FOMC警戒!?流動性が回復!?
前週からの動向
ビットコイン(BTC)はウクライナ情勢の不透明感と材料不足からボラティリティも低下傾向の中、460万円台を挟むレンジで推移しており、FOMCを控えていることからも次なる材料待ちの状況が続いている。
上値の目標では3/9の高値である490万円台を超えることができれば、一見2/11の高値を超えて快適なフライトと成りえそうだが、緩和が終了している環境であるため、上値の重さに苦しむと予想される。
下値の目標としては、2/28の安値である430万円台を割り込むと、1/24の安値380万円台が意識される環境になるため要警戒。
長らく警戒されてきた暗号資産(仮想通貨)に対する米大統領令に関して、イエレン財務長官は「より公正で、包括的かつ効率的な金融システムを促進しつつ違法な金融や金融安定リスクと国家安全保障リスクの削減に努めていく」と「歴史的」なものであるとコメントしており、CBDCへの期待と、米国が世界の舞台でリーダーシップを発揮したいとの意欲が伺えた。
これを受け、EUなどからマイニングファームを米国に移転する計画も増加していると報道もあり、少なくともBTCは安定化に向けた取り組みの利益を享受できるだろう。
各国がロシアの侵略に対する制裁や規制強化の流れに一喜一憂している環境だが、これらの動きによりBTCや暗号資産の環境が整備され、今まで以上に資金流入に期待ができるため悲観しすぎることはない。
ただし、そろそろ日本円でチャートを見ることは厳しくなってきていることはご理解いただきたい。
ルーブル建てではBTCが最高値更新、日本円が5年ぶりに1ドル118円台に入るなどしており、恐らく今回の日銀の政策決定会合でも現状維持が濃厚である。日米金利差を意識したドル買い円売りの動きは今後も続くため、120円台が現実的に見えてきている。
日本円のBTC出来高は残念ながら世界の他の通貨と比べて小さく、日本円の400万円などの節目やトレンドラインはまったく意識されていないため、ドルやUSDTでチャートを見る癖を付けてトレードに臨んで欲しい。
市況情報
他金融市場も変わらずプーチンショックで右往左往している。
特に、原油相場とNY金は続落している。これは、休戦交渉が進展しているとの見方や、ウクライナが降伏間近であるとした報道などもあるが、さすがに行き過ぎた流れであるため、投機筋のポジション調整が走ったものと思われる。
ポジション調整に乗ってショートを作る環境ではなく、ロシアへの経済制裁は戦争が終結しようが続くため、ロシア産原油が市場に出てこない以上、世界需要により相場を押し上げる環境下であると忘れないで臨みたい。
16日に発表予定のFOMCには要注目。パウエル議長が先日の議会証言で、25bpの利上げを行う意向を示したが、インフレに対する懸念が高まっている。一部では次回以降の利上げが大きすぎるため、今回もっと大きく利上げするのでは?との警戒も高まっている。
いずれにしろ5月などの次回FOMCで大幅な利上げは避けられないほどエネルギー価格上昇は頭が痛い。筆者個人的には市場のショックを一番に考えている議長が今回25bp以上の利上げをすることは無いと思っているが、今回の決定は市場全体に対する相当な重しとなるため、リスク資産の中でもBTCは特に下値警戒だ。
引き続きポジション管理には十分にお気を付けいただきたい。
■直近の注目イベント
3/16 FOMC 日本時間17日午前3時結果判明
3/17 日本銀行金融政策決定会合
3月中 グレースケールBTC信託をビットコインETFに転換申請の結果発表
筆者:前田慶次
参照:Bitcoin日本語情報サイト
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