ジミヘンドリックスの希少性

かなり前にロッキングオンの渋谷陽一氏と甲本ヒロト氏の会話の中で…

甲本「でも今ジミヘンが出てきたらやっぱり凄いってなると思うんだよ」

渋谷「いや甲本君、それは違うんだよ」

渋谷陽一氏は今もしジミヘンが出て来てこの様なパフォーマンスや楽曲をリリースしてもどうってわけでもないということかもしれない。

…が自分は全く違う感想である。

実は意外なことに後にも先にもジミヘンドリックスのようなミュージシャンはいそうでいないのだ、黒人でファンクやブルース、ソウル、サイケデリックな詩と曲を、これだけアンプリファイドされたギターを弾きながら演奏する人は2023年現在までみたことがない。

カートコバーンはパンクロック、デイヴムステインはメタルだ、現代で似ていると思うプレイヤーはリッチーコッツェンだが、リッチーコッツェンは確かにうまいがジミヘンドリックスのような「サイケデリック」さや何よりジミヘンドリックスのような「爆発力」「ぶっ飛んだ感じ」はない。

「黒人」だと同じ様な人は全く見当たらない、トニーマカパインだろうか?楽曲はメタルだし、そもそも詩もヴォーカルもない。

もう一度書くが「ファンク、ソウル、ブルース、サイケデリックミュージック」をここまで歪ませたギターで弾きまくり、独自の奏法で作り上げた人は彼以外見たことがない。

ジミヘンドリックスのプレイはエリッククラプトンやジェフベックにも影響を及ぼし2人がレスポールからストラトキャスターに持ち変えたのはジミヘンドリックスがストラトを使っていたからだ。

Woodstock69の最後のステージがジミヘンドリックスだったが、30万人以上いた観客は疲れ果てかなりの人数が帰ってしまった、しかし映像を見る限り何故帰ってしまったのか、もったいないと思う、有名な「アメリカ国家」を演奏し、「voodoo Chile (slight return )のプレイは凄まじい「今ジミヘンが出て来て」もやはり凄いのだ。

マイルスデイヴィスもジミヘンドリックスの才能に惚れ込んでいたが、アルバムを制作する前にジミヘンドリックスは亡くなってしまうが、2人がコラボレーションし楽曲を制作したらめちゃくちゃかっこいいものになっていたに違いない。

黒人のミュージシャンというといまは殆どラップやダンスミュージックの人が多いし、殆どの人はギターすら持たないかもしれない。

自分が好きなアルバムは「electric lady land」だがこのアルバムを聴くとマイルスはそれを元に「bitches blew」を作ったんじゃないかとすら思える。

特に「voodoo child 」や「1983…」を聴くと「bitches blew」にそのまま収録されていてもおかしくない、さらにボブディランの「all along watch tower」や「voodoo chile(slide return)」は必聴「crosstown traffic 」はこれぞジミヘンといった感じだ。

とはいえもし黒人のミュージシャンが同じような音楽性でギターを弾きまくったら結局「ジミヘンの真似」になってしまうかもしれない、そこら辺が難しいところだが。

オリジナルアルバム3枚だけで終わってしまったのが惜しい、しかしこういった人は短命に終わることが多い。

始めに甲本ヒロト氏の名前を出したが、ブルーハーツやハイロウズ、クロマニヨンズの曲はあまりというか殆ど知りませんが。

…しかしマイルスとジミヘンのコラボ聴きたかったな(また言っているが)

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