内田百閒『冥途』 金井田英津子・画
あまり熱心な読者ではないけれど、内田百閒が好きだ。
何度も繰り返して読んでいるのは「阿房列車」くらい。師匠である夏目漱石の『夢十夜』に勝るとも劣らない幻想小説の類や、『百鬼園随筆』をはじめとする一連の軽妙で滑稽な随筆、愛猫の失踪騒動を描く『ノラや』など、どれもぽつんぽつんと拾い読みした程度。全集好きゆえに、新仮名遣いで読みやすい、ちくま文庫版の内田百閒集成全24巻を指をくわえて見ているものの、えいやと食指が動くほどでもない。
翻って『別冊太陽 内田百閒 イヤダカラ、イヤダ