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③ケースと足のロウ付け方-手作り時計の作り方-

皆様こんにちは。
前回は連載マガジン「手作り時計の作り方」の②工具の説明を説明しました。今回は③ケースと足のロウ付け方を説明します。

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①部品の説明で出てきた時計のケースと足です。
これをロウ付け(溶接)します。
ロウ付けはバーナーと特殊な薬剤を使うため、一般の方が行うのは困難な場合があります。従いまして、後日こちらで販売する時計作りの為のセット売りではこちらでケースと足を付けたものを付属いたします。
今回は参考として説明いたします。
**火を扱う為、工房の専用場所で作業しています。一般のご家庭では決して真似なさらないようお願いします。**

最後に動画をアップしましたので見てみて下さい。

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回転台の上にケースと足を接着する位置で配置し、火ですこしあぶります。
右下にある青いものはフラックスです。フラックスはロウ付けの為の促進剤です。


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フラックスを金属棒の先を使ってケースと足の接点に塗布します。


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フラックスを塗布した後にバーナーの火でケースを温めます。これはロウ付けしたときに銀ロウが正しく流れるようにする為の手順となります。


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ピンセットの先に持っているものは銀ロウです。これを先ほどフラックスを付けた部分に置いてから火を当てます。


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火を当てると銀ロウが溶けますので、すかさず付けていきます。これでロウ付けができました。


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ケースがロウ付け出来たらしばらく置いて余熱をとります。その後、希硫酸に漬けて一日程度おいて置きます。それからバレルをかけます。
希硫酸漬け、バレル処理はロウ付けした表面をきれいにするための作業です。
通常DEDEGUMOではロウ付け後のケースは鍍金加工をしますので、鍍金するためには表面についた酸化膜を除去する必要があります。この為にもこの後処理が必要となります。


上記で説明したロウ付けを動画にまとめました。


次回は「④ムーブメント種類の違いについて」をお伝えします。

*マガジン「手作り時計の作り方」はクオーツ時計(電池式時計)になります。
*時計制作で必要なパーツなどは当店からご購入できるようになります。記事の中で今後ご紹介してまいります。
*このマガジンについて個別のご質問やお問い合わせには応じかねます。どうぞご了承ください。フォロー&スキ、是非お願い致します!

手作り時計の作り方/解説 出雲千虎
出雲千虎(いずもせんこ)
DEDEGUMO代表、一級時計修理技能士、職業訓練指導員(時計科)
DEDEGUMO OFFICIAL WEB SITE https://dedegumo.jp/
DEDEGUMOオンラインショップ https://dedegumo.shop-pro.jp/


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