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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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#詩集

小林エリカ『彼女たちの戦争——嵐の中のささやきよ!』

Webちくまに連載していたときから楽しんでいた小林エリカ『彼女たちの戦争——嵐の中のささや…

既視の海
12日前
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四元康祐『偽詩人の世にも奇妙な栄光』

書けない苦しみ。溢れ出る驚き。 のちに偽詩人と呼ばれた吉本昭洋は、いずれも味わった。詩人…

既視の海
4か月前
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『松本竣介 線と言葉』を読む。尾形亀之助詩集『美しい街』の挿画で知る。『運河風景』『並木道』に圧倒される。自分の眼で観たい。「戦争を描いても裸婦を描いても林檎を描いても画家の目が、厳然として永遠なものにつながってゐるか否かゞ大切だ」という言葉は文章や詩でも通じる。次は評伝を読む。

既視の海
8か月前
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『ネルーダ詩集』田村さと子訳編

「ネルーダ週間」は続く。ようやく、本命である田村さと子訳編『ネルーダ詩集』を読む。 詩や…

既視の海
7か月前
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ジュンパ・ラヒリ『思い出すこと』中嶋浩郎訳

見えてはいるが、誰も見ていないものを見えるようにするのが、詩だ。 詩人・長田弘のこの言葉…

既視の海
8か月前
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尾形亀之助の第一詩集『色ガラスの街』、第二詩集『雨になる朝』を「あるきみ屋」により復刊された文庫版で読む。きのう書き写した「雨日」「夜がさみしい」はいずれも「どつちかといふと厭はしい思ひ」で出版した第二詩集に収録。できれば全詩を読み込んで、彼のさみしさの雫を感じたい。

既視の海
11か月前
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尾形亀之助詩集『カステーラのような明るい夜』

尾形亀之助の詩集『カステーラのような明るい夜』を読む。 先日の『美しい街』と重なる詩も多かったが、あまりにもいい詩ばかりなので、ノートに書き写してみる。 胸が締めつけられるような切なさなのか、そこはかとない淋しさなのか。 眼で読むのと、声に出して読むのと、手で書くのとはまた印象が異なる。 次は詩集を丸まる一つ、書き写してみようとおもう。

尾形亀之助『美しい街』を読む。尾形亀之助は初めてではないにせよ、詩集としてまとめて読むと、後頭部をガツンとなぐられた気分。こんなに短く身近な言葉だけで、心情も情景も余韻も表わせるなんて。いたずらに長く難解な現代詩とはまったく別。松本竣介の絵もいい。まだ胸のどきどきがおさまらない。

既視の海
1年前
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福永祥子『立方体の空』

福永祥子詩集『立方体の空』を読む。 瑞々しい言葉と懐かしさを覚える言葉が混ざり合い、不思…

既視の海
1年前
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学ぶために読んだ2冊目の詩誌『凪』第二号。見開き2ページにおさまる詩も多くほっとする。なぜこの言葉を用いたのか、別な表現はなかったかと考えながら読む。最も響いたのは、水木なぎ『空気』。野宮ゆりさんと雪柳あうこさんは先日の詩誌『La Vague』と重なるが、実はこちらのほうが好き。

既視の海
1年前
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松下育男『これから詩を読み、書くひとのための詩の教室』【書評】

行分けをしたわけでもなく、韻を踏んだこともない。しかし、これまで自分が書いてきた文章は、…

既視の海
1年前
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平田俊子『詩七日』を読む。詩をやめようかと思っていた矢先の雑誌連載。毎月7日に詩を書くと決めたものの、うまくいかず、とにかく7日にあったことを2年間つづった日記ならぬ月記。好きなのは六月、十三月、十四月。幻想的なもの、逸脱、意味不明なのもあるが、それも詩。大好きな詩集のひとつ。

既視の海
1年前
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