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大阪唯一の伝統的建造物群保存地区なまち(大阪府富田林市)

【まちnote #28】大阪府富田林市

大阪府内で唯一の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定される富田林寺内町があるまち、富田林市。

「重要伝統的建造物群保存地区」とは、文化財保護法の中でも特に価値が高いものとして国(文部科学大臣)が選定した地区のことを指し、全国で126区が選定されています(2021年8月現在)。しかし、東京都・大阪府の2大都市圏においては、唯一、富田林市が選定されています。

大都市圏に位置しつつ、歴史ある街並みを維持しているという意味では、とても稀有なまちかもしれません。そんな富田林市のまちづくりをメモします。

富田林寺内町をまもる会

大都市圏における都市開発の荒波に負けず、歴史的町並みや景観が維持されている背景には、行政と地元住民の方々の、熱意ある町並み保存運動があります。

その町並み保存運動の歴史については、「富田林寺内町の探訪」というサイトに詳細がまとめられていますが、この歴史の中でも1973年に「富田林寺内町をまもる会」という組織の長年に渡る活動が象徴的です。この活動においては、中井亀太郎氏が中心となり、住民を中心に50名の会員組織を結成し、市と連携した様々な活動を実施していたようです。例えば、文化庁支援下における保存調査や、エリア内で最古・最大の農家風建築様式である旧杉山家住宅の富田林市による取得(約1.7億円)など、今の歴史ある街並みを守る機運の礎を築いていきました。

また1994年には、この「富田林寺内町をまもる会」の後継として、「富田林寺内町をまもり・そだてる会」が約250名で発足し、1997年の重要伝統的建造物群保存地区指定に向けた活動が民間主導で行われたそうです。

また、この重要伝統的建造物群保存地区指定をきっかけに整備された寺内町の町並みは、2009年には国土交通省が表彰する「美しいまちなみ賞」を受賞するに至りました。

その景観は今でも保たれていますし、最近でも民間主導の活動は続いており、その中で生まれたイベント「寺内町燈路まつり」は2021年で12回目の開催となり、多くの人を惹きつけています。

その燈路まつりは、2019年に「手づくり郷土賞」(地域の魅力や個性を生み出している良質な社会資本とそれに関わった団体のご努力を国土交通省が表彰するもの)を受賞するなど、地元住民がつくりあげた郷土としてもその価値が認められています。

富田林テレビ

歴史を紡いできた地元住民の結束力は、いまでも多くの活動に表れているように感じます。

その象徴的な活動が、市民参加型インターネット番組「富田林テレビ」ではないでしょうか。

富田林市が先駆者となり、各地でインターネットテレビを活用する事例は増えていますが、「市民参加型」に拘るあたりに、富田林市のDNAを強く感じます。

上記の記事で記載がありますが、「富田林テレビ」の目的は、富田林市民とインターネット活用世代に対する、インナーブランディングを確立することだそうです。そのために、一人でも多くの市民の出演を促し、その友人・知人に視聴してもらうことで、多くの人を巻き込むことを狙っており、これまで400名以上の市民が出演をしているそうです。最近ではYoutubeでもアーカイブされていますね。

ファンベースの考え方においても、まずは自分自身の魅力を深掘り、そこに気づくことがとても重要ですが、この富田林テレビでは市民参加型でそれを実践しているところに妙があります。

この活動を推進しているのが、地方公務員ブロガーを名乗る納 翔一郎氏。

ずっと根底にあるのは「つながりが新たなつながりになり、熱量が生まれる。公務員に熱量が生まれることで、地域が元気になる」という考えです。つながりがないと、自分の手が届く狭い世界でしか生きられない。でも誰かとつながれば、つながった人の世界まで見えて、自分の世界が広がるんです。(中略)私の最終的な目標は、全てを富田林市民に還元すること。地域では、自分は黒子でいいと思っています。なぜなら、地域の主役は公務員じゃなく、市民だから。私は、市民を支える「最強のツール」になりたいです。

納氏の「地元住民が主役であり、地元住民のつながりこそが地域を元気にする」という信念に、富田林市のDNAを感じます。

また、納氏は、寺内町や富田林テレビをはじめとした、様々な富田林市の魅力をブログで丁寧に配信しており、このブログを拝見していると富田林市に行ってみたくなります・・・

また、富田林市だけでなく、南河内郡(富田林市を含む6市2町1村)へつながりを広げていく、MIRAI-HUBという取り組みも始まっているそうで、今後も富田林市エリアの発展には期待できそうです。

地元住民のつながりが紡ぐ、歴史ある街並みと、住民同士の強いつながりを感じながらのまち歩きは楽しそうです。

はー、いってみたいなー。

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※以下、今回触れられなかった富田林の魅力を感じられる記事


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