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コロナ対策に草刈正雄が効くってほんと?キリストになれる?『復活の日』を調べてみました!

みなさんコロナウイルスの感染予防はしていますか?私は『復活の日』を観ました。

♡♡ネタバレ絶対嫌マンはここだけ読んでね♡♡
・パンデミックさよなら人類映画
・天才なので観ろ
♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡


復活の日

タイトル:復活の日
公開年:1980年
監督:深作欣二
時間:156分
主演:草刈正雄

概要:角川から発表された多国籍ヒューマンドラマの超大作。未知のウイルスに全世界が犯され死に絶えていく人類と唯一生き残った各国の南極調査隊のサバイバルを描く。前半は淡々と世界が終わっていく様子をメインに写し、後半は最後の人類となった南極調査隊が新たな社会を作ろうとする姿がメインになる。156分かけて君を励ましてくれること間違いなし!

感想

「クリスマスに『ホームアローン』を観るように、パンデミックには『復活の日』が観たくなるよね!」Amazonプライムビデオはそう言ってこの映画を無料公開にした。

冒頭。アメリカが極秘に開発したウイルス型の細菌兵器『MM-88』がまぁまぁあっさりと暴発して世界中に拡散することからパンデミックが始まります。

各国は細菌兵器だとは夢にも思わず、「新型の風邪が流行っている」という認識をしました。新型の風邪はイタリアから始まったことから「イタリア風邪」と名付けられ、風邪に似た症状から一気に肺炎になり熱が続いて衰弱死する、という発表がされます。おや…?

医療最先端のアメリカですらその認識でした。と、いうのもMM-88は米軍が勝手に進めていた極秘作戦だったため、大統領を始めとする首脳陣もよもや自国の細菌兵器だとは思っていなかったのです。

どんな処置をしても一向に治らない「イタリア風邪」に対し、人々は段々とパニックになっていきました。マスクや市販薬は買い占められ、病院には大勢の人々が治療を求めて押し寄せました。最初に流行したイタリアではぐったりした赤ん坊を抱えた母親が泣きながらワクチンを求めました。しかしこのワクチンは各国政府が混乱を抑えるためにバラまいた偽薬でした。何も知らない人々はワクチンを求めて暴動を起こしました。

「イタリア風邪」はとうとう日本にもやってきます。病院はすぐに感染者で満員になり、医者は咳をしながら来院者に「ただの肺炎だよ。自宅療養」と言って家に返します。検査をするリソースも治療するリソースもありません。医者は同僚の死体が転がっている待機室に戻ってわずかな時間の休憩をとります。

ここまででまだ30分くらいしか経ってないんだよなあ。
見ての通り『復活の日』、「予言書かなにかか?」という感じで前半の人類死滅パートが進んでいきます。いや、偽薬とかはバラ撒かれてないから現実とは違うんだけど!え?撒かれてないよね?

とは言え検査もせずに返されてしまう一般市民とか、ミイラ取り状態の医療関係者とか、つい最近ニュースで見た!という嬉しくない進研ゼミ状態が続くのでここで無理な人は無理な気がする。でもこのドキドキ感は今しか味わえないぞ。(最低な煽り文句)

なおこの原作書かれた当時は香港かぜというものが流行っていたそう。インフルエンザの亜種なので今は治療可能だけど……まぁこの緻密で緩やかなパニック描写も納得だなという感じです。ちなみに原作者は『日本沈没』でおなじみの小松左京です。

さて中盤。

ところ変わって南極。

日本の南極調査隊は日々送られるわずかな情報から祖国の状況に不安を募らせていました。
最初は「イタリア風邪ってのが流行ってるらしい」程度に思っていた彼らも、徐々に途絶えていく公式通信に「ただごとではない」と判断したのです。

ただ、そのころにはもう日本は死滅していました。

同じく南極に居る各国の調査隊とも連絡を取り、どうやら日本だけでなくほぼ世界中の人間が死に絶えていることを知ります。
知らぬ間に家族も、両親も、友人も、他の人間すべてが死んでいるということに調査員たちは絶望しました。「本当に誰もいないのか?」と無線機を必死に回します。

すると、子供の声が聞こえてきました。

子供はたどたどしい英語でトビーだと名乗りました。まだ5歳で、カルフォルニアに住んでいるそうです。お母さんは死んで、お父さんは動かないと言っています。無線越しに何度も「誰もいないの?誰か返事して」と繰り返します。

「トビー、いるよ!ここにいる!」調査隊も頑張って英語で答えます。

「誰かいないの?お願い助けて」
「トビー、スイッチから手を離すんだ!」

5歳のトビーは、喋ったあとにスイッチから手を離さないと相手の声が聞こえないことを知りません。ずっとスイッチを握ったまま喋り続けます。

「トビー!お願いだからスイッチを離してくれ!じゃないと聞こえないんだ!俺たちはここにいるよ!」

「誰もいないんだ…」
「トビー!」
「ここにね、パパの銃があるんだ」

銃声のあと、無線は途切れました。


小松左京!!!!!(全ギレ)

もう文章で書いちゃったけどこれ読んだあとでも実際にこのシーン見たら絶対キツいと思う。渡瀬恒彦の演技が最高なので。

ただねぇ、まだここでも前半なんだよ。

後半は自分たちが最後の人類だと腹をくくった各国の南極調査隊が新政府を結成するところから始まります。

ここからはガラッと展開が変わって多国籍群像劇みたいな形に。
死滅パートで出番のあった渡瀬恒彦や丘みつ子は一切出てこなくなり、代わりにオリビア・ハッセーやチャック・コナーズ、ジョージ・ケネディといったとんでもねぇメンツが出張ってきます。すげぇぞ角川。

主人公の草刈正雄は地震予知学者なのでずっと専門外のペーペーとして扱われてましたが、ある日アメリカに巨大地震が来る予測を立てました。

もはや人類のない地上に地震が来ても問題はありません。しかしアメリカの調査隊は「核と同等の衝撃をもたらす巨大地震の場合、軍のシステムが攻撃されたと判断して自動で報復ミサイルを発射する」と言うのです。

アメリカの報復ミサイル(核)は各地のソ連基地に落ちます。そしてソ連もまた自動報復ミサイル装置を持っています。そして今調査隊の根城になっている南極基地も、ミサイルの目標の一つでした。

つまり、巨大地震が来る前にミサイルの発射装置のスイッチを切らないと核の雨が降り注ぎ、最後の人類も消滅するというわけです。

ただでさえ自分たちが作った細菌兵器でほぼ全滅状態なのに、さらに自分たちの核で死にそうな人類。
しかもその兵器を作った張本人たちはとっくに死んでいます。
調査隊は新たにミサイル阻止部隊を結成しなければなりません。草刈正雄とアメリカ調査隊の少佐が志願しました。

草刈正雄は真面目で口数の少ない日本人。少佐は典型的なツンデレアメリカンヤンキー。
ここからはこの二人のデコボコバディものになります。

みんなも好きだよな!バディもの!アガってきたなあ!

ミサイル阻止作戦の直前でマジのワクチンが完成し、効くかわからないけど投与される二人。早速無人となったアメリカに上陸します。

なんとか米軍本部にたどり着く草刈正雄と少佐ですが、巨大地震の前震に何度も襲われます。天井が崩れ、大けがを負ってしまう少佐。「早く行け!」「でも」「いいから行け!」という王道なやり取りが行われ、草刈正雄はふらふらになりながらシステムの前にたどり着きました。これさえ止めれば核発射は阻止できます。

間に合いませんでした。

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小松左京?

いや、ここ間に合うところじゃないですか。なんか普通に間に合いませんでした。「すごい頑張ってるな~ところでお前らは死ぬ」みたいな感じで核が発射されました。

草刈正雄は空に消えていくミサイルを呆然と見送りながら本部へ連絡します。

「手遅れでした。発射されました。今となっては意味のないことかもしれませんが……ワクチンは効いたようです」

小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松小松

ママーーーッ!!もうこいつやだーーーッ!(もうママは死んでいる)

あ、大事なことですがこれがラストではありません。
ここから一人生存ルートに入った草刈正雄キリストパートが始まります。

けど……

そこはみなさんの目で確かめてほしい(156分)ので、伏せさせていただきますね♡(156分)


まとめ

小松左京含めてこれに関わった人全員天才だろと思います。私なんかがこんな天才映画観ていいのか?!と思いながら観てました。ありがとう1980年。ありがとう角川。
なんか既存の評価とか見ると「突っ込みどころ満載」「トンデモSF」とか言われてるみたいですがこれたぶんSFの皮かぶった絶望ヒューマンドラマだからさ……エモで観ろエモで。

観終わったあと真っ先に思うのが「この天才小説をよく映像化しようと思ったな天才じゃん」なんですけど監督見たら深作欣二でした。そりゃできるわ!!!(天才)

評価(☆5つで満点)

おもしろさ:☆☆☆☆☆
画の綺麗さ:☆☆☆☆
テンポの良さ:☆☆☆
キャラの良さ:☆☆☆☆
156分:☆☆☆☆☆

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