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DeNAが推進するスポーツ×ベンチャー×まちづくり

2019年7月、DeNAは、「横浜スポーツタウン構想」の実現に向けて、横浜の地域経済活性化、新しいまちづくりの一助となることを目指す新事業として「YOKOHAMA Sports Town Accelerator(ヨコハマ スポーツタウン アクセラレータ)」を2019年秋に開始することを発表した。

「Accelerator」とは、主に「ベンチャー企業の成長を加速させる」ことを意味しており、その主体によってやりかたがことなる。

一番オーソドックスなのは、ベンチャーキャピタルが創立間もないベンチャー企業に5~10%程度の出資をし、提携先探しやサービス開発の支援をするもの。例えばグロービスが運営する「G-STARTUP」がそれにあたる。

次に、一般的なのは、大企業が行うもの。出資も可能性はあるが、それ以上に、大企業が持つ信用力・アセット・人材などでベンチャー企業の成長を加速を目指すもの。例えば東急グループが運営する「Tokyu Accelerator Program」などがある。

世界的にも5年ほど前から盛んに実施されており、Disneyもベンチャー企業との協業に積極的に取り組んでいる。

また、スポーツクラブとしては、メジャーリーグLAドジャーズが2016年に開始したAcceleratorが最も古い。

このように様々な形態があるAcceleratorだが、すべてのプログラムに共通することは、「ベンチャー企業が成長できる理由」があることだ。

今回の「YOKOHAMA Sports Town Accelerator」を見てみよう。

ページ中ほどに「提供リソース」という部分がある。

①4社(DeNA、三井不動産、東急、京急電鉄)が有するネットワーク
②観光・スポーツ・ヘルスケア等の事業ノウハウ
③スタジアム・駅・商業施設等の施設
④電車・バス・タクシー等の交通
⑤スポーツ・交通・サービス利用等の各種データ

大きな特徴として、①にあるように4社の共同開催であるところ、③の物理的な施設があるところ、と感じる。

通常4社で開催する、となると、大企業同士の意思決定プロセスの調整などで時間がかかったり、何よりプログラムに取り組む目的が揃わないケースが考えられる。

しかし、今回のプログラムでは「横浜スポーツタウン構想」という共通の目的があるからこそ、4社のアセットをその目的に照らし合わせて供給し合うことができるのではないだろうか。

また、物理的な施設が大量に存在することが面白い。多くのAccerelatorの課題として、アイデアの構想はいいが、社会実装のイメージが持ちにくい、もっというと誰が笑顔になるか分かりにくい、という理由で実行フェーズまで至らないプロジェクトも多く見かける。

しかし、今回は、実際に人がいる場所を有している企業が主催者であるため、実証実験する場の提供が可能であり、しかもそのバリエーションがすさまじい。駅、商業施設、スタジアム・アリーナ、ジム、ひいては横浜の街全体、など。しかも、自治体もバックについているので、規制を一定程度緩和した社会実装の場なども期待できるかもしれない。

Yokohama Sports town Acceleratorの今後がとても気になる。



気ままに更新をしています。マーケティング、フィンテック、スポーツビジネスあたりを勉強中で、関心があう方々と情報交換するためにnoteはじめました。サポートいただけると力がでます。どうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m