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HSPより敏感なエンパスについて-2

HSP(Highly Sensitive Person)より敏感で、共感力と直感力に優れたエンパスについての続きです。

エンパスは貴重な能力の持ち主

エンパスの持つエンパシー(Empathy)は、日本では「共感力」と訳されますが、意識的に他人を思いやったり、共感するシンパシー(Sympathy)とは少しニュアンスが違います。

感情移入や自己移入と訳されることもありますが、エンパシーは、ほとんどが遺伝的、あるいは生まれつき持っている一つの能力です。エンパスは、共感力に欠けたサイコパスやナルシシストと呼ばれる人たちとは全く逆の人たちです。

HSPのように他者のエネルギー、感情、思考、環境などから影響を受けるだけでなく、他者のエネルギー、感情、思考、身体の状態、環境のエネルギーなどを自分のものとして受け取る能力がある人たちのことをエンパスと呼びます。

さまざまなエンパス

エンパスにはさまざまなタイプがいます。『エンパシー 共感力のスイッチをオン/オフしよう』の著者ローズ・ローズトゥリー氏は次の6タイプを紹介しています。

・身体合一型:他者の身体に起きたことを、自分の身体で起きているように感じる
・身体直感型:他者の身体で起きたことが直感的にわかる
・感情合一型:他者の感情を自分のことのように感じる
・感情直感型:他者の感情が直感的にわかる
・知的自己変容型:人の考えに合わせて行動してしまう
・霊的合一型:他者のスピリットとつながり、その人を援助できる

またこの6タイプのほかに次のようなタイプもいるとしています。

・モレキュラー・エンパシー:分子レベルでつながる力を持つ
・クリスタル・エンパシー:クリスタルとつながる
・エレメンタル・エンパシー:自然界の精霊・妖精や天使などとつながる
・環境エンパシー
・アニマルエンパシー
・ガーデニング・エンパシー

ただ、ローズ・ローズトゥリー氏の説明は少しスピリチュアルよりなのと、若干複雑なので、ここではエンパス研究の第一人者、自らもエンパスで霊能力者だと言われている精神科医のジュディス・オルロフ氏の『The Empath 's Survaival Guide / 邦題:共感力が高すぎて疲れてしまうがなくなる本』の分類に沿って解説します。

ジュディス・オルロフ博士は、南カリフォルニア大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で14年にわたって医師としての訓練を受け、ニューヨークタイムズのベストセラー作家であり、UCLA精神医学の臨床学部に所属しています。精神科医としてのキャリアは20年以上に及びます。

オルロフ博士によると、エンパスには大きく分けて次の3つのタイプがいます。

・身体エンパス
・感情エンパス
・直感エンパス

身体エンパス

身体エンパスは、他者の身体的な状態、症状、苦痛などをまるで自分のことのように感じます。他者の健康的なエネルギーを自分の中に取り込むこともできます。

隣にいる人や友達が頭痛を感じていると、自分も同じように頭が痛くなったりします。頭のどの部分が痛いのかもわかったりします。

この能力を活かして、医師、治療家、ヒーラーなどになる人もいます。一方で、電車などに乗っている時、見知らぬ他人の体調不良をキャッチしてしまって、自分ではわけもわからず不調になったりすることもあるので、注意が必要です。

また他人の身体のネガティブな状態だけではなく、ポジティブな影響を受けることもあります。

これは私の体験ですが、52歳で亡くなった母親がガンで入院していた時、神社で母親の病気平癒を祈りました。その時とても癒される感じがしたのですが、ほぽ同じ時間、母親は身体が宙に浮くような、とても心地よい感じがしたと言っていました。

特に親しい人との間で影響を受けることが多いかもしれませんが、たとえばとても愛に溢れた純粋な人のそばにいるだけで、自分も愛に溢れるような体験をすることもあります。

7年ほど前のこと、喫茶店である人と1時間ぐらい一緒にいただけなのですが、とても純粋な幸せな気分になったことがあります。さらに前のこと、私がヒーラーをしていた当時、一緒にいて話をしているだけで癒されたと言ってくださるかたも何人かおられました。


感情エンパス

感情エンパスは、他者の感情をまるでスポンジのように吸い取って感じてしまいます。嬉しい感情も悲しい感情も受け取ります。

HSPの人も他者の感情の影響を受けやすいのですが、エンパスの場合は他者の感情をそのままダイレクトに受け取ってしまうので、自分の感情と他者の感情の区別がつかなくなることもあるので注意が必要です。

これまた電車に乗っている時、突然怒りの感情が湧いてきたり、映画館にコメディ映画を観に行っているのに妙に気分が重くなったり。突然、わけもなく不安な感情が襲ってきたり。

職場などでイライラしている人のそばにいるだけで、こちらもイライラしてくるといった場合はわかりやすいのですが、知らない人のそばにいるだけで何か気分が重くなったりする場合は、その人の感情を受け取っている可能性があります。

感情エンパスは「これは自分の感情か? それとも他者の感情か?」と常に自分の心に問いかけてみることが必要かもしれません。

もちろんポジティブな感情もダイレクトに受け取ることができます。友達が昇進したり、結婚したり、賞を受賞したり、幸せな気持ちに包まれている時などは、盛大にお祝いをしてあげましょう。

感情エンパスは「自分のことのように嬉しい」という感覚を普通の人より、豊かに感じることができます。


直感エンパス

直感エンパスとは、直感力が優れている人たちです。スタンフォード大学のビジネス科の大学院でも直感を戦略的技術として教えるコースがあるそうですが、直感力は共感力とともにこれからの時代に特に求められている能力です。

直感エンパスの並外れた知覚は、一昔前まで超能力と考えられてきたような能力ですが、最近ではその仕組みが脳科学のミラーニューロンや心理学などでもある程度説明されるようになってきました。

普通の人たちは五感でキャッチできる狭い範囲だけを知覚して生活しています。しかし可視光(360〜830ナノメーター)も可聴域(20から20,000ヘルツ)も電磁波や自然界のごく一部のとても狭い領域でしかありません。紫外線、赤外線、低周波、高周波は目や耳では認識できません。

また人間の視覚は、実は平面的に二次元の世界しか捉えていません。二つの目で奥行きを感じているだけです。もし三次元の目を持っていたら、見ている物の裏側まで見えるはずなのです。

直感エンパスは、五感を超えた感覚を生まれながらに持っています。知覚の帯域が広く、物理的な領域や時間を超えたものまで知覚できるのです。

しかし、いまだに五感を超えた知覚は解明されていない領域も多く、直感エンパスは神秘的で、スピリチュアルな人に見えるかもしれませんし、その並外れた知覚によって、逆に世間の人と違う孤独を感じてきたかもしれません。

心理学者のカール・ユングは、直感エンパスの代表的な人でした。彼は次のような言葉を残しています。

 子供の頃の私はいつも孤独を感じていた。そして今でも孤独を感じている。なぜなら私は、他の人がまったく知らず、そしてたいていは知りたいとも思っていないことを、なぜか感知することができるからだ。孤独とは、周りに人がいないという意味ではない。自分にとって大切なことを他者と共有できないこと。他者にとってはとうてい受け入れがたい考えを持っていることが孤独なのだ。 --- カール・ユング(心理学者)Judith Orloff,MD The Empath 's Survaival Guideより

直感エンパスには、次のようなタイプがあります。

テレパシー・エンパス
予知エンパス
夢エンパス
動物エンパス
植物エンパス
地球エンパス
ミディアム・エンパス

テレパシー・エンパスは、言葉の通り、人の考えていることや気持ちをリアルタイムに読み取れる能力があります。それは距離や時間を超えて知覚することもできます。

たとえば遠方にいる友人のことを考えると突然その友人から電話がかかってきたり。親戚の誰かが仕事で悩んでいることを察知したり。

情報はその人の顔が浮かぶといったイメージ、何かのサインで浮かぶことがありますが、それが自分の抱えている問題から発生してきたものか、それとも純粋に他者の考えをキャッチしたものか、区別できるようになる必要があります。

予知エンパスは、これから起こることを事前にキャッチします。親や家族の誰かに死期が迫っていることを予知するといったことを子供の頃に経験した人がいるかもしれません。誰かが夢枕に立って話をしたり。

目が覚めている時にサインを受け取る人もいれば、次に述べる夢エンパスのように夢で予知する人もいます。

私も友人の女性に彼氏が出来た時に予知して連絡を取り、驚かれたり、地震をあらかじめ察知して、祈ったり災害を避ける行動したりといった経験が何度かあります。

ただ気をつけなければいけないのは、予知した内容は一つの可能性にすぎないということです。ネガティブな内容ほどエネルギーが大きく感じられるのですが、それに振り回されないように注意が必要です。もちろん嬉しい予知なら軽い感じで人に伝えても良いかもしれませんが。

夢エンパスは、明晰な夢を見ることができます。普通の人でも訓練すれば明晰夢を見ることができますが、夢エンパスはそれが自然にできます。

夢の世界は、私たちの現実の世界にも大きな影響を与えています。また夢を明確に覚えていたり、意識的にコントロールできるようになると、現実の世界でも自分の望む方向に進む大きなヒントを得られたり、インスピレーションを得られます。

そのためには夢日記をつけることがオススメです。実は私も毎朝、夢を記録する習慣を持っています。

ちょっとしたコツとしては、目覚ましを二つ用意して、実際に起きる時間はハッキリ聴こえる目覚まし、その30分ほど前に軽く目覚められる目覚ましをセットしておきます。そして最初の目覚ましでうっすら目覚めて、そこから二度寝すると、夢をちゃんと覚えていることが多いです。

動物エンパスは、動物と非言語コミュニケーションができます。ホースウィスパラー、ドッグウィスパラー、アニマルコミュニケーターといった訓練を受けた人たちもいます。

動物は鳴き声である程度のコミュニケーションをしていますが、イメージをテレパシーのようにやり取りした非言語コミュニケーションもしています。

また動物のシンボル、イメージは私たちを導いてくれる友になることもあります。南米やアメリカ先住民には、アニマル・メディスンという動物の力を借りて、自分を癒す儀式があったりします。

ちなみに私の経験では、猫や犬、鳥などの動物だけでなく、蝶やハチなどの虫ともコミュニケーションができます。

前にコンビニの前で行き倒れている蝶々を発見し、優しく手で包んで救出し、ティッシュに染み込ませた砂糖水を飲ませましたが、手の上にとまってちゃんと吸ってくれました。その後しばらく私の周りを飛んでいた後、元気に飛び立っていきました。

山や神社などで道を迷ったりした時、犬や猫や鳥が突然現れて、道案内するように導いてくれることもあります。

植物エンパスは、植物、樹木、花とコミュニケーションができます。植物のなかでもサボテンは特に人の感情と同調しやすく、電極を接続してそれを測定することも昔からよく行われていました。

花も優しい言葉をかけているとよく育ちますし、人が悲しみに打ちひしがれていると一気に花が散ることもあります。動物と比べると動きがほとんどわからない植物も私たちとコミュニケーションすることができます。

樹齢何百年という大きな樹に抱きつくと、おおらかな感じに癒される気分になる人も多いと思いますが、植物エンパスはさらにその感覚が敏感です。植物エンパスは、樹木ドクターのような仕事が向いているかもしれません。

地球エンパスは、大地や地球の変化を感じることのできる人たちです。よく天気痛と言って、雨や台風の来る前後に頭痛がしたり、低気圧で身体の調子が悪くなったりする人がおられると思いますが、天気痛は耳の奥の気圧を感じるセンサーが敏感なことが原因だということが最近わかってきています。

最近ではウェザーニュースのスマホ用アプリで天気痛予報まで見ることができます。天気痛の人は、雨や台風の来る何日も前の微弱な気圧の振動も感じることができます。

さらに石などから情報を読み取ったり、メッセージを受けたりすることができる人もいます。パワーストーンを選ぶ際にはその能力が活かせるかもしれません。

ミディアム・エンパスは、物質世界を超えた存在、神、天使、スピリット、スピリチュアル・アニマルなどと交信できる人たちです。あちら側とこちら側を繋げることができる媒介者です。

このレベルになると、それが主観的な体験なのか、どういう存在とコミュニケーションしているのか、常に自分をしっかり持っていることが必要です。

たとえば神様のような存在から何かを頼まれても、自分の気持ちに合わない場合は、ハッキリとノーと言える強さが必要です。

また高次、というか精妙な存在からのメッセージは、人と普通に会話するようには行われません。ある意味、一瞬で伝わるという感覚です。これは、同じような体験を活かしてスピリチュアルの世界でリーダーをされているかたにも話をしましたが、同じだと言われていました。

このあたりについては、私はいろいろと深い経験をしていますが、話をしだすとかなり複雑になるので、今回はそういう人もいるという紹介レベルにとどめておきます。

つづきは、エンパスのメリット、デメリット、対策などについて考えていきたいと思います。

Cover Photo by chi liu

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