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新聞はレタスの包み紙なのか-朝日新聞『Journa-Rhythm』をデコンする-

こんにちは。先日のデコン会では、朝日新聞の『Journa-Rhythm』をやったのでシェアします。


Journa-Rhythymとは

Zeebraが選抜した5人のZ世代ラッパーが報道や社会問題をもとに制作したオリジナル曲と、その曲のテーマとなった報道について発信する特別企画「Journa-Rhythm(ジャーナリズム)」

Journa-Rhythmは、朝日新聞社とヒップホップアーティストのコラボから生まれる 音楽を通じた新しいプロジェクトです。 アーティストが社会問題に対して、報道記事をもとに、自分の想いや考えをリリックに綴った楽曲を制作。 そのパフォーマンスビデオに加え、楽曲制作の意図に朝日新聞社 音声ディレクター 神田大介と Hip Hop Activist Zeebraが踏み込むPodcastを配信します。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001603.000009214.html

なんといってもビジュアルがいいですね。
椎名林檎やスカパラなんかのジャケットのようなデザイン。

記者会見を思わせる無数のマイクに向けラッパーが「報道を歌う」。

背景としてはZ世代の活字離れがあります。彼らにとってニュースはもはや読むものじゃなくて流れてくるもの。TikTokのようなSNSで摂取するもので主体的に自分で読むものではなくなってきています。

また、

「重たいものは嫌」
「興味がないものに興味がない」
「見たくないものは見たくない」

というインサイトも感じられます。

どうする新聞?

さあ、どうする新聞?
どうするニューズペーパー?

このままじゃレタスを包む時にしか使われなくなるぜ?

そこで登場したのがラップ(リズム)を使って報道を届けるJourna-Rhythm。新聞という型を抜け出し、規制なきフリースタイルで届けるやり方。

若者の3人に1人が音声メディアを聴いている

というファクトに注目。「国内利用実態調査」によると、

「朝日新聞ポッドキャスト」ユーザーの約半数は15-29歳のZ世代ということです。

若者は紙面は読まなくても聴くことはしている。
じゃあ、ここで報道を伝えてみたらどうだろう?

なりふり構わぬ姿勢に新聞の危機感を感じます。

「新聞は週刊誌なんかとは違うんだ」

とか

「格式ある新聞こそが紙媒体の王道なんだ」

とか。

どんなに自分たちが立派だと思っていても誰も見てくれなくなったメディアに価値はありません。レタスの包み紙、もしくは習字の下書き用の紙になるのみ。

報道とは違い、リアルな生活やストリートの声を反映したヒップホップ。この2つのミクスチャーにより新しい表現が生まれました。

紙メディアのキング、新聞が音声に可能性を見出している

この事実はとても大きい。

変わらないために、変わる


レタスラッピングペーパーとしてその役割を終えるのか。
変わらないために変わるのか。

個人的には新聞は好きなメディアだし、新聞用のテーブルにザザっと広げて一覧を見渡せるのは素晴らしいと思っています。

「え?何それ?」
「え?今そんなことになってるの?」

っていう発見が必ずあります。

興味のあるものしか見ない時代に、「偶然目に入る」メディアとして価値を感じています。偶然性をデザインできるメディアとして優秀なのです。

A.I.が提案してこないものを、
閲覧履歴から導かれないものを見せることができる。

これが新聞の価値でしょう。

ニュースを読まなくなった世代に今さら「新聞を読め!」と言うのは難しいかもしれませんが、形は変えてもジャーナリズムは残っていくんだ、残していくんだ!

そういう気概を感じます。

そのきっかけとしての『Journa-Rhythm』

新聞の行方に注目しましょう。

Journa-Rhythm never gonna stop


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