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【アニメ関連株・企業研究ノート】③エムアップHD(3661)

こんにちは。アニメ社畜系投資家のでこです。
今回のアニメ関連銘柄はエムアップHD(3661)を紹介したいと思います。

前々から壽屋・東宝と並んで「でこちゃん's 銘柄」としてラインナップされていたのですが、ここ最近になってエムアップHDのIR担当者に積極的にお電話して色々お話を聞かせていただいた中でこの会社のビジネスの強さが改めて再確認できました。

そこで今回は僕のエムアップHDの分析をnoteにまとめさせていただこうと思います。

≪企業概要≫

エムアップ社はコンテンツ配信が主力のITベンチャー。アーティストの有料ファンサイト運営がメイン事業で、電子チケット やアニメコンテンツのグッズやLINEスタンプなども展開。

エムアップHD・ファンクラブサイト例(決算説明資料より抜粋)
LINEスタンプ「動く!かぐや様は告らせたい」・エムアップ製作

≪チャート≫

エムアップHD(3661) 日足チャート・株探より抜粋

昨年11~12月は株価4400~4800円のレンジで推移していましたが、昨年12月末にエムアップ社は1/4の株式分割をして株価は1148円になりました。
それ以降需給が急激に悪化して、711円にまで下落。
しかし近年は需給も回復傾向、5月13日に発表された好決算も受けて昨年の分割前の高値1215円を目指すいい形になっています。

≪指標≫

[株価] 1,115円(※2022年5月24日終値)
[時価総額]407億円
[利回り] 0.63%
[PER] 29.9倍
[PBR] 7.91倍
[ROE] 26.49%
[ROIC] 20.5%
[ROA] 6.90%
[粗利益率] 32.0%
[営業利益率] 12.4%
[営業CFマージン] 18.92%
[自己資本比率]35.90%
[発行済み株式数] 36,496,388 株
[株主優待] 無

時価総額400億円なので、中小型銘柄に分類されます。
ROE・ROICが20%over、営業利益率12%・営業CFマージン18%と収益性の高いビジネスを展開していることがわかります。

≪注目ポイント(強み/α要因/カタリスト他)≫

メインはファンサイト運営事業

アーティストのオフィシャルサイト・スマートフォンサイト・ファンクラブサイトが、低コストかつスピーディに  提供できるクラウドシステムを自社開発。あいみょん、official髭男ismなどの有名アーティストからEXITなどのお笑い芸人、田村ゆかりなどの有名声優まで幅広いアーティストのを手掛けており、運営ファンサイト数300。

サブスクビジネスと手数料ビジネスの両輪

エムアップ社のクライアントとなる音楽事務所側は無料でオフィシャルサイトやファンクラブサイトを作成可能。エムアップはファンクラブ会員は月額の会費をファンからサブスク的に徴収する。

また、エムアップでファンサイトを開いた音楽事務所側は電子チケット販売・ ライブ配信・アーティストグッズ制作・オンラインくじなどの様々なサービスを利用して多様な展開が容易にでき、エムアップはその手数料を徴収することで音楽事務所側からもファンからもロイヤリティを徴収できるビジネスモデルを確立。

売上ミックスの改善

ここ3年で売上営業利益率が9%→12%→14%と改善傾向。
主な理由としては以下3点↓
 ①収益性の高いファンクラブ事業の売上UP
 ②アーティストグッズ制作などの新サービスの利益率が高い
 ③先行投資を既にこなしている

エムアップHD・2022年度Q4決算説明資料より抜粋

大規模な事業投資

一昨年に16億円の大規模な事業投資。投資内容は以下の通り。
 ・電子チケットの2次流通システムの開発費(=チケット転売対策)
 ・ファンサイトの新サービス開発(アーティストグッズ制作・クラウドファンディング・オンラインくじ等)

競合他社

ファンサイト事業における競合他社は国内で現在SKIYAKI(3995)THE COO(4255)の2社のみ。しかし売上規模の観点から見て、エムアップは両社を圧倒している。
(ファンサイト事業売上高:エムアップ約100億円、SKIYAKI約14億円、THE COO約5億円)。

音楽事業領域における優位性

エムアップ社は2004年からガラケーでの「着うた」などの音楽配信事業を展開していた関係で多数の音楽会社・事務所と長きにわたりお付き合いがあり、交渉・契約のノウハウが会社に蓄積されている。そのため音楽アーティスト事務所がメイン顧客となるファンサイト運営ビジネスにおいて高い競争優位性を持ち、また新規の参入障壁も高い。

電子チケット事業

電子チケット事業ではコロナ渦において赤字化したが、アフターコロナでライブ開催が再開したことで2022年Q3より黒字復活。
また、事業投資のパートでもご紹介したチケットの二次流通の交通網を整備したことにより、電子チケットのトレード需要を増加させることに成功しました(=転売対策)

エムアップHD・2022年Q4決算説明資料より抜粋

新事業への参入(NFT・メタバース)

エムアップ社は2021年にNFT事業やメタバース事業への参入も発表しており、今後成長の期待できる分野でのビジネスを展開予定。

なお、NFT事業は2022年5月19日にはNFTマーケットプレイス「Fanpla Owner」をオープンし、X Japanのhide  のNFTをリリース。販売価格1万円で100個販売したが、一時間足らずで完売。  

https://m-upholdings.co.jp/news/?id=1000005062


hide NFTプロジェクト第1弾『hide NFT Digital Card No.001』

中国展開

2022年にファンサイト運営の中国展開を予定しており、ファンサイト事業・EC事業にてさらなる収益が見込めます。
エムアップ社のIRご担当者様に確認した所、既に準備は出来ているようですが、ロックダウンの影響でサービススタートを延期している状況とのことでした。

エムアップHD・2022年Q2決算説明資料

株主還元

配当性向30%を目安にして株主還元を考えているようです。
今後増収増益が見込めていくようであれば自社株買いの実施も予定しています。

エムアップHD・2022年Q4決算説明資料より抜粋

最後に

近年SNSなどのメディアが増え広報活動の範囲が広がり、音楽会社側のアーティストマネージメント業務は多忙を極めています。
(※筆者の知人の大手音楽会社の某大物アニソン歌手のプロモ担当の方は2~3カ月近く休みがなかったと語っていました…)

そのような状況の中でアーティストのファンサイト運営をアウトソーシングしてくれる会社への需要は高まっていき、その中でエムアップ社は今後も持続的に増収増益を続けていく会社なのでは!?
と僕は考えております。

最後に、過去の動画で部分的にエムアップ社に触れたものがございますので、もしよろしければ以下の動画にもお越しいただけると嬉しいです!


ご清聴ありがとうございました。

※本記事は株式会社エムアップHDの投資を推奨するものではありません。


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