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黒色読書歴(シリーズ化の予定なし)


世に酷い本は沢山あって、嫌中、嫌韓本なんかはその最たるものですがもちろん私は読みません。その手の本は滅びればいいと思っています。
紹介するのはそうではなく「夢中になったけど今となっては黒歴史」といった奴です。お勧めでも何でもなく、どちらかと言えば懺悔に近いです(笑)
宇宙人 謎の遺産宇宙人 謎の遺産 (祥伝社黄金文庫) 五島勉 https://www.amazon.co.jp/dp/B00NEG8M9I/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_2PYXEbXTNX3CM @amazonJPさんから

中学1年生の時、母親に紹介されて(笑)読みました。母親は父親から紹介されたようです。ベストセラー「ノストラダムスの大予言」の著者が「大予言」の数年後に書いた本です。

まじめに紹介するのも恥ずかしいのですが、人類は宇宙人(この場合、砕けてしまった太陽系第五惑星-火星と木星の間。今の小惑星帯-人)の遺伝子操作によって誕生した。その証拠が列挙される超古代文明の遺跡と、旧約聖書、新約聖書の記述だ!という内容です。
凄いでしょ。まるっきり「ムー」ですよね?(笑)こんなコトいう奴居たら、今だったらプラカ持ってカウンターかけちゃうと思います(笑)

まぁ騙されたとしか言いようがないのですが、たとえば旧約聖書の創世記、天地創造の六日目に記されるこの文章。
神はまた言われた、「われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り・・・(以下略)
おかしいじゃないか、ユダヤ教もキリスト教も一神教だろ? なぜ複数形で語るんた? これぞ宇宙人「たち」が人類を創造した動かぬ証拠だ!と力説され、私はその一分の隙もない理論に圧倒されてしまったのでした(笑)

その呪縛は後にアイザック・アシモフが粉砕してくれるのですが、それは稿を改めて。
この例で分かるとおり、この本は旧約・新約聖書を「宇宙人降臨の記録」と位置づけ、「西欧文明」こそがその直系の後継者であるとし、その宿痾を批判するという「文明批評風」の味付けが施されていました。
中1だけど厨二病だった(そんな用語、当時はないですけどw)私は、この「キリスト教文明批判風味」にヤラレてしまったというわけです。

ただ、如何にトンデモ本であろうと、これが私の「宗教への興味」の出発点であったことは間違いありません。その意味では現在まで続く好奇心を与えてくれた書であり、「私の読書歴(ダークサイド)」から外すわけにはいかないのです。
刷り込みというものは恐ろしいもので、50代半ばになっても「一神教」に違和感を感じるのは、この本の影響もゼロではないと思います。

1999年7の月は遙か昔に過ぎ去り、「大予言シリーズ」で一世を風靡した著者も御年90を越えました。まだご存命のようです。代表作とも言えず、どう考えても「食うためにでっち上げた」としか思えないトンデモ本ですが、電子化されて今でも入手可能なんですから不思議な話です。Kindle Unlimitedを申し込んでる人はタダで読めます。ヒマでヒマで本当にどうしようもなくヒマな方は・・・他に読むべき本が沢山あると思います(笑)

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