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#16 天才数学者集団のヘッジファンド

今回のPickUpは、ツーシグマというヘッジファンドの公募投資信託が販売開始したという記事。

ツーシグマとは、世界でもピカイチの運用成果を出すヘッジファンドで、これまで一口1億円単位でしか購入できないような富裕層限定のファンドでした。今回ヘッジファンドに、個人も相乗りできるようになったのです。

富裕層にしか売れない理由

富裕層に好まれるヘッジファンドとは、金融工学を駆使して「リスクを抑えながらな高い値上がり率」を目指すという、そんな都合の良いことあるんかい、とツッコミが入りそうな投資商品です。

一方で、その運用手法は一般人に理解が不可能なレベルの複雑さであり「リスクを抑えながら」言うものの、大きく損失を被ることもあります。そのため、ある程度資金に余裕があったり、金融に対するリテラシーが高いと認められる投資家だけに門戸が開かれている場合が多いのです。

ヘッジファンドの民主化

2000年代から、米国では個人投資家向けにヘッジファンドの門戸が開かれるようになってきました。日本の金融業界は米国の20年遅れと揶揄されることが多いですが、日本でもようやくその流れが生まれてきているのです。

しかし、先程記載した通り、複雑な運用手法が用いられる、かつ予想外の損失を被る可能性があるなどの理由から、個人投資家向けの販売は慎重にならざるを得ないという商品特性があるため、個人投資家に門戸が開かれるヘッジファンドは相当な過去の実績があるものに限られます。そのため、必然的に長年の運用実績がある老舗のヘッジファンドが販売の対象となります。

そんな中、ツーシグマは設立が2001年と比較的若いファンドですが、そのハイパフォーマンスから日本の金融機関が販売できるまでに至りました。ツーシグマの面白いところは、エンジニアが中心の会社であることです。伝統的な金融工学に加えて、数学オリンピック優勝経験のあるエンジニアを10人以上抱えデータサイエンスのノウハウを駆使して運用判断をしています。

もちろん、これまでの運用成績が良いからと言って今後も運用成績が保証されるわけではありませんが、テクノロジーカンパニーがド金融の世界でどこまで規模を拡大できるのか、金融の未来を占う一つの動きとして注目していきたいと思います。

以上


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