某企業の課題解決手法③


僕が社内課題解決請負人に任命され2年目に、訳のわからない課題の解決を任されて泣きそうになったときののことを話します。
 
その前にちょっと前置き。 
 
当時僕は、一年目で既に2つほど課題を完了しており、課題解決請負人としては少し自信がついてきていましたが、ライン業務(本業)も多忙を極めておりました。 

当時の僕の本業は、いわゆる「現場」を持たない業務でしたがそれなりに多忙で、おまけに部下の一人は、根がマジメすぎるのが祟ってすこしメンタルを患っており、その対応にもかなり時間と気を使っていた時期でもありました。  
 
しかし、いくら本業が多忙を極めていても課題解決には前向きに取り組んでおり、特に自分の業務課題に深く関係する課題であれば惜しみなく時間と労力を割くことができました。 
 
例えば、僕の当時の本業は顧客満足の向上でしたが、それを支える一つの重要な要素として販売店従業員の能力が挙げられます。 全国の販売店にバラつきなく有能な従業員を配置することが重要です。 そのためにはやみくもに教育プログラムそのものばかりにコストをかけるのではなく、どの販売店にどの程度の能力の従業員がいるか把握し、その能力に応じた教育プログラムを提供していくことと、能力に応じた人員配置が重要になってきます。 

当時はITの技術も飛躍的に進化していたので、ITの力でシステムを構築してこれをやろうということになりました。 

そのような背景で、『人員能力管理システムの要件洗い出し』という課題を受け取ったときは、非常にやるべきことがクリアで、ITチームから販売店の店長まで、関連する専門性を持つ人を広く集めチームをつくり、モチベーションを維持して結論を導くのにあまり苦労はしませんでした。 

たまにはチームで飲み会をやって親睦を深め、ワクワクしながらプロジェクトを進めることができました。 まあ、大体の場合、課題解決請負人の最初の課題はこのような比較的簡単な課題で自信をつけさすのですが。
 
 
さて、本題です。
 
2年目のあるとき、僕は所属の本部長に呼ばれ、課題を言い渡されました。
 
課題名:『顧客生涯利益の算出』
 
「・・・んー、本部長。 何ですか。コレ?」
 
「あー、俺も実はよくわかんない。 常務がやれ、って。 まあ、 チームメンバーには課長レベルから優秀な人が来るから頑張って。」
 
「・・・」
 
僕は一年目の経験を踏まえ、課題解決プロジェクトを成功に導く大きなカギは、なぜ、何を、どこまでやるか、というのが明確になっていること、と理解していました。 しかし、提示された課題で上司と揉めるのも嫌でしたし、本業の方も忙しくあまり深く考える時間がなかったので、課題内容を深く理解しないまま見切り発車してしまいました。 優秀な課長レベルがメンバーとして来るって言うし、なんとかなるか、と考えてました。
 
しかし、この甘い考えで僕は地獄をみることになります。

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