見出し画像

揺るがない登紀子さん~百万本のバラ物語

ほんの軽い気持ちだったのです。
加藤登紀子のコンサートの配信があるというので、気軽に申し込んだのです。

 聴き始めも、仕事しながら聞き流そうかなというぐらいの気持ちだったのに、「えっ?これ、すごくない?」と気がつき、やっていたことをやめて配信を見ました。

  【ここからネタバレありです】

 さすがの登紀子さんも、年を重ねておられると思う場面もありました。でも、そんなこと全然問題ない。まずはその貫禄に驚きました。これは内面から感じるものです。どっしりと構えて、声もよく出ているし、フリルがいっぱいのステキな衣装が似合っているし、落ち着きのある雰囲気がとてもチャーミングでした。


 私は「ほろ酔いコンサート」に行ったことがあるのです。京都のお店でのディナーコンサートも友達と行って、ツーショット写真を撮ってもらいました。

  でも今回の「百万本のバラ物語」はそのいずれとも違いました。1曲目は、「屋根の上のバイオリン弾き」で森繁久弥さんが歌っていた「サンライズ・サンセット」
 このミュージカルの舞台はウクライナだそうです。

 それから「美しい5月のパリ」「サクランボの実る頃」と続けて歌ってくれました。

 ああ、登紀子さんはシャンソン歌手だったと改めて思いました。フランス革命の話やフランスでコンサートを開いた話などしてくれました。

 今回思ったこと。それはコンサートの副題にある「国を超えて、心をつなぐ歌」というのに表われていると思いました。ハルピンで生まれて引き上げてきた登紀子さんは「デラシネ=根無し草」というお話をされました。国境なんかない国があったら。

 今日の歌の数々とお話が、「国」を超えていました。今の混沌から光が少し見えるような、そんな明るい気持ちにもさせてくれました。
 


 登紀子さんは言葉を大事にしておられると思いました。朗読にしたり、日本語に直して歌ったり、伝えたいことがはっきりしています。

 「イマジン」と「花はどこへ行った」を歌ってくれて良かったです。しかも日本語を入れて。イマジンは今こそ歌いたい。亡き父も大好きな歌でした。

 
 合唱を入れた最後の「百万本のバラ」も、何だか私は胸がいっぱいになりました。舞台はロシアと言われていましたが、ラトビアの子守歌から生まれたらしいです。どちらでもいいです。素晴らしいから。

 今回のコンサートは登紀子さんの「愛はあなたの胸にある」という歌詞の通りに、分断されることなく、みんなが愛に溢れますように、悲しい思いをしないで済みますようにという筋がしゃんと通っていたように思いました。
 すばらしいコンサートだと思いました。いつものピアノ、鬼武みゆききさんを初め、バックの4人の演奏もステキでした。それぞれの音の美しさ、合わせた音楽の素晴らしさを感じることができました。

 
 
 登紀子さんは、歌う場所があることが とても嬉しい、歌い続けていくと言っておられました。プロですね。今年80歳。歌い続けてほしい。
 
 配信なので、何回も見られます。金曜日までなので、もう1回くらいは見ようと思います。





(見出し画像は、すみません。高石ともやさんのコンサートのときのもの。
ともやさんとも仲良しです)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?