先に薦めようとしたら「サンチョ!」と白鵬さんが紹介され、その後全員で「見果てぬ夢」を唄いましょうとなり、松さんが二小節くらい(?)をひとりで先に歌い出し、またそれがホール全体に響き渡る澄んだきれいな声で、あぁ、最後なんだなって思いながらその部分を聴いたかんじでした。

残念ながら私は歌詞を知らず、歌えず、だって初めて観たのだから。


  • どんなに現実がつらい状況にあっても人は夢を見るべきだし、見ずに生きてはいけないということ。

  • いづれみんな死ぬ、あなたも私も。

が、感じたこと。

遠くまで観に行った甲斐があったし、観れた機会に大感謝。


後半がスタートした時間はメモしてなかったけど、二幕は短かった記憶です。4時過ぎてたかも?


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