脳出血急性期の世界標準治療(覚え書き)

外科的治療適応の判断
①血腫除去
②脳室ドレナージ
③外減圧や内減圧
神経症状の悪化、血腫増大、出血部位を総合評価して行う。

脳出血では重要になる血圧管理
ルーチンで140mgHg以下での管理がされている施設が多いが、脳灌流の自動調節能が障害された状態では急激な降圧は逆に危険なこともある。
220以下の患者では140以下での管理は許容されるが、220を超える患者では140-160程度で管理して神経症状の悪化がないか注意しながら観察するべきである。
CPP=MAP-ICPであり、意識障害があり脳圧亢進が疑われている患者では特にMAPの低下には気をつける。
130以下の血圧管理は予後悪化と関連。

DOAC投与中はオンデキサかイダルシズマブを投与。
ワルファリン使用中はケイセントラかFFP。ケイツーは抗凝固作用の復元の予防であり急性期の血腫増大効果は無いため優先度は低い。
抗血小板薬投与中の予防的PC投与は有害な可能性があるため投与しない。通常のPC投与適応に準じて考慮する。
→参考

低調輸液は禁忌。等張液を投与(維持輸液も同様)。

心臓や腎臓などの合併症の評価。タコツボや後負荷増大による心不全も。
1週間程度でVTEの評価も。

頭蓋内圧管理
30−45度ギャッジ、誤嚥予防にST介入までは経口摂取を控え、早期経管栄養を行う。
38度以上の高体温では解熱薬を使用する。
鎮静が必要な状況、不穏やせん妄ではRASS0〜ー2で管理
ICP亢進した状況ではより深い鎮静を考慮する。
プロポフォールの使用は代謝も早く覚ます際にも蓄積なく容易

抗てんかん薬の予防投与は行わない。

挿管が必要な場合には、予防的にセフトリアキソン2g単回投与はVAPの発生率を下げるため有用かもしれない。

PPIのルーチン投与は必要無い。通常の絶対適応(挿管や凝固障害)があれば投与

発症から数日以降はVTE予防に抗凝固療法を検討。

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