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VII-2:旋伸、湧伸 – 左右交互の緊張/弛緩が体幹筋群を活性化 –

2)旋伸:半身毎交互の緊張/弛緩へ-体幹、上肢、内臓(靱帯)イメージのコラボ-

横を向いた上半身を正面に向け、両方の手のひらを天井に向けて、息を吸いながら身体の後方の手をゆっくりと持ち上げてゆく
このときもイメージを使う。
両手を挙げながら内臓を吊り上げるような気持ちで行う。

百会を超えたら前後の手を入れ替えながら体を緩めて息を吐いてゆく。
今度は後方へ回した手を、同じ要領でゆっくりと内臓を引っ張り上げる気持ちで吊り上げる。後述するように、吊り上げる側の半身が緊張サイドとなる。
百会を超えたら息を吐きながら、少し内臓を揉むイメージで降ろしてゆく(リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=7vB4AMe0LdI)。

腹部の内臓は肝臓など重い臓器や、長い小腸や大腸とその前を覆う大網などが、腹腔の大きな容積を占めている。
実際にこれらはバラバラに存在するのではなく、肝鎌状靱帯により肝臓は横隔膜から一塊となって釣り下がっている。
一方、小腸はトライツ靭帯により後腹壁に繋ぎとめられている。
これら内臓を腕の動きにコラボさせて引き上げるイメージを持つことになる。
もう少し下の腹腔もイメージする。
直腸は直腸仙骨靭帯で後腹膜につながり、骨盤内の筋群も子宮や直腸、膀胱などの骨盤内臓をゆるく固定している。
肛門を意識してこうした骨盤内臓も少し引っ張り挙げるような意識で腕を持ち上げてゆく。

さらにもっと下方、踵から皮膚を1枚脱ぐようなイメージで下肢、背中を上方へ持ち上げながら息を吸い、百会からは息を吐きながら内臓を揉むようなイメージで手は下へ降ろして、入れ替える。

この動作は、実はもう一つの意味を持つ。
この動作以降、身体の半側ずつの緊張と弛緩の交互繰り返しがはじまる。
手を挙げてゆく側は筋肉が緊張しているが、その反対側はダラリと弛緩している。
これをリズミカルに左右で繰り返すと言う「不思議」な動作である。

これは意図しては困難な「脱力:身体の力を抜く」訓練の一環であるのか?
あるいは体幹筋群、ことに脊柱近傍筋群への半側ずつ交互の刺激稽古で、西野先生のOriginalなのか?
私は大変興味ある、面白いBodywork Methodだと考えている。

3)湧伸(要(かなめ))

人間の内臓の機能は、もちろんどんな臓器をみても無駄な臓器はない。
その中でも、古来「肝腎要」という言葉がある。
一方、この「要」に「肉月」をつけると「腰」になるのも有名だ。

次の動作は丹田の前方で両手首を軽く接した後、上方の手を吐く息とともに前方に押し出す
反対側の手は肘とともに後方に引く
これを左右、リズミカルに繰り返す

この動きが身体の何に働きかけているか?
あるいはMMC/LMC体幹筋群のどの筋群に効果があるのか?
不思議だ、まだ私自身医学的な的確な説明ができない。

この動作でも両手が左、右と入れて変わるとき、身体の緊張の中心が右から左へ、左から右へと半身ごとに切り替わっていく感覚がある(リンクhttps://www.youtube.com/watch?v=WGtgwfs8I-w)。


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