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【後半】自動走行ロボレース「DeepRacer」で世界2位!大野さんへインタビュー

12月1日~6日に米・ラスベガスで行われたAWS(Amazon Web Service)社の年次イベント「AWS re:Invent 2019」。そこでAWSの強化学習プラットフォームを利用した自動走行ロボのレース「DeepRacer」の決勝レースが行われました。

そこで世界2位になった株式会社DNPデジタルソリューションズの大野さんから、お話しを伺うことができました!

前半ではDeepRacerを始めた経緯から、東京大会、バーチャルリーグ、そしてラスベガス行きを決める過程をお届け。


後半ではついに、ラスベガスでのお話に入ります!

話し手:大野史暁
Web系システムエンジニアを経てスマートフォン向けのアプリケーションの開発などに従事。現在はプロトタイピングによる提案や技術調査、IoT、先端技術のR&Dなど、幅広い分野に取り組んでいる。
聞き手:阿蘓将也
Deep4Drive代表。DeepRacerチームを立ち上げ、東京大会ではプライベートチームとしては最高の4位を記録。しかしラスベガスでの決勝行きは叶わず、今日に至る。


決勝はベガスのステージで

阿蘓「大会ってre:Inventの期間内で、三日間通してやってたんですよね?」

大野「三日間、チャンピオンシップカップと呼ばれているものがありました。まず最初に64人…全世界のAWS Summit(実機)勝者、各月バーチャルリーグの勝者、サミットのトータルポイント上位バーチャルリーグの上位18人。であとはなんかランダム枠みたいなのが、多分AWSのパートナー企業とか、例えばアクセンチュアとかクアルコムとかの人がいて、そういうところのメンバーも合わせて64人。それをA, B, C, D, 4つのグループに分けて、4つのグループの各16人の中から、各グループの上位4人が次の日に残れるというのが初日。二日目が残った16人でトーナメント戦になるっていう。」

阿蘓「あーそれは見たんですよ。1対1で勝ち上がっていくみたいなんですよね」

大野「それが二日目に行われたトーナメント戦で、16人のトーナメント戦で全部勝った2人と、負けても敗者復活のトーナメントがあって、そこで勝った1名が、上位3人として、最終ラウンドとしてキーノートの前のステージでのレースに残れるというのがありまして。笑」

阿蘓「ドキドキですよね。笑 ステージの前で。」

大野「あれはなかなか。笑 貴重な経験ですけど。」

阿蘓「写真とかあるんですか?」

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(決勝ステージ上の大野さん 画像提供:大野史暁)

大野「コースがあって、自分達が操作するところがあって、その後ろに観客席があって…」

阿蘓「(観客)結構いました?」

大野「結構いましたね。笑」

阿蘓「僕それTwitterかなんかのAWSのアカウントで一部動画が配信されてたのを見て、実況がいて…」

大野「そうそう、実況がいて、その方は初日も二日目もずっと会場にいて実況とかしてたんですけど。」

阿蘓「決勝って、走ってるとこを、コーナー曲がった曲がった!ってレベルで実況してて、ほんとにF1みたいな。笑」

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(画像提供:大野史暁)


名前は分かるけど、初対面ばかり - 他のプレイヤーとの繋がり

阿蘓「大会で面白い出会いとかありましたか? こんな人がいたとか。」

大野「事前にDeepRacerのSlackコミュニティに入っていたのですが、ラスベガスへ行った中だと、そこで僕の名前を知ってくれてた人が結構いました。バーチャルリーグでとったトータルポイントのランキングで僕が2位で、3位とか4位とかの人もコミュニティの管理者だったり自分に近い世代だったりしたんですけど、現地行って、お前がFumiakiかみたいな感じで急に話しかけられたりして。笑」

阿蘓「笑」

大野「で、僕は最初Dグループで、その中でさらに4人ずつに分けられて、その4人のグループで4つあるコースをぐるぐる回りながらタイムアタックやってくって感じなんですけど、同じグループに入った人の中で、レーサー名がBreadcentricっていう人がいました。ロンドン大会で3位ぐらいになった人で、DeepRacer TVにも出て、コミュニティの中でもブログとか書いたりして、ログの分析のブログ書いたりしてた方で、僕も彼の記事を見たりしてよく知っていたんです。その人と一緒に回ったんで、彼もよく話しかけてくれたんですけど…まあ…物凄いよくしゃべるんですよね。笑 僕そんなに英語できないから、聞いててなんとなくとかくらいなんですけど。」

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(画像提供:大野史暁)

大野「最初の64人のラウンドの時は4つコースあって、各コースにマシンが2台ずつあり、そのコースで走らせたら次のコースで走らせて、みたいな感じで各コースで一回ずつ走らせるんです。Aのコースにあるマシン1とマシン2、どっちを使うかは運次第っていうところがあって、やっぱりマシンによって走り方違うよねっていう話を結構していましたね。

で、僕はDグループで一番最初に走らせた時、タイムが20秒とかだったんですよ。19秒いくつとかで。もうダメだな~、終わりだな~って思ってたんです。けどその時とかにそのBreadcentricが、僕の一個挟んで前で同じマシン使ってて、彼もそんなにタイムが出なかった。それで、絶対あのマシン調子悪いよって話してて。同じコースだけどその前にいた方とかは結構いいタイム出してたんで、マシンの差によっての影響が絶対大きいみたいな話が結構皆からまわってて、「あのマシン調子良さそうだから、次走らせる時は絶対大丈夫だよ」みたいなことを言ってくれて。それで走らせたらたしかにタイムよかったんですよ。ただそのBreadcentricは、Dグループで最終的に5位で、次のラウンドに進めなくて。」

阿蘓「あーーーー惜しい…!」

大野「彼もバーチャルリーグでだと、トータルのポイントで3位とかで、かなり上位に来ていて、どっかの大会でもKarlがいて、Breadcentricがいてみたいなんで。Karlはもうとっくに1位取ってるから、繰り上がりで賞とったみたいなんですけど。印象的には、そこが一番来た人と話した中で面白かったですね。」

(*Karl:バーチャルリーグで圧倒的タイムでトップを取りまくっていたレーサー。)

阿蘓「へ~~」

大野「あとは一番速いだろうと言われていたKarlって方にも「お前がFumiakiか」って話しかけられて、なんかすごい個人的にはテンションあがって。それまで全然顔とか知らなかったですし。」

阿蘓「面白いですよね。世界中から名前だけは聞いたことあるけどみたいな人達が集まって、顔を合わせるって」

大野「東京サミットのDeepRacer TVで名前と顔が出ていたので、一方的に知られていたので、そこがすごい新鮮でした」

阿蘓「有名人気分?笑」

大野「そうそう。普段そういうことないから。笑」

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(画像提供:大野史暁)

大野「まあ僕もわりと言われてたんですけど、やっぱり一位取ったSolaはもうヒーロー的扱いを受けていて。16人のトーナメントって二つのコースに分かれてそれぞれ一回戦二回戦…と同時にやってくんですけど、別の山の方の四回戦がSolaの試合で、こっちの山の方の四回戦が僕の試合だったんで、完全に裏で僕がレースやってて、Solaの試合にめっちゃ人が集まってるんだけど、こっち全然人いないとこで…笑
やっぱり彼女に対する注目度が高かったんで、その裏でレースやってる僕は…。ただ人が少ない分プレッシャー少ないんで、僕としては全然良くって。やりやすかったです。笑」

阿蘓「一週間行ってる間どこか行きました?ラスベガス」

大野「そんなに正直行けてないんですよ。初日か二日目くらいの夜に、シルクドソレイユは観に行きました。結構凄かったですよ。マイケルジャクソンをテーマにしたショーを見たんですけど、あんまりそーいうのを見たことなかったので、凄いなーという感想しか出てこないですけど。笑」

阿蘓「当日は忙しかったんですか?」

大野「僕も当初は色々行ってみようと思ってたんですけど、練習とか移動とかで案外時間取られましたね。

あと、re:Invent自体はラスベガスのエリアの中でメインになってる会場のホテルが幾つかあって、僕らがいたのがMGM。そこでDeepRacerとかやってました。会議室とかもセッションとかで使われてて。他にもベネチアンとか、アリアとか、幾つかホテルがあって、そのホテルの中の会議室とか使ってセッションとかやってるんで、セッション間の移動はホテルを移動しなきゃいけなかったりするんです。歩いたらやっぱりアメリカなので、移動はシャトルバス。そうやってセッションを聞きに行くみたいな。」

阿蘓「1つのホテルでは収まらないんですね。世界一の企業の自社イベントだから…」

大野「セッション数も物凄く多いんで、全然チェックしきれなかった」

阿蘓「いくらかかってるんだろうなあ。」

大野「re:Inventのチケット自体は20万円ぐらいするんで」

阿蘓「そんなするんですか?!」

大野「そうなんです。それだけ取ってるから、サービスとしては凄い良いです。食べ物とかは、朝も昼もあったりして、ホテルによっても美味しさが違ったりするんで、アリアのランチは良かったよみたいな情報が出回ったりして、そこでお昼を食べるようにする、みたいな。笑」

阿蘓「面白そうだな。笑」


DeepRacerの次は火星探査ローバー?!

阿蘓「今後はAWS系のこと他にもやるんですか?(DeepRacerも)カメラが二台になってるじゃないですか」

大野「そうですね、カメラもあってLiDARもあって、二台で競争するみたいなのもあって、ちょっとは触っていこうかなとは思ってます。活動としてどうしていくかは分からないですが。」

阿蘓「会社の活動としては?」

大野「はい。自分としては都度都度は触ろうとは思うんですけど、ガッツリ触るとまたお金がなくなっちゃうんで…。会社ではやりたいって言ったらやらせてくれるみたいです。」

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大野「あとはDeepRacerだけじゃなくて、AWSさんがやってるプロジェクトだと、NASAのジェット推進研究所と一緒になって、火星探査のローバーを強化学習でA地点からB地点まで移動するモデルを作るみたいなのをやっていて、あれはまだDeepRacerほど完成されたシミュレーション環境ではないんですけど、それを今触ったりとかしています。」

阿蘓「それってDeepRacerの中でオープンになってるんですか?」

大野「DeepRacerの中でオープンになってるというよりは、プロジェクト自体はGitHubでコードは公開されていて、シミュレーションのアプリケーションの環境が公開されているので、それを自分でロボメーカーの開発環境内でクローンして、シミュレーション環境を自分で構築していきます。
取り組みやすさという意味ではDeepRacerに比べてやりにくいんですが。
(参照:https://aws.amazon.com/blogs/robotics/join-the-aws-jpl-open-source-rover-challenge/

阿蘓「ちょっとハードルが高いんですね。」

大野「まだ触り初めで全然ローバーが目的地に行ってくれなくて、気づいたらローバーが中で壊れて、真ん中でピクピクしてるみたいな。」
大野「DeepRacerみたいにちゃんとしたコースじゃないので、しかも障害物みたいなのがあって。どうやってやってくかっていうところを競うと。これも一応賞金が。一位だと15000ドル。」

阿蘓「ドル? それ結構じゃないですか? え、15000ドル??」

大野「はい、150万円ぐらい。二位でも5千ドル出るらしくて」

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阿蘓「凄い。でもたしかに火星あるかもしれないですね。路面情報って多分3Dの情報って火星の軌道衛星とかで取れれば、火星の表面のザラザラ具体とかデータとして取れるから、こっからここまで移動する時にどう移動するのが良いかとか、強化学習もしかしたら扱いやすいかも。」

大野「あとは単純にDeepRacerで養ったノウハウとか使えるかなーと」

阿蘓「それは個人でやってるんですか?」

大野「これは個人です。たまたまこーいうのがあったから、興味本位で触ってみてるって状況です!」

阿蘓「楽しみですね。一年の振り返りみたいになりましたけど、お互いこれからも頑張っていきましょう!」


編集後記

6月の東京大会でもバーチャルリーグでも速さを見せた大野さん。彼のDeepRacerへのアプローチを聞けて面白かったです。ラスベガスでのことも聞けて良かった!
大きなことを経験されたにも関わらず、冷静に見られている印象。でも色々やりたいこともあって、夢も感じられました。Deep4Driveでも、大野さんのように夢ある技術者が、やりたいことに手を挙げられる環境でありたいですね。

ありがとうございました!

Deep4Drive Twitter: @Deep4Drive


編集:Wataru Kawamoto
Twitter: @wataponf1_uk

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