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第81回 どちらかといえば嫌い・苦手なんだけど、ついつい気になっちゃうもしくは何回も読んじゃう本 #ブックブックこんにちは

ブックブックこんにちは!

東京・神楽坂かもめブックスの柳下恭平と札幌・北18条Seesaw Booksの神輝哉、2人の書店店主が好きな本のことについて話すPodcast番組「ブックブックこんにちは」。このnoteは当番組ディレクターの山本リオが裏話をお伝えするマガジンです。

神さんの相槌ファンの皆様、お待たせしました

今回はお便りの中で「神さんの相槌が好き」という話が出てきました。これは気合いを入れて神さんの相槌を堪能する回にしなければ!と思い、最近は編集で削っていた相槌など、多めに残しております。神さん相槌ファンの皆様、お待たせしました。

神さんも収録中、心なしかいつもより多めにしてくれたら気がします。さらに、相槌の多い神さんにつられたのか、いつもより柳下さんも相槌多め。

二人の「うんうんうんうんうん」をどうぞたっぷりご堪能ください!

どちらかといえば嫌い・苦手なんだけど、ついつい気になっちゃうもしくは何回も読んじゃう本

今回のテーマは「どちらかといえば嫌い・苦手なんだけど、ついつい気になっちゃうもしくは何回も読んじゃう本」です。

神チョイス1『心臓を貫かれて』マイケル・ギルモア著 村上春樹 訳(文藝春秋刊)

柳下チョイス『ブリジット・ジョーンズの日記』ヘレン・フィールディング著(KADOKAWA刊)

神チョイス2『小さな出来事』魯迅 著

今回お二人が悩みに悩んで選んだのがこちら。もちろん何度も読んでしまうということで「嫌い」なわけではないけれど、ということで選んでいたようです。

選書理由はぜひ本編から!

『小さな出来事』は『些細な出来事』というタイトルでも青空文庫などにもあるようです。このPodcastを聞いたあとでも、分量的にはサッと読める。サッと読めるけれどグサっとくる後味でした。

私にとっての1冊はなんだろう......と思って考えてみました。苦手なものはなかなか読み進められなくなってしまうことが多いから、「何回も読んじゃう」となると難しいなぁ。

そう思いながらも捻り出してみたのは、今日マチ子さんの『cocoon』(秋田書店刊)。これは、沖縄のひめゆり学徒隊について描かれた漫画。嫌いなわけでは全くありません。

私は、個人的に一時期ボランティアでひめゆり学徒隊の生存者の方々のインタビューの文字起こしをしていました。そこで語られるリアルな女学生としての当時のみずみずしい体験や、恐怖などは、作品として世に出るときには割愛されてしまう部分も「文字起こし」だからこそ聞くことができた内容だったと思います。

そして、彼女たちの言葉だけで語られるからこそ、声を書き起こしながらどうしても頭の中で想像してしまう。その辛さに何度も涙を流しました。たとえばドキュメンタリー映画を見るよりも、本を読むよりも、声から文字に起こすというプロセスはより深く私の中にインプットされていく気がしました。

『cocoon』を読むと、漫画に描かれるひとりひとりの背景にもいろいろな出来事があったのだろうとついつい想像してしまい、目を背けたくもなる。読みながら、文字起こしで聞いた言葉の端々を思い出してつい泣いてしまう。だけど知らなければいけないことでもあると思って読み進める、という体験をできた気がします。

いつになく真剣に書いてしまいましたが、みなさんにとっての一冊はどんなものでしょう?
気軽な感想だけでももちろんOKです!おたより、お待ちしています。

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