大河ファンタジー小説『月獅』11 第1幕:第4章「蝕」(2)
第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。
第2章「天卵」<全文>は、こちらから、どうぞ。
第3章「森の民」<全文>は、こちらから、どうぞ。
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第1幕「ルチル」第4章「蝕」(2)
「王!」
バサッ
鋭い羽音をたてて一羽のオオタカが舞い降りた。
「ご会談中、御免! 緊急事態ゆえご容赦たまわる」
「何事か」
「レイブン隊がルビ川沿いに火矢を放ちました」
「くっそ。もう気づきやがったか。王宮のしもべどもめ」
シンが舌打ちし