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「エヴァでね…」「はっ!?」

その打ち合わせは、
結構込み入った内容だったのだけれど、
なんとかこちらに有利に引っ張り込んで
終えられた。
ひとしきり雑談も終わり、さあ意気揚々と
引き上げようかというその時だった

「エヴァでね…」
「はっ!?」
(エヴァ…あ、エヴァンゲリオンか/0.5秒)

「死海文書の話が出てくるんだけどね…」
(え〜シカイブンショ…なんだか予言が
書かれているやつだったかな?/0.8秒)

「あれはね、%>@,2〜R^v=a…」
と担当者が、トートツに喋りだすのである。

デザイナー業界は昔から血中ヲタク濃度が
非常に高い連中ばかりなので、もし南森町
(大阪)あたりでヲタク検問など実施すれば、
一息吐くだけでほぼ全員御用になるはずだ。

それを見越して、話を振ってきたのか…?
まさか、吐息で察知されたのか?

私自身についていえば、
ヲタクについては最古参だという自負がある。
なにせ、中森明夫がこの世で初めて「オタク」
という言葉をつかったエッセイを、
リアルタイムで読んでいるのだ。(←自慢)

しかし、申し訳ないがアニメは
「オネアミスの翼」で力尽きているのである。
(そう言う意味で古参なのである)

だからエヴァ世代から若干ずれているのだ。
噂は聞いていたが実際見ていなかった。

「a>,2+=@[l_..g%#3^pa…」
「ふんふん」
(かなり突っ込んだ話のようだなあ…)
(意見求められたら、どうしよう…)

「^C¥〜dL5&k$@<…だと思いますよ。」
「なるほど…」(汗)

と、ここまで担当者はほぼ一息に喋った。
よほど思いをすべて喋ったのか、
特に意見は求められなかった。
もしかしたら、私の知ったかぶりの相づちが
バレていたのかも知れない。


しかしなぜあの時、エヴァンゲリオンの話を
しなければならなかったのか未だわからない。
打ち合わせの中で、
何かキーワードが、スイッチが、ポイントが
…あったのかもしれない。


ただその時の打合せは内容で勝利したものの、
なぜか、妙な敗北感の印象しか残っていない。

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