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京都アニメーション事件の判決記事より~後半

写真は、六甲風の教会(安藤幹雄設計)

書き始めたので、後半も行きます。
この判決を新聞がどう扱ったかを見ていきたいのですが、前半の反省を踏まえて、私が印象に残ったことと感じたことを中心にしたいと思います。まったくの主観です。要約は、伝えきれないことがあることをお許しください。


タイトル以外の太字は筆者(私)
【私】は私の感想

*29面 社会面
見守る遺族 納得と無念


 「被告は受け止めて」「何が残るんか」


ここは社会面。判決を伝えるだけではなく、考えさせられる事が書いてあった。

【記事より要約】
遺族らの言葉
・「遺族の気持ちをくみ取っていただいた。被告は判決を受け止め、向き合ってほしい」
・一方で、娘を亡くした男性は、「死刑にはなってほしくなかった」
極刑を望む遺族の気持ちは十分理解できるとしつつ、「彼が死刑にされてしまったら、何が残るんかな
「優しくて楽しいアニメを作る京アニに似合わない」

【私】
「死刑になってほしくなかった」という言葉。
犯した罪を考えたら、一般社会も極刑が妥当だろうと考えると思う。遺族も極刑を望むだろう。それでも、無念さ悔しさは消えない。「むなしさ」もあるだろうと思った。亡くなった人は帰ってこない。


六甲山より

不遇な半生 裁判員「相談相手が大事だと」

【要約】
青葉被告の半生、受けた虐待や困窮した生活。
妹に漏らした言葉「なんで自分ばかり」

裁判員と補助裁判員の言葉
「社会は事件をどう受け止めるべきか」という質問に対して
「まずは相談できる相手を作ること。一人にしないことが大事だと感じた

被告の治療に当たった上田敬博教授
これで終わりにしてはいけない。生い立ちや理不尽な背景を理由に、関係のない人を巻き込む事件が起こることを危惧する。どうすれば防げるか、検証が必要だ」

「失いたくない」と感じる人間関係があったら

評論家の与那覇潤さんの話
「死刑になってもいい」自暴自棄の人間が罪を犯せば、死刑すら「罰」にならないかもしれない
・ローンオフェンダー(単独の攻撃者)型の犯罪者の爆発を防ぐには、彼らが「失いたくない」と感じる人間関係が必要だ。
・事件前、訪問看護師らは、刃物で脅かされても、対面して信頼関係を築こうと努力していた。その勇気に頭が下がる共に、努力が報われず事件に至ったことが残念でならない


「責任能力あり」精神障害を冷静に評価したか



村松太郎・慶応大医学部准教授の話
・青葉被告の「闇の人物からの監視」といった妄想は、典型的な精神障害の症状だ。判決は妄想が動機に影響したと認めつつも、犯行前の被告の躊躇などを重視し、責任能力を認めた。
・精神障害の影響は複雑で、未解明な部分も多い。一般的な感覚で理解できる言動とできない言動があれば、人間は理解できる方を重く見てしまいがちだ。「わかりやすさの罠」といえる。

・精神障害の影響を過小評価しては、適切な再発防止策も議論されない。
障害の影響を冷静に評価することが、同種の事件を防ぐことにつながるはずだ。

【私】
他の事件でも、「相談したら良かった」と後から言われるが、追い詰められたら、人間は相談できなくなるのではないかと思う。でも、そこからの「一人にしないこと」、そして「わかりやすさの罠」など、これからの再発防止に向けて、大事なことが書かれていると思った。


六甲枝垂れからの風景

最後に、初公判から23回の公判を傍聴したに光墨記者の言葉が載っている。

視点 社会で受け止めるべき143日間の裁判



・裁判員が「(これまで)他人のせいにして、努力しなかったのか」と尋ねると、青葉被告は「できうることはした」と答えた。ふて腐れたような言いぶりだった。
・生きづらさが積み重なる半生に、社会への鬱屈した思いがにじんだ。
「誰もわかってくれない」ともとれる被告の考えに、もっと近づきたくなった。事件に駆り立てたものをどう断ち切るかが、社会の教訓につながると考えたからだ。
・遺族の悲しみに触れた。「社会で受け止めるべき裁判だ」そう訴えられている気がしてならなかった。
犯行を止められる社会をどう作るのか。143日間にわたる裁判で浮かんだ事実を、答を探る羅針盤とし、私たち一人ひとりが向き合っていかなければならない。

【私】
実際に公判全部に立ち会った現場から感じたこと。重たいと思った。

最後に

青葉被告の糸は誰とも繋がっていなかったのだろうか。一本だけでも繋がっている糸があったら、事件を起こさずに済んだだろうか。そんな単純な話ではない。だが孤独であったことは間違いない。胸に空洞を抱えていたことも。

このあと、被告が控訴したとの報道があった。また、青葉被告が新聞記者と初めて面会に応じて語ったとの記事が載った。まだ語りたいことがあると書いてあった。

裁判が続ということは、遺族の方々にとって、また辛い日々が続く。でも、青葉さん、語りたいことがあるなら、語ってほしい。

何でも書くが、この事件は、判決が出たから、ハイ終わり、では片づけられないと思う。なぜこの事件が起こったのか、どうしたら防げるのかの検証を聞きたい。決して人ごとではなく。私も自分で考え続けたい。


ROKKO森の音ミュージアムの池

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*事件の性質上、このnoteによって、誰かを傷つけたかもしれない。でも、この記録を残せたことは良かったと思っています。今後も新聞を中心に、報道に注目していきます。考えていきます。ここまで読んで下さった方(おられますかー!!)ありがとうございました。


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