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#10 エンタメ専門家×投資銀行の破壊力

今回のPickUpは、USJの新エリア「SUPER NINTENDO WORLD」の拡張について触れた記事。

米国でオープンした「SUPER NINTENDO WORLD」のクオリティをみると、生活者としてはとても楽しみだが、その累計投資額は1,000億円となり、日本のエンターテイメント業界において類を見ない規模となる。

エンタメの評価

エンターテイメントの評価は難しい。トレンドが目まぐるしく変化するエンタメ業界では、安定的な収益・キャッシュフローを証明することがとても難しく、一般的に金融機関は投資や融資に慎重になるでしょう。

もちろん、大手プラットフォームと連携して「広告モデル」が成立しているYoutuber/Vtuberの事務所であれば上場企業が生まれるほどビジネスの安定性が認められていますが、それは相当なレアケースで数は多くありません。そんな中、USJの資金調達金額には目を見張るものがあります。

エンタメと投資銀行

ではUSJはどのようにして巨額の資金調達を可能にしているのでしょうか。その一つの答えは、投資銀行による投資にあります。

USJを再生させる過程でゴールドマンサックス等の金融機関との協業で大型の資金調達を実現した張本人である森岡氏も、「よくよく考えたら、ゴールドマンが投資してくれたから、USJは蘇るチャンスがあったんです。ハリー・ポッターの資金調達もゴールドマンがやってくれました。ということは、投資にはすごい価値があるなと思ったんですね。」と語っています。

ゴールドマンサックス側の目線から書かれた記事もありますが、そちらには「テーマパーク運営の圧倒的な実績を持つグレン・ガンペルら経営陣を自分たちのパートナーとして全面的に信頼し、女性やファミリー向けをターゲットとする方向に戦略を大転換、これが大成功を収めた。」との記載があります。

資金力とファイナンススキームのノウハウがある投資銀行が、信頼できるエンタメの専門家を経営陣として送り込んで再生に成功した分かりやすい事例になります。

ESG投資の文脈で、自然科学の専門家が金融業界で活躍しているという話に触れましたが、エンタメにおいても、専門家と金融機関が組むことで、通常お金が流れづらいエンターテイメント業界にもより多くの資金循環が見込まれるでしょう。

以上


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