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論理力がないと、政府から馬鹿にされる

 近所のコンビニで大量のマスクが販売されていた。価格も低下していたが、誰も買う人が見当たらない。

 菅官房長官が、記者会見でアベノマスクのおかげで、マスクの価格が低下したと発言した。官房長官が、このような客観的事実に基づかない発表をするとは、驚きだ。まさに印象操作に他ならない。

 実際、アベノマスクが数%しか配布されていない段階で、マスクの値崩れが始まっている。現にまだ大多数の家庭では配布されていない。こうした実態は少し調べれば、いくらでも数字が出て来るはずだ。

 また「布マスクが届いたら使うか」というアンケートに対して、77%が「使わない」と答えている。実際、私も使わないし、周囲の人を見渡しても、使っている人は誰もいない。第一、菅官房長官も各閣僚もほとんど使っていないではないか。

 ふとこれは論理力を鍛える題材になると考えた。官房長官の論理では、アベノマスクの配布時期と、マスクが出回った時期が同じだからという因果関係に基づいたもの。しかし、マスクの価格低下の原因は他にも考えられる。アンケートによれば、布マスクを使わない人とがほとんどだから、価格低下には他に因果関係があると考えるのが当たり前である。このように本当の因果関係を隠し、間違った因果関係、あるいは多くの因果関係の中で都合のいいものだけを一つ取り出し、それで全体を論じることを因果の錯覚という。

 こうした類の論が、ネットでは氾濫している。私たちは真の因果関係を見極める論理力を修得しなければならない。しかし、首相を初め、官房長官までが平気でこうした目くらましの論を展開するのは、国民が馬鹿にされている証拠。嘘を言い続けても、国民はやがて忘れる、ごまかしの因果関係で説明しても、国民はそれを見破ることができない。

 馬鹿にされている国民はもっと怒るべきである。


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