【丘崎誠人】1997年・女子中学生殺人事件の舞台、奈良市の一部になってしまった謎の秘境「月ヶ瀬村」を訪ねる【田舎と村八分】
いつまで経っても終わる目処の立たないコロナ禍、最近になって全国的に感染者数が急増しだして、とうとう「第三波到来」なんて言い出している。本格的な冬の寒さを前にもうこんな状態なので、12月、1月になったらインフルエンザの流行とも重なって想像を絶する阿鼻叫喚地獄が待ち受けているのではないだろうか。考えるだけでも頭が痛い。
そういう異様な世の中に変わってしまった今、人の少ない&家賃の安い田舎に引っ越して感染リスクを減らしつつ仕事を続けられる環境を求める人々の需要が高まっている。特にインターネットさえ繋がればどこでも大丈夫といった方々にとっての需要だ。それで唐突に「田舎暮らしを始めよう!」とか思いつく人は多そうだが、我々DEEP案内取材班からするとそういう人に対して「ちょっと待てよ、考え直せ」と一旦足を止めてやりたくなる。「田舎はどういう場所なのか想像できるか?」「村八分に遭ったらどうする?」「老後も車を運転しないと生活もまともにできないよ?病院だって近くないよ?」といったお節介めいた言葉を投げかけたくなる。
そうした田舎暮らし志向が強すぎて前をきちんと見られていない人間に限って「人が居ない田舎の方が気楽。何を東京で無駄に高い家賃を払って窮屈に暮らしてるんだろ」だなんて考えそうになるだろう。いやいやいや。ちょっとこの記事でも読んでから再度自分の考えを整理して欲しい。これからお話する内容は「田舎暮らしで村八分」に遭った一家の一人が長年の村人同士の狭い人間関係の軋轢がもとで最悪の結末を迎えたエピソードの一つだ。
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