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聞き返した時の、返ってきた答えに成長を感じた日

小6の次男は自閉症スペクトラム障害があります。
4歳の時に1年の経過観察を経て診断を受けました。
現在は一般級に在籍しています。


そして、わたし自身は生まれつき耳がきこえません。
子どもたちとは簡単な手話や口の動きを読んで会話をしていますが、
ほとんど口の動きを読むことが多いです。

次男とおしゃべりをしていたのことです。
三男がわたしに向かって、
「ママ、△△するから見ていてね。
そしたら、○○って言ってね」
と言ってきました。

△△の部分は聞き取れなかったけれど、
三男が何かをするんだろうから見ればわかるかなと思い、
さほど気に留めませんでした。

しかし、
△△を見たら、○○って言わなくてはならない
となると話は変わってきます。

聞き返さなきゃと思うも、
三男はすでに△△を始めてしまいました。

試しにそばにいた次男に聞いてみました。
「何て言って欲しいって?」
そしたら、教えてくれました。

「何て?」と聞いたら、
何について聞かれているのかがわかるようになったんだなと嬉しくなったのです。

なぜなら、次男が1年の時にメモしていたものがあります。

===

次男→今日、〇〇して楽しかった。
母→何して楽しかったって?
次男→何して?って?
母→今日楽しかったことがあったんだよね?
次男→…

話が続かなくなる。
次男は混乱しかける。
わたしが推測して遊び名を言ってみるが、
当てはまらない遊び名が続くと更に混乱している。

聞き取れなくても聞き流す作戦に出てみたが、
(話せば気がすむかな…と)
会話が浅いままというのも気になる。

1年生の終わりなので文字での会話もトライするが、
言いたい言葉をひらがなでスムーズに書けない苛立ちが先走る。

あいうえお表を差し出すも
拾い出すことに時間がかかり、
本人が諦めてしまう。

読み書きが苦手な故に
本人にも大変な思いをさせてしまっているのだろう。

そして手先が不器用だからか、
指文字もやりにくいらしい。
大きな手話表現(グーチョキパーくらいでできるもの、欲しい、構わないなど)は可能。

わたしが聞き取れなかった単語を聞き返しても
それがどれを指すのかわからず、
話が平行線状態になってしまう。

どうやって話を深めていけばいいのだろう。

===

わたし自身が聞き取れれば
次男の無駄な混乱も避けられるのに…
と渦中にいる時は泣きたくなりつつも必死でしたが、
想像力をめぐらせたり
長男に聞いて教えてもらい
「○○だったのね。
○○が聞き取れなくて、何って聞いたんだよ」
と次男に伝えてみたりしてきました。

次男も少しずつ字がスムーズに書けるようになってきて、
紙に書いてもらったりして、
ようやくここまで会話が成り立つようになってきたと嬉しく思います。

でも誰か近くに聴者の「大人」がいれば、
会話で転んでいた時は手助けしてもらえたら嬉しかったなと思うこともあります。