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レタスを藤原竜也で包んだら - CookDoオイスターソース The Lettuce head wrap

こんにちは。
先日のデコン会では、『CookDoオイスターソース』と『The Lettuce head wrap』をやったのでシェアします。まさかの二本立て!

昭和の映画館やないんやで。
まとめるのも簡単やないんやで。


オイスターソースを普段使いの調味料にする


基本的には『CookDoオイスターソース』のプロモーション企画なんだけど、その過程で「新聞でレタスを包んだら藤原竜也の顔になる」っていう面白アイデアが爆誕し、しかもレタス新聞の方で『Spikes asia』を受賞をしてしまうというややこしさ。

まずは、「オイスターソースを普段使いの調味料にしたい」というお題があります。オイスターソースと言えば中華というイメージ。あとはカレーの隠し味に使ったりと、あくまで隠し味的な役回りの印象。なかなか普段使いのイメージがない。

だからオイスターソースを買わない人も沢山いるし、買ったとしても使う機会がなく冷蔵庫で半年眠っているなんてこともザラにあります。とてもじゃないけどレギュラー調味料とは呼べません。

どうしたらオイスターソースを”料理のさしすせそ”に食い込ませることができるのか?(さ=砂糖、し=塩、す=酢、せ=しょうゆ、そ=みそ)

面白い使い方「#レシ秘」を募集 


そこで行ったのはオイスターソースの面白い使い方を募集するというもの。
X(旧Twitter)に「#レシ秘」のタグとともに投稿を促したたところ、様々なレシピが登場することに。

「いやいや、ないって、絶対まずいって」
「いや、意外とイケる!」

という形でバズり、“私も作ってみよう”需要と”こんなん作ったよ投稿”需要を生み出すことに。結果オイスターソースの売り上げを増やすことに成功。この「#レシ秘」を募集する過程で出会ったのがあの野菜。

そう、レタス。レタスを20秒くらいお湯で茹でてオイスターソースぶっかけると美味いよと。

「瞬間消滅レタス」
https://www.lettuceclub.net/weblettuce/article/1160149/

レタスって水分が多くてシャッキリしているから、割とこってりの液体が合うんですよね。しかもレタスにかけたら消費量が一気に増えます。間違ってドバドバ出ちゃう人も結構いるでしょう。AJINOMOTOとしてはますますおいしい展開。

「レタスって、オイスターソース使わせるのに有望じゃね?」

と気づくのです。

と、ここで課題発見。

レタス使い切れない問題


レタスって一玉買っても案外使い切らないんだよなあ。

最初食べてそのまま冷蔵庫に入れていたら時間経っちゃって、痛んじゃって捨てたことある人、多いんじゃないでしょうか?

実は、「2人に1人はレタスを食べ切らずに捨てたことがある」という調査があります。これはフードロスの観点からも大問題。

どうしたらレタスって長く保存できるんだろ?

ということで登場したのが新聞紙。そう、新聞紙でレタスを包むと長持ちするのです。たしかに八百屋で野菜を買うと新聞紙で包んでくれることもあった気がします。もしかしたらお婆ちゃんは今でもレタスを新聞紙で包んでいるかもしれません。

しかもこの新聞紙、ただの新聞紙じゃありません。レタスを包むと藤原竜也の顔が出来上がる仕様になっているのです。その名も「レタス保存用新聞」。

この見た目のインパクト!英語だと『The Lettuce head wrap』
強い、この言葉!

Talking Heads,RadioheadにLettuce head!
ついでにボンバヘッド(m.c.a.t.)

ほにゃららheadという言葉はいつの時代も強いのです。

これによりレタスが長持ちし、廃棄が減ればフードロスの解消にもなるし、捨てられる運命だった新聞紙の再利用にも繋がります。
ん~、SOCIAL GOOD!

そしてAJINOMOTOとしては、レタスが長持ちすることで、恐れずレタスを買う人が増え、オイスターソースの消費促進に繋がるわけです。
ん~、COMPANY GOOD!

怪しげだけど本格感のあるパッケージ


実は今回、オイスターソースのパッケージはあえて怪しい方向にしたと。

「もともとオイスターソース自体、何のソース?感がありますし、正面から『色々使えます』『おいしいです』と言われても信じられないかもなと。逆に、『オイオイそれは…』ぐらい怪しい提案になっていた方がやりたくなりそうだと思っていろいろ企画しました」(飛田ともちか氏)

パッケージのデザイン要素を怪しい方向に拡張していった結果、怪しげだが本格感のある世界観になりました」(アートディレクター 碓井達朗氏)

https://www.advertimes.com/20230704/article426264/

そこでCMにフィーチャーされたのは藤原竜也です。

今回のデコン会で話題になったのは、

「社会課題からではなく、面白いから考える」

ということ。

「新聞紙でレタスを包んだら藤原竜也の顔になる」

は結果的にこうなったのではなく、絶対この画が見たかっただけだろと。

今の時代、社会課題はほぼ無限にあるわけで、まずは「これ面白そう」「これやりたい」から始めて、そこに後から課題をつっくけることが可能なんじゃないかと。

もちろん課題ファーストで考えるのは王道なんだけど、課題から入って解決法を考えるだと小さくまとまりがちだよね、と。そんな話になりました。

藤原竜也の顔でレタス包んだら面白くね?


っていう小学生男子みたいなノリがスタートで、他は全て後付けなんじゃないか?

そう考えると藤原竜也がニヤっと笑っているのにも合点がいくのです。藤原竜也の顔が冷蔵庫の野菜室に転がってたらホラーだし、何も知らずに帰宅した奥さんが冷蔵庫開けたら「キャッ!」とか言って卵パックを落としてしまうかもしれません。それをニヤっと笑う藤原竜也。

そう、だから藤原竜也なのです。
キャスティングの妙!
これが松坂桃李じゃダメなのです。

怪しさをあえて体現するならサイコ感のある藤原竜也。いつもどこかニヤっとしている藤原竜也。それでいて演技は本格派。まさに「怪しいけど味は本格的」のオイスターソースを体現しています。

オイスターソースの擬人化はTATSUYA FUJIWARA一択なのです。

大人ももっとふざけたい


この企画を見て、そしてこの企画を通してしまったAJINOMOTOを見て、

本当は、クリエイターももっとふざけたい。
企業ももっとふざけたい。

さらに言うと、

大人ももっとふざけたい

と感じました。

そんな時代だからこそドラマ『不適切にもほどがある!』がウケたのではないでしょうか?

「人間は創造的に生きれば幸せを感じるように設計されている」

これは高城剛さんの言葉ですが、これが人間の特徴で、他の動物と明確に違うところです。仕事のために創造するんじゃなくて、創造するのが好きなんです。それが楽しい生き物なんですよ。クオリティやセンスがどうのこうのいう話じゃありません。

何時間も砂場で泥団子つくって、カッチカチにしたり、テカリをだしてみたりして試行錯誤している時間はプレシャスで幸せな時間なのです。何人とも侵すことのできない聖なる時間なのです。

それを見て、

「そんなんして何になるの?」
「誰得?」

なんて言ってしまう大人は、くそつまらない、魂を奪われたアンドロイドでしかないのです。あとは聖飢魔IIに蝋人形にされるのを待つのみ!

小学生男子マインドを取り戻す


小学生男子の企ても、側から見たらしょーもないけど本人たちは嬉々としてやっているわけで、少なくともその瞬間彼らは幸福なのです。いつしか大人になるにつれ、社会に適応する代償としてこの幸福が奪われていくのかもしれません。

大人に必要なのは小学生男子マインドです。

この企画が評価されたのはフードロスとかSDGsとかそういう文脈はもちろんあるでしょうが、根源的には「くだらねー、おもしれー」なんじゃないでしょうか。

大人ももっとふざけたい。

実はこれこそが世界の大人たち共通のインサイトなのかもしれません。だからこそ、それを体現している企画に共感してしまうのではないでしょうか。

そんなことを感じたデコン会でした。


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