見出し画像

【データ分析】 フォーメーションを自動で検知する 【DEBS2013】

 1. はじめに

先日投稿した論文紹介noteが、あの500さんにコメント付きで引用RTされました!この技術の面白さと有用性をいろんな人に知っていただけて幸いです。

前回のnoteの最後に書いたように、今回はオープンデータにおける解析結果をまとめてみたいと思います。(新たな発見等はなく、実験報告のようなものですので、ハードルを下げてご覧ください)

2. データセット

オープンソースとして公開されているDEBS2013という8人制の試合のトラッキングデータを扱いました。詳細は山本哲也さん(@tetsuyatyamamot)の以下のページを参照ください。各選手の領域を導出した数式から可視化したり、オフ・ザ・ボールの指標案を提示されていたりもされていて、データを扱う上でかなり参考にさせていただきました。

論文ではブンデスリーガ シーズン全試合の前半もしくは後半を1つのサンプルとして学習を行なっていました。しかしながら、今回のデータは1試合のみなので、「前半・後半をそれぞれ2分割」「独自のアルゴリズムでボール保持・非保持に分割」することで2チーム×前半・後半×2分割×ボール保持・非保持=16サンプル 確保しました。 (ボール保持・非保持検知アルゴリズムがイマイチなせいか、実験に使えたのは10サンプル)

3. 解析に使った手法とプログラム概要

解析に使った手法は前回のnoteで紹介した論文です。

プログラムはPythonで書いており、ソースコードの量も多くはありませんので、動かしてみたい!と思った方は連絡ください。何らかの形で共有させていただきます。

4. 実験結果と考察

論文の実験結果と同様、各クラスタに割り当てられた役割分布の平均位置を以下の図に示しており、攻撃方向は下から上になっています。どれも2-3-2の形をなしていますが、半ば強引に解釈するならば、クラスタ1は中央圧縮(守備的)、クラスタ2はクラスタ1に比べてサイドハーフが前にでている(攻撃的)、クラスタ3はバランスのとれたポジションであると言えます。(??)データに付与されている試合の映像を確認したところ、両チームともに2-3-2を採用しており、前進のために立ち位置を変えたりという現象はあまり見られなかったので妥当と言えば妥当でしょう。

次は前後半の各チームのフォーメーション(クラスタ)の1分ごとの移り変わりの様子を示します。(クラスタ1=青、クラスタ2=オレンジ、クラスタ3=緑)

前半

後半

フォーメーションの形がうまく学習できていないので、定量的な評価が難しいですが、プログラムが意図した動作をしていることは確認できました。

最後に、役割分布の学習が適切に行われているかを確認します。左が初期化後、右が学習後の役割分布で「重なりが少なくなるよう」学習が進んでいることが確認できると思います。

オープンデータでの実験の結果は以上となります。フォーメーション検知のためのデータとしては不適切ではありますが、プログラムが動作することと、学習がうまく進んでいることが実験できました。他にもオープンソースとして公開されているトラッキングデータがあるので、そちらでも実験を行なってみたいと考えています。

#アナリティクス #データ分析 #サッカー #スポーツ #DEBS2013 #Python

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?