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📖『クレイジー・フォー・ラビット』奥田亜希子

小学生の女の子が1冊を通して30代の女性に成長する。その年齢によって変化する心情を描いた物語。

偶然にも主人公に似ていると思う部分があったので(とはいえ彼女の能力を私はもっていない)、小学生の時に感じた女子特有の探り合うような関係を思い出して胸が締め付けられたり、好きな人に対する密かな気持ちを思い出してジレンマを抱いたりしながら読み進めていきました。

今私は20代数年目で、大人にならなきゃいけないけれどなりきれない、まだまだ成長途中な段階いる。過去の出来事を思い出して頭を抱えることや、どうなるか分からない未来を想像して悲観的になることも多い。

子どもの頃は早く大人になりたいなーと思っていたけれど、自由に選択ができるようになって楽になったとはいえ人間関係の悩みは尽きなかったし、きっとこの先の人生もあらゆる方向でしんどい気持ちになることは多いんだろうな〜と想像することができた。

未来に過剰な期待をもつよりも、こういう風になるのかな〜と想像して、起こる出来事に対してある程度俯瞰的に捉えられた方が心を軽くして生きられると思う。そう思わせてくれる作品に出会えて良かったです。

そして、人との小さな出会いが自分や周りにとって、救いや道しるべになるということも。日常の中に奇跡は散りばめられているので、小さな出会いも大切に大切にしていきたいと思いました。
読み終えた後にはスっと心が軽くなったように感じられてよかったです。


奥田亜希子さんの作品は数ヶ月前に出会った。それからというもの、見つける度に手に取りたくなる。『あ、この表現好き……』とときめきを感じながら読書の時間を楽しめるのが幸せ。大好き〜

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