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音声発信、音声SNSの魅力

ここのところ主にHSP関連の話題を書いていますが、現在メインの仕事はIT企業の技術顧問ですので、たまにはIT系の話題も書いてみたいと思います。

2021年1月以降、音声SNSの「Clubhouse(クラブハウス)」の日本での会員数が急速に伸びました。

Clubhouseは招待制であるため、最初のうちはITサービスに敏感なリーダーや起業家などの利用が多く、集まる人も同じ層に偏っていたようです。そこから芸能人やタレント、さらに一般層にも広まってきました。

現時点では、すでにFOMO(the Fear Of Missing Out)と呼ばれる時期、つまり早く始めないと、乗り遅れる!と感じる時期は過ぎたようです。

開かれるroomも、とにかく使ってみようという人が参加するroomや、相互フォローも乱立していましたが、少し落ち着いてきたようです。

私もClubhouseに招待していだき、少しずつ使っていますが、音声SNSのClubhouseには、次のような利点があると感じています。

1.思わぬ人との接点が生まれる。
2.音声がクリアでストレスが少ない。
3.ほかのことをしながらでも会話を楽しめる。
4.記録を残さないので、本音で話せる。
5.音声だけのため、かえってその人の本質が出る。

1については、普段話を聞けないような凄い人の話も無料で聞けたり、フォローして繋がりを広げることも可能です。

2については、電話やZoomより音声がクリアで、長時間話していてもストレスがありません。実際、最近友人と2時間半ほど会話しましたが、まったく疲れませんでした。

3は、音声配信にも当てはまる音声メディア全般の特徴です。ながら視聴できるという点では、YouTubeなどの動画より音声メディアのほうが有利です。歩きながらでも聞けますからね。

4について、基本的にはログを残すことは禁止されており、またシステム的にもアーカイブは残らないので、普段話を聞けないような人たちの本音もこっそり聴けることがあります。

5は、ブログやFacebookなどのSNSで前から知り合いの人でも声を聴くと、全く違った印象を受けることがあり、自分の想像より現実に近い人となりを知ることができます。

Zoomなどの映像メディアでは、外見からの視覚的な情報が優勢になるので、ある程度飾ることができますが、声は素のその人が出ますからね。

なお、Clubhouseで使われている技術は特に目新しいものはありません。音声メディアでは、中国が一番進んでいますが、中国では10年ほど前から複数のユーザーが音声で交流できるというサービスが存在していました。

Clubhouseの技術も中国企業の「Agora(声網)」が開発したものです。余談ですが、Agoraの趙斌(トニー・ジャオ)CEOとZoomの袁征(エリック・ユエン)CEOは、20年以上前にWebExという同じ企業で同じプロジェクトに関わっていたこともあります。

Clubhouseは、シリコンバレーというブランドと招待制というプレミア感など、上手なブランディングで一気に広まりました。Clubhouseは現在、中国ではアクセスできなくなっていますが、「中国版Clubhouse」とも呼べるものが雨後の筍のように100個以上出てきています。

Twitterも2020年12月から「Spaces」という音声チャットルームサービスのテストを開始、2021年4月から誰でも利用できるようになる予定だそうです。

TwitterでClubhouseみたいなことができると、ものすごく強力かもしれません。楽しみです。

なお、日本ではFacebookと同様、Clubhouseも使っているのは若者よりも30代〜50代の人のほうが多いように感じられます。

そこで、Z世代(1990年代中盤または2000年代序盤以降に生まれた世代)は、何を使っているのだろうと思って調べてみました。

彼らはLINEでのチャットや会話はよく使っているようですが、音声SNSとしては、日本で開発されたサービス「パラレル」また「Yay!(イエイ)」というサービスが人気だそうです。

まだアジア圏での利用者が100万人とか200万人という規模ですが、いずれも匿名性のアプリで、仲間内のおしゃべりとか、ゲームとか、部活、サークルみたいな、ゆるい会話がウケているようです。

今回は、主に音声SNSについて書きましたが、音声配信メディアでは、ポッドキャスト系(マルチ配信)、事前録音したストック型の「himalaya(ヒマラヤ)」、ライブ配信系、ライブ感を重視したフロー型サービスの「stsnd.fm(スタンドエフエム)」などがあります。

ほかにも「Voicy(ボイシー)」「Radiotalk(ラジオトーク)」、「REC.(レック)」「SPOON(スプーン)」「Anchor(アンカー)」、そしてこの「note(ノート)」でも音声配信はできます。

ただ、音声配信に関しては、日本でもhimalaya(中国では5億人以上が利用)とstsnd.fmがダントツで利用者が多いので、機会があればこれらのサービスについても書いてみたいと思います。

Cover Photo by Matt Botsford


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