見出し画像

心臓血管外科(開胸術後)の心停止対応

心臓血管外科術後に患者が心停止になった場合、通常通りの胸骨圧迫優先のCPRやアドレナリンの早期投与を行いません。胸腔内構造物の破損による不利益のリスクが大きいからです。
具体的には、
①グラフト損傷
②心損傷
③血圧上昇による弁縫合部の損傷
などのリスクです。

幸い、心臓血管外科術後の心停止は蘇生率が高いデータが示されています。
理由としては、
①ICU内にいるため早期確知が可能であることに加え、
②ペーシングが留置されており高度な徐脈やasystoleに対応が可能、
③また除細動が近くに準備されているため
と考えられます。
もちろん脳保護は最も優先されるため、ペーシングや除細動が短時間で試行可能でない場合には胸骨圧迫をためらってはいけません。
上記を確実に、かつ迅速に試行するためにアルゴリズムが公表されております。

アルゴリズムの解説をつくりました。
これを確認して日頃からスタッフ内で共有、トレーニングしておくことが重要です。

ここから先は

0字 / 1ファイル

¥ 298

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?