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好きなことだけやっていたら、だれかの役に立っていた

こんな都合のいい話があったのです。とっても貴重な経験だったし、自分でも忘れたくない感覚なのでnoteに残しておこうかと。

時は2020年5月。そうコロナ真っ只中。わたしは当時勤めていた会社で「3Dプリンターでフェースシールドを作成して寄付する」という会社の本業でもなければ、自分の本業でもないプロジェクトに楽しく参画していた。

同僚でもあり、プライベートで仲良くしているテクノロジー大好きな友人が、おとなのおもちゃと言わんばかりに楽しそうに3Dプリンターでフェースシールドを印刷しているのを彼女のSNS投稿で見つけたのだ。

繰り返しますが、時は2020年の春。我が国日本にはマスクも不足、アルコール消毒液も不足・・・フェースシールドなんてものは無!そんなとき、彼女はとあるサイトで、フェースシールドを作る仲間を見つけて、欲しい人(病院)に渡すということを始めていたのだ。「なにそれ、楽しそう。わたしもなんかやりたい。」と巻き込まれに行ったのだ。だってすごく楽しそうなんだもの。

巻き込まれたい一心で、自分にできることを考えた。

あった。このプロジェクトを広めることで人と人をつなぐことだ。彼女が教えてくれたマッチングサイトは英語なので、フェースシールドが欲しい日本の病院はほぼ登録されていない。でも絶対必要な人はいる。病院や介護施設などで働く友人に声をかけまくる。いっぱい出てきた・・・芋づる。欲しい人はたくさんいることはわかった。でも3Dプリンターで印刷するには、かなり時間がかかる。届ける先がたくさんあると知った彼女は、すでにテクノロジー大好きな同僚や社外の友人に声をかけて、増産体制を組みつつあった。「このおもちゃすっごい楽しいから、買って一緒に作ろうよ」って。

自分がいい!と思ったことを広めるのが好きなわたしは(ただのおしゃべり好き?!)社内で共にCSRプロジェクトを担当する同僚に「なんか楽しいことやってるのよ、わたし」と話す。「えー、なにそれ楽しそう。わたしもなんかやる」となった同僚その2の彼女は役員秘書さん。役員に話してお金をもらってきた!!なんとこのプロジェクトに予算がついたのだ。会社の本業じゃないのに。まぁ、エンジニアも多い会社だし、エンジニア以外の社員もテクノロジーに触れる機会として、3Dプリンターが会社に1台あってもいいのでは?しかも世の中に役に立ってるなら・・・という粋な計らいで。

まだ終わらないのです。

「楽しいからもっと、もっといろんな人を巻き込んでしまえ」

と社員の家族や自分の生活圏で医療や介護・保育などの従事者でフェースシールドが欲しい人がいれば寄付しますよと社員に営業の役割を、3Dプリンターで印刷したフェースシールドをすぐに使えるように、やすりがけや組み立て・送付する役割を社員や社員の家族(夏休み中の子どもたちも参加)が担うというプロジェクトにまでなった。蓋をあけてびっくり。わたしたちは約半年で1,000以上のフェースシールドを作成して全国に寄付をしてしまった。

終わってみたら、寄付先からたくさんの感謝のメールや手紙をいただき、何度も言いますが、本業と関係ないのに社内チームアワードまでもらってしまって、正直ちょっと拍子抜け。なぜかって・・・大変なことなんて一つもなくて、

それぞれが、好きなことだけをやっていただけ


だから。

ただただ『3Dプリンターでものづくりをしたい人』、『楽しそうなことで人をつなげたい人』、『もっと広めてつなげたいひと人』、『細かい作業が好きな人』『なんでもいいからこのプロジェクトに関わりたい人』が勝手にそれぞれ好きなことだけやってただけ。わたしは「楽しそうなことを広める」こと以外は、ハッキリ言うと「やりたくないこと」なんですよね。というより、「できないこと」でもあるわけです(笑)。ものづくりをしたい人にとっては、寄付先を探すことも、探した寄付先とのやりとりもしたくない。ちょっと言い方がアレだけど、これがリアル。だって自分のおもちゃでものを作るのが好きなだけなんですもの。

でもね、誰が欠けていても、こんな結果にはならなかった。このプロジェクトには全員必要な存在だったことは確かな事実。仕事だったらこんな風にはいかないよという声もあるけれど、こんな風に仕事もできたらステキだよね。「楽しかったぁ・・・」と今でもいい思い出です。

この作品を書きながら、無職のわたしは今日も「楽しそうなこと」にアンテナビンビン張って、「巻き込まれ力を磨いておこう」と思うのでした。

図らずも「おせっかいが世の中救う説」に話が近いような気がしてきました。おせっかい万歳(笑)。よろしければこちらも読んでみてください。

楽しかったことを思い出しながら書いていたら、あっという間の1900文字。駄文ですが筆が進みました。またこちらでお会いできたら嬉しいです。



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