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大河ファンタジー小説「月獅」

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天卵を宿した少女と、天卵の子の物語です。
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#ほろ酔い文学

大河ファンタジー小説『月獅』4   第1幕:第2章「天卵」(1)

第1章「白の森」(全文)を読む。 前話(第1章「白の森」(3)から読む。 第1幕「ルチル…

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大河ファンタジー小説『月獅』6   第1幕:第2章「天卵」(3)

第1章「白の森」(全文)は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』5)は、こちらから、どう…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』7     第1幕:第3章「森の民」(1)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、ど…

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大河ファンタジー小説『月獅』8   第1幕:第3章「森の民」(2)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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大河ファンタジー小説『月獅』9   第1幕:第3章「森の民」(3)

第1章「白の森」<全文>は、こちらから、どうぞ。 第2章「天卵」<全文>は、こちらから、…

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大河ファンタジー小説『月獅』13   第2幕「隠された島」第5章(1)

いよいよ第2幕をスタートさせます。 お楽しみいただけると幸いです。 * * * * * …

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大河ファンタジー小説『月獅』14   第2幕「隠された島」第5章(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』13)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第5章:「漂着」(2)  小鳥たちの危急の報せに、ディアが真っ先に思い出したのは山のことだ。嘆きの火の粉を散らしているのだろうか。だが、山の咆哮は聞こえない。吹きすさぶ潮風の甲高い声が耳をかすめるだけだ。それに小鳥たちがディアを引っ張っていくのは、山とは反対の海岸につづく道だった。  浜への坂道を駆け降りる。視界が開けると、波打ち際に何か黒い物が横たわっているのが目

大河ファンタジー小説『月獅』15   第2幕:第6章「孵化」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(『月獅』14)は、こちらから、どうぞ。 …

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大河ファンタジー小説『月獅』16   第2幕:第6章「孵化」(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(15)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』17   第2幕:第6章「孵化」(3)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(16)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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大河ファンタジー小説『月獅』18   第2幕:第6章「孵化」(4)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(17)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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大河ファンタジー小説『月獅』19   第2幕:第7章「もうひとつの卵」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(18)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』20   第2幕:第7章「もうひとつの卵」(2)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(19)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「…

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1年前
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大河ファンタジー小説『月獅』21   第2幕:第8章「嘆きの山」(1)

第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。 前話(20)は、こちらから、どうぞ。 第2幕「隠された島」第8章:「嘆きの山」(1)  隠された島は嘆きの山の支配下にあるといっていい。  島のなりたちがそうなのだから。  カーボ岬の先端にあったヴェスピオラ山が噴火して大陸から切り離され、海を漂う浮島になった。五百五十年も昔のことだが、山にとってはひと眠りほどの時にすぎぬ。  ――なぜ噴火したのだったか。昏い憤懣のようなものが爆発したような気がする。あの男が必死で鎮めようとしてい