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長尾愛里

西条市の食のイメージについて、”年間を通して豊富な種類の野菜や果物が産直市場に並ぶことが西条市の強み”という長尾さん。西条市に移住して約1年。フードディレクターとして活動してきて、一番感じたという。

そんな長尾さんのフードディレクターという仕事。聞きなれない職業だが、私たちの食卓に密接に関係している重要な役割だ。食に関する商品のマーケティング・生産・販売・流通などを手がける。他にも商品を売りたいという店舗の販路開拓や県外バイヤーから「こんな食材がほしい」と依頼が来れば、生産者を引き合わせる卸売業など多岐に渡る。フードディレクターは販売店や生産者にはありがたい存在なのだ。

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そんな長尾さんは岡山県出身。高校卒業と同時に上京し、初めて一人暮らしをした時に、スーパーで買った野菜が美味しくないことに驚いたという。この体験から「なぜ野菜が美味しくないのだろう」という疑問が生まれたそう。東京は全国から食材が集まる場所。収穫から店頭に並ぶまで、数日かかってしまうことがあり、鮮度や味が落ちるということを知ったそう。東京の食の現状を知ると同時に、地元の豊かな食のありがたさを初めて実感したという。

大学卒業後は地方自治体とともに、地域産品の販路開拓を行うなど食に関する仕事に就いていた長尾さん。東京で仕事をしていると生産者の顔が見えることはまれで、電話やメールでやりとりをする日々。そんな生活をしている中で、生産者とすぐに会える環境で食の仕事がしたいと考えたそう。この思いを胸、東京を離れることを決意。そして愛媛にたどり着いた。

現在は東京での経験と今まで作ってきた人脈を活かし、販売店の経営コンサルティングから販路開拓、商品開発まで幅広く手掛けている。さらに、食材のなり立ちを伝えていくこともフードディレクターとして大切な役割と考えるようになったそう。きっかけは学生時代にさかのぼる。それは砂浜を歩いて岩場からひじきを摂るという、現代とは思えない昔ながらの風景。その驚きの経験から、食の原風景などを学ぶためのイベントやワークショップを開催。食の大切さを伝える活動もしているそう。

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今後は「食のことならすべて長尾さんに」と言ってもらえるような、食のトータルプロデュースができる人になりたいという長尾さん。生産者や販売店の持つさまざまな問題を、ひとつひとつ解決していく手伝いができることが楽しいという。食の悩みを持つ人に寄り添い、一緒に悩みを解決していく、そんな長尾さんの今後の活動に目が離せない。

written by YASUKO http://yasu-k.com/


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