Nirvanaの「in utero」から30年

ニルヴァーナのグランジ革命はロック史の大きな事件であった。

現在2023年だが1993年にリリースされたで30周年となる今年に様々な音源を収録したボックスセットが発売になる。

セカンドアルバム「nevermind 」は多くのメタルバンドを「殺し」産業ロックに中指を立てて音楽シーンをひっくり返してしまったのである。

しかし「nevermind 」で大ブレイクを果たしたもののその渦中の当事者であったカートコバーンは予想以上にアルバムが売れたことに対し、そのジレンマに苦しんでいた、もともとカートコバーンはパンク、アンダーグラウンドなバンドを好んでいたからだ。

「サウンドプロダクションがポップすぎたのかもしれない」  

そう思ったカートコバーンはよりサウンドにアンダーグラウンド色を強くすることを決意し、レコーディングに入る、プロデューサーはスティーヴアルビニで「アンダーグラウンドの帝王」とまで言われていた人物である。

結果「in utero 」は「nevermind 」よりは売れなかったもののニルヴァーナらしい「傑作」となった、これこそカートコバーン本人が作りたかったものだろう。

カートコバーンの伝記の中にもカート本人だけでなく他のメンバーやジャーナリストを含む他の人達も「上手くいった」という記事がある。

全ての曲が「重く、激しく、悲しい」それに加えて「真剣さ」が伝わってくる、もちろん「大衆受け」する曲があるわけではない、社会批判的な内容が詩に織り込まれているわけではないがレイジアゲインストザマシーンやセックスピストルズとはまた違う「パンクロック」を感じてしまう。

もちろんわざわざ「パンク」という言葉を使う必要はないが。

限界ギリギリまでヒリヒリしたサウンドは自分がかっこいいと思うロックの頂点だと勝手に思っている、しかし普段あまり音楽を聴かない人やポップスしか聴かない人は拒絶反応を起こすかもしれないが。

しかし日本ではこういったバンドがチャートの上位に上がったりメインストリームになることはない、現在日本でこういった音楽性のバンドは存在するのだろうか?自分が知らないだけかもしれないだけかもしれないが、そういったバンドがチャート上位に存在すれば、日本の音楽シーンも面白くなるかもしれない。

自分が聴いた限り似たような音楽性だったのはやはりブランキージェットシティだったと思う、もちろん市民権を得ていたわけではないし、かなり昔のバンドだが。

…90年代にニルヴァーナがブレイクするとパールジャムやアリスインチェインズ、サウンドガーデンなどのバンドも現れたが、ちゃんと聴いたのはアリスインチェインズだけで、パールジャムはかなりのアルバムをリリースしているみたいだが、まだ聴いたことはない、商業的にもかなり成功しているみたいだが。

しかし結局「本物のグランジロック」はニルヴァーナだけでパールジャムやアリスインチェンズというと「商業化したグランジロック」という自分の勝手なイメージがある。

とはいえその2つのバンドを今更否定してはいないし、アリスインチェインズは今でも聴く、同じような音楽性ならパールジャムもそんなに悪くないのだろう(笑)

それはともかくニルヴァーナの「in utero」は文句なしに良いので、まだ聴いたことがない人は聴いてみてほしい。

Boxセットというと相当値段が高いので、とりあえず通常版だけ聴けば十分だと思う。

…「in utero」は「nevermind」のレコーディングの約半分の時間で終わったらしい、カートコバーンの体調やドラッグの問題でレコーディングは難航し…なんてこともなかったみたいだ。

カートコバーンが現在でも生きていたらどういった音楽をやっていただろう…

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