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日々のこと

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2018年1月の記事一覧

月の欠けた夜

予定を変えて家路へいそいだ。 月食があったのを思い出して、カメラを抱えて外にでた。 ひさしぶりに犬以外を撮る。 街灯のあかりが届かないところで、カメラの設定をiPhoneで調べる。設定を変えながらシャッターを切る。 今夜は、ちがう予定のはずだった。 予定通りならば、カメラで月食を撮ることはなかった。 いまごろ、虹の橋でも同じ月をみているのかな。 なんだかセンチメンタルな気持ちに包まれていた。 遠くを見あげ、甲高い声でみかんが吠えだした。 いつもならば、とうに自分

都合よくしかおぼえてられない

4年前に書いた文章が出てきた。懐かしさにこのまま使いたくなった。 友人のコメントも使ってOKをもらったので、noteに投稿。 自分のボトルネックを探る目に入るもの、耳にするものすべてに興味がいってしまい、「注意力散漫」になることです。 結果として、今やるべきことに集中できず。 そのうち、今何やっていたんだっけ?となります。 2014年1月のある日の帰り道 1.電車で10分近く、せっせとiPhoneを探し続ける 2.ふとWifiルータが気になって、Wifiルータも探す 3

にくしみを原動力にしない

ひさしぶりに会った友だちと、イベントの参加前にお茶をする。もうすぐ出会って5年なんだねぇ、暖かくなったらあれをしようと言葉を交わす。 イベントの冒頭で、タイトルの言葉を聞いた。 世の中を大きく揺るがしている話題の内容だ。正しいことを正しく伝えるのだと思っていたら、それだけではなかった。 悪と正義で決めつけない。分断しているところを繋ぐようなところでありたいという。 「にくしみを原動力にしないことです。それが社是でもあります。」 そのあとは、自分の知らなさ加減を思い知る

波止場だったと思い出した

おもしろそうだと立ち寄った場所は、にぎやかに人があふれていた。おしゃべりな人もいれば、ただ淡々とたたずんで微笑んでいる人もいた。 元気があるときも、そうでないときも、そこに立ち寄ると、ここにいてもいいんだなと思えたところだった。 ある日、あたらしいルールがやってきた。ルールは決まったばかりだと、慣れるまで時間がかかるのだろう。ルールを声高に振りかざす人がいた。わたしは選ばれし人なのです。皆に伝えよう。 いつからこんなことになったんだろう。 ここは市場のようににぎやかだっ

いびつなレーダーチャート

いろんなものが通り過ぎていく。 感情にふたをしているのか、あまり深いところまで降りていかない。 もう少し、こまかくいうと楽しみや喜びはいつもどおりだ。 そして、怒りはいつもよりも精度が上がっている。 ふたをしているのは悲しみの要素だ。 さながら、いびつな感情のレーダーチャートだ。 うっかり、18歳の女の子が、小さい頃に別れたお父さんに10年ぶりに北海道へ会いにいく深夜番組をみてしまった。 涙腺もろくなったというよりも、うっかりふたが開いたら、ついでに溢れ出した感じだな

一番はじめに聞くのは自分だ

頭の中にいろんな言葉が思い浮かんでも、ほとんどは口にすることはない。メモで残さないかぎりは、どんどんと消えていく。内容が不平不満だとしたら、その感情だけが自分の中に知らず知らずにたまっていく。 アプリひとつで簡単に音声入力がためせると聞き、ようやく試してみた。頭に浮かんだことを口にしてみると、音として耳から入るとそんなこと思った?と驚く。 いやいやそこまでは、思っていないけれどというギャップを感じて、発した言葉から、本当に?別の言い方は?と口に出した言葉と、そのあとを追い

向こう側からはどう見えるのか

毛玉たちをみつめる。 道端につないで、こちらから撮ってみた。 私をみているようで、みていないんじゃないかな。 今朝は朝早くに出かけて、夜に戻ってきた。その間は、ふたりで留守番。 この連休は、私が家にいる時間が長かったので、よく寝る姿ばかりをみていた。ワンコってこんなに長く寝るんだな。 あまり家にいない私は、ふたりからどう見えているのだろう。 きっと、ゆっくりと寝たいから邪魔しないでくれといったところか。 自分の気持ちを中心に考えているので、相手からどう見えるのかという

なかったことにはできない。

旅行から家にもどってきて、日常がまたやってきた。 普段ならば仕事をしているはずの時間、ぽっかりとしたスペース。 片付けとかやったほうがいいことは、いくらでもある。いくらでもあるのに、のろのろと家で過ごす。 横でよく眠るナナの顔をじっくりとみると、ちゃあの顔に見えてきた。あぁ、よく似ているものね。ナナをみているのに、そこにちゃあの面影を探してしまう。悲しみに浸りそうになった。 無理に大丈夫なフリをすると、揺り戻しがくるだろう。だから、感情を自覚して、味わおうとしているのに、

安心安全の場所を確保せよ

サードプレイスという場所は、あったほうがいい。家と会社を往復するばかりのわたしに、それ以外の場所ができた。 いろんな年代、職種、想いをもった人と触れ合うことで、自分にとっての当たり前って、みんなもそうとは限らないんだなと実感した。 ある程度の高さで括られた箱庭は、なんだかとても居心地がよくて、そこでの語らいはわたしにとってのひだまりになった。安心安全な場所では、なにを語らっても大丈夫という空気がわたしの行動の一歩につながっていた。 サードプレイスは、いくつかあった方がいい。

悲しみにこころをまかせちゃいけないよ

非日常の空間で過ごす。 母に、昔こんなことあったよね? 小さい時に、ほら、わたしが一人分の食器が出てこなくて泣いたって話。 そうだっけ?よく覚えているねぇ。 思い出の粒の大きさって、ちがうんだなぁ。 今日は、伏見稲荷大社で人混みの中で山頂を目指す。 鳥居のひとつひとつに寄付の方の名前があった。 「あら、これも吉日さん??あら、これも。」 吉日建之....母、それは名前ではない。よい日に建てたってことなんだよー。 少し足を伸ばして、東福寺へ。 人がいない....

おしゃべり何年分

話すかどうか迷っていたことを、待合せで出会って数分後には言われた。 あんたのところの... あれ?なんで知っているの? 妹がワンコのInstagramをみたようだった。そうだ、教えていたかも。 そうだよと流した。 そう、ポイントはサラリと流すことだ。 まだ、振り返るには、日が浅い。 数日だけ、東京を離れる。 ただただ、母とたくさんの話をする。 新幹線と宿だけ決めた旅へ向かう。 写経ってどう?どのお寺が観たい? 芳しくない返事に、行き先選びからやり直したい気持ち

その先にいるのはなんだろう

ルーティーンでやることがわりと好き。 散歩に連れていく時には、どの子からハーネスをつけるか? どういうペアでつなげるか?どのコースを歩くのか? 散歩のコースのバリエーションはほとんど持っていない。 それでも、構わないという勢いでグイグイと散歩にいく。 ワンコさんの声が聞こえると、ダッシュで駆け寄るナナ。 「ちーーーーす!!ナナっす!!」 甲高い声での挨拶が始まる。 およそ、友好的ではない。 これ、私と同じ。 わからないものに出会ったときの態度と同じだ。 よく見えないも

だいじょうぶな場所ってどこだろう

うちのワンコが旅立った日の夜、実家の近くに集まって、お寿司を食べる予定だった。 ちゃんと理由も告げずに、妹たちとのLINEグループにメッセージを送った。 風邪っぽいから今夜はやめておくね。 父と母によろしく。 食事の場の前に伝える話題ではないし、というのがまず頭によぎった。 本当のところは、実家で犬を飼ったことがないから、ちゃあが亡くなったと伝えても、私の想いまでは伝わらないに違いない。 もしかしたら、あと2頭いるからいいんじゃないとまで言われかねないという恐怖心があっ

夢で逢えるまで

ふたりを連れての散歩。ぐっすり寝るし、ご飯もしっかり食べている。犬ってすごいな。見習わないとと心底思う。 夢で逢えるという希望をもって、布団に入った。眠れないと思ったけれど、いつの間にか寝ていた。 たくさん寝たなと思ったのに3時間も経っていない。 いつもならば、まだたくさん寝られるからラッキーとなるところだが、長い夜にため息交じりに目を閉じた。 朝方、目覚ましがなるよりもずっと早い時間に目が覚めた。 スマホに、友達からEメールが届いていた。 タイトル 落合陽一 本文