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コインベース、ナスダック上場!ビットコインは材料出尽くしからか軟調な展開に。 暗号資産市場は個別物色が始まり、BTCドミナンスは一時8か月ぶりの50%割れ。

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前週、ビットコイン価格が一時700万円を超えるほどの史上最高値圏の中、ここ最近の暗号資産(仮想通貨)業界で最も注目されていたイベントである、米暗号資産交換業・コインベース社のナスダック上場が14日に迎えられた。コインベース社株は、ナスダックに1株当たり250ドルという参考価格を設定されていたが、初値381ドル、最高値429.54ドルと想定を大きく上回り、市場の暗号資産への強い関心が伺える動きとなった。同社の時価総額は1,000億ドルを超える場面もあり、これは国内企業で例えると任天堂やリクルートを上回り、NTTと匹敵するほどの規模となる。上場初日ということで株価は値動きが荒く、終値は初値から14%安の328.28ドルとなった。

一大イベントを経たのち、ビットコイン価格は軟調な流れとなった。一時65,000ドル間近まで迫ったBTC/USDは、週末に50,000ドル台前半まで下落。値戻しの反発も力強さが見受けられず、55,000ドルを挟んでのレンジ相場となっている。材料出尽くしの売りに加え、自国通貨安を背景に暗号資産取引が活発化していたトルコでの暗号資産決済の禁止措置、新型コロナウイルスの感染再拡大などが上値を抑えている模様。調整局面に突入したのは暗号資産だけでなく、日米ともに高値圏であった株価が下落をはじめ、天井をつけたような動きを始めたことからも、金融市場全体にリスクオフムードが漂い始めたことがわかる。

ビットコインやリップルといった時価総額上位の暗号資産が大きく下落した一方、クアンタムやドージコインなど高値を更新するアルトコインもあり、ビットコインの暗号資産全体におけるシェア率であるドミナンスは昨年8月以来、約8か月ぶりに50%を下回る場面が見られた。個人投資家や企業からの市場全体への資金流入のフェーズから、個別銘柄物色のフェーズへ移ったとの見方もある。

テクニカル的には、今回の下落により下値のサポートラインとして意識されていた50日移動平均線を下回ったことが懸念点として挙げられる。100日移動平均の530万円近辺で明確な反発がなければ、調整局面は長期化する可能性があるので注意が必要か。

他の金融市場との関連では、これまで基軸通貨の米ドルが下がった場合、資金はドルからゴールドや株など、その他のアセットクラスへ流出しやすいとされており、そのなかでも特にここ一年は暗号資産への資金流入が目立ったが、月初から軟調であった米長期債利回りとドルインデックス(複数の主要通貨に対する米ドルの価値の指標)と、先週からのビットコインの下落が比例するというイレギュラーな相関現象が起こり始めている。この状況を弱気とみる投資家もいるようだが、直近の数日で観測でき始めたばかりなので、今後の動きを見定めたい。

来週にかけての主要イベントとしては、26日の日銀金融政策決定会合、27~28日のFOMCなどが挙げられる。
暗号資産のみならず、株・為替・商品先物などのセンシティブな動きが目立っているので、リスクに見合ったポジション管理を心掛けたい。

筆者:齊藤成芳

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