見出し画像

上田公彦

西条の川は流れが早く、海は汚い。私が西条に住んで約20年。水に対してそんなイメージを持っていた。しかし上田さんのガイドするアクテビティに参加すると、青く透き通る水・なだらかな川・夕日が沈む海辺など、美しい自然を西条市内で体験することができた。上田さんはそんな西条市民が知っているようで知らない美しい自然風景を、この8か月の活動の中で開拓してきた。

広大な海と緑があふれる熊本県天草市で生まれ育った上田さん。全国さまざまな地へ行き、昨年までは奈良県大峰や台高山脈でトレッキングガイドを、和歌山県古座川町でカヤックガイドとして活動していた。昨年、偶然声をかけられた西条の地域振興に興味を持ち西条を訪れた。そこで目にしたのは、故郷の天草市のような海と大峰・台高山脈のような山、そして古座川のようなキレイな川。今まで過ごしてきた町のいいところがギュッと詰まった地に出会えたことに感動し、移住を決めたそう。

移住前に調べていく中で、西条市は非常に水が豊かにも関わらず、水辺のアクテビティを事業としている人がいないことを知ったそう。ならば”西条ならではの水辺のアクテビティを広めていきたい”と決心したという。ただ、事業者がいないということは問題が多いからということにもなる。山から平地までの距離が短いために水の流れが速くなってしまうことと、水の量が少ないことが原因と考えられる。この問題を逆手にとり、水の流れを利用して楽しむアクテビティではなく、逆に水辺から見える自然を楽しむアクテビティを作っていくことに。木々の色づきを感じながら川を渡るカヤック、川の流れに身をまかせてSUPの上でうたた寝、夕日を見ながら楽しむ海でのアクティビティ。誰もが想像するだけでも癒させるのではないだろうか。上田さんはそんな癒しの非日常を感じる体験をさせてくれるガイドだ。

上田さん1

今までも水難事故の多かった西条市。それは水という存在が身近すぎて、水の怖さを学ぶ環境がないからではないかと語る上田さん。車で数分走れば川に行ける好立地な上に、河原キャンプ地がなんと無料で使える。そんな好環境だからこそ、誰でも気軽に水辺に行けてしまうのだと。確かに、学校でも水の勉強はする。ただ、実際に目で見て体感する学びの場は数少ないだろう。
今後は子どもも大人も川で遊びながら、川の怖さや自然を学ぶイベントやワークショップも開催していく予定だそう。これから何年も時間をかけて”西条市で安全に水辺のアクテビティを楽しむ”、そんなアウトドア文化を根付かせていきたいと語ってくれた。

written by YASUKO http://yasu-k.com


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?