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小林秀雄を読む日々

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『小林秀雄全作品』全32巻を、あきれるほど丁寧に読んでいきます。まず「『私の人生観』にたゆたう」を完結。新連載を準備中です。
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#詩

国語という大河に生きて、言葉をつかむ

ベルクソンが天才だと思うのは、特定の人や作った本人しか解らないような専門用語を用いず、日…

既視の海
1年前
4

知性の限りを尽し、言葉を尽す

小林秀雄は、なぜそこまでベルクソンに惹かれるのだろう。「彼の天才は、…」という語り出しで…

既視の海
1年前
2

概念とイメージの両面から直観に近づく

リルケの芸術観とベルクソンのvisionは、表現こそ違えど重なる。これは詩と哲学の結びつきであ…

既視の海
1年前
1

読んだだけでは駄目だ。眺めるのが大事なのだ。

「読んだだけでは駄目で、実は眺めるのが大事なのだ」とは、いったい、どういうことだろうか。…

既視の海
1年前
14

ただ「物」がある。それがおもしろい。

美は人を沈黙させる。その言うに言われぬ感動を言葉にせずにはいられない激情に身を委ねたのが…

既視の海
1年前
7

細かな描写をすれば芸術的というわけではない

美は人を沈黙させる。その言うに言われぬ感動を、どのようにして言葉にするか。その感動を言葉…

既視の海
1年前
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文学は、文学にあらず。

この言葉が、気になる。 戦争について一億総懺悔が求められる世相のなかで「僕は無智だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいいじゃないか」と言い放ち、舌禍を招いた座談会『コメディ・リテレール』は、講演『私の人生観』の2年前であることから、小林秀雄の考え方や言葉に共通するものが多い。 文学は、文学にあらず。小林秀雄らしい逆説であり、文字面だけでは、さっぱり分からない。人は、自分の主張や意見を述べてから、それが抽象的だと自覚があったときに、より明確な表現に言い換える

沈黙を言葉にする

経験を重んじよ。そのうえで自分の心に浮かぶ感覚を大切にせよ。信じるによせ、疑うにせよ、経…

既視の海
1年前
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詩を書くように批評を書く

宮本武蔵は「みる」という営みについて、観見ふたつの目があるという。 「見の目」とは、普通…

既視の海
1年前
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