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せっかく中学受験したのに不登校(7) 〜夫婦で合わない意見、我が家の解決法〜

娘が不登校になってから1ヶ月半。
当初は不安も大きかった私も、今は方向性が見えてきて気持ちも落ち着いています。
一方、夫は相変わらず怒りがおさまらず
「力ずくでも学校へ連れて行くべき」
という主張もそのまま。

夫婦で意見が違うのは仕方ないにしても、子どもへの対応の仕方の違いで夫婦喧嘩をしてしまっては、子どもに悪影響を与えます。

ところで、互いに意見が異なる夫婦に対して、解決法として
「とにかく夫婦でよく話し合うこと」
という意見をよく目にします。
夫婦がお互いに冷静に話し合えるなら、それに越したことはないでしょう。
しかし我が子の不登校という非常事態、親としては冷静になれないのも無理はありません。

では、どうすれば良いのか?について、私なりに考えてみました。

冷静になることは話し合いの大前提

こう言っては身も蓋もないかもしれませんが、話し合いの大前提として、きちんと話し合える程度には冷静になる必要があります。
感情的になり過ぎていてはそもそも話し合うことができません。
相手に怒鳴ったり罵倒したり物を投げたりするのは論外ですが、そこまでではなくても、論理的に考えられる程度に落ち着かなければ、解決策を考えることはできません。

夫婦が二人とも憤りや怒りを抱えた状態では、夫婦のどちらも不登校の解決策についてまともに考えられる状態ではないので、その場合はとにかく自分の冷静さを取り戻せるよう、休息を取ったり不登校児の親仲間と繋がったりすることが最優先だと思います。

我が家の場合、夫より先に私の方が早く冷静さを取り戻すことができました。
私が早く冷静になれたのは、ママ友が愚痴を聞いてくれたり、同じ不登校児ママと情報交換したり、不登校当事者や親のブログを読んだり音声配信を聞いたりすることで
「子どもの不登校で悩んでるのは私だけじゃないし、解決方法はきっとある。」
と知ることができたからでしょう。
本当に、みんなに感謝感謝です。

夫婦の一方でも冷静でなければ話し合いはできない

こうして何とか自分だけでも冷静さを取り戻したものの、パートナーの頭に血が上ったままでは結局、話し合いはできませんでした。
娘のことを話題にしただけでも夫の心に怒りが湧いてしまい、それを私にぶつけることを止められなかったからです。

スクールカウンセラーからのアドバイスとして
「感情的になっている人を説得しようとすると余計に感情的になるので逆効果。
感情的になっている人とは、まずは距離を置いてください。」
と言われたので、最初はなんとか夫と距離を取ろうと試みました。

しかし距離を取ると言っても一緒に暮らしている以上、限界があります。
夫婦で会話をしているとどうしても子どもの話題になり、夫がぽつりと娘のことを口にすると夫の感情はそのままどんどん怒りの方へと転がっていき、結局最後にはその怒りを私にぶつけてしまう毎日でした。

ところで、なぜ夫は冷静になれないのか。
夫が冷静になれる可能性を探るため、私はそれを考えてみました。

そもそもなぜ、冷静になれないのか

不登校児の親が冷静になれない理由として思いつくのは、以下の2つです。

  1. 「子どもは必ず学校へ行くべき」という思いから抜け出せない

  2. 親自身の心に余裕が無い

まず1. については、「学校に行かないで将来どうするのか」という不安や、「不登校は恥」といった世間体や、「子どもは学校にいくのが正しい」という固定観念や、「こっちは頑張って働いてるのに子どもだけサボってずるい」といった嫉妬に近い感情などがあります。
こういった思いから親がなかなか抜け出せないのは珍しいことではなく、やがて諦めて冷静になれるまで何年もかかる場合もよくあるそうです。

また2. については、子育て世代は往々にして職場でも責任が重い立場にいたり、親の介護や地域活動の担い手として忙しいことが関係しています。
我が家でも実際、娘が不登校になる以前から夫は職場の悩みが多く、更に親戚その他の人間関係でも苦労をしていました。
その上に娘の不登校が重なり、夫の精神的負担は限界を超えてしまったようです。
しかし職場の悩みはそこで仕事をしている限り尽きないでしょうし、親戚や他の人間関係の悩みも縁を切らない限り続くものです。

これらのことを考えると、うちの夫も、あと何年も冷静になれない可能性があります。
そしてそう考えると、夫が冷静になるまで問題解決の手を打てないということ自体が間違いだと私は気付きました。

結論「冷静になれる人間が主導して対応すれば良い」

夫が冷静になるのを待つのは諦めたものの、怒りで混乱した夫の暴走を止めなければ、私としても不登校問題に向き合うどころではありません。
夫がどれだけ精神的に追い詰められていたか、それを詳細に書くことはプライバシーの観点から控えますが、激しい心身症状が出ている夫は私の目から見て既に限界を超えていました。

もはや、夫が不登校問題について考えることは不可能。
それなのに娘のことを考えるのをやめられない夫。

私はそんな夫に対し、不登校問題から手を引くようお願いしました。
「娘のことは全部私に任せて。あなたはもう口出ししないで。」
と夫に伝え、夫はそれを承諾しました。

こうして、夫の混乱の原因を取り去ったことで、私は夫からの攻撃に悩むことなく娘への対応策を考えることができるようになりました。
また娘にとっても、自分の問題について落ち着いて向き合いやすい環境になったでしょう。
夫も大きな肩の荷が下りて、少し楽になったはずです。

「母は子育て、父は外で仕事」といった性別役割分業は私は支持したくありませんが、夫婦がそれぞれに得意な部分を引き受け、苦手な部分や多過ぎる荷物は無理に背負わないで済む助け合いは必要だと感じています。

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