マガジンのカバー画像

発達障害を和らげる方法

67
ASD/ADHD当事者の実体験をもとに、発達障害の生きづらさを軽くするコツを紹介中。
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

発達障害の診断から8年…私が変えた3つのこと

「あなたの発達障害は一生治りません」……そうお医者さんから告知されたのが8年前。 「一生」という言葉の重さが、当時はずっしり肩にかかったものの、一生このままなんてまっぴらごめん!そう思った私は、少しずつ、少しずつ、変えられる部分を変化させていきました。結果、肩の荷がだんだんと軽くなってきました。 私が変えたことはたくさんありますが、そのなかでも3つにぎゅっと絞って、ざっくりと語っていきたいと思います。 1.悩みとの付き合い方 今も昔も相変わらず、悩みは目の前にどんと立ち

特性は変わらなくても成長する

実はいうと、私がnoteに顔を出すようになってから、発達障害について投稿し続けたほとんどの文章が、7年前にすでに書かれたものです。今の私が、今の自分の思いを交えて、新たに書き直しました。 なぜそんな昔に書いた文章を、わざわざリライトしたのか。それは一重に、ASDと自身が診断される前後の気持ちを、ありありと思い出すため。当時の自分と向かい合わなければ、発達障害をテーマにした文章を、今後書くことはできないと考えたからです。 では、実際に20記事近くをリライトして、何を得たか…

発達障害のある人は体温調節が苦手?過集中には気をつけて

発達障害がある人の特徴として、「感覚過敏・鈍麻」があります。そのせいか、気温の変化に気づきにくく、体温調節が上手くできない人もいるそうです。 『自閉っ子、こういう風にできてます!』という著書では、自閉症スペクトラム(ASD)のニキリンコさん(翻訳家)と藤家寛子さん(作家)が、揃いも揃って「体温調節が苦手!」と語っています。 それを読んで、「私もそう!」って、思わず手を上げたくなりました。 ASD当事者である私は、わりと高温体質。37度も平熱の範囲です。今、ためしに体温を

『アルジャーノンに花束を』に凸凹な私が魅かれた理由

『アルジャーノンに花束を』は、アメリカの作家ダニエル・キイスによるSF小説です。1959年に中編小説として発表されて、1966年に長編小説として改作されました。日本では2回(2002年と2015年)ドラマ化されているので、ご覧になっている人もいるかもしれませんね。 私は高校生の時に、この小説に出会いました。ページをめくるたびに、心が揺さぶられて止まらなかったのを覚えています。今も大事な一冊です。 2014年に発達障害(ASD)の診断を受けた直後、本棚からこの小説を引っ張り

大人になりきれず悩むあなたへ…茨木のり子「汲む-Y・Yに-」

茨木のり子さんの詩が、大好きです。 国語の教科書にも、よく作品が掲載されているから、ご存知の方も多いんじゃないでしょうか? 「わたしが一番きれいだったとき」など、その強くもしなやかな言葉の数々に、どれだけ奮い立たされたか計り知れません。 なかでも特に好きなのが、「汲む―Y・Yに―」。 Y・Yというのは、新劇女優の山本安英さんのイニシャルです(「夕鶴」の舞台のヒロインを、1000回以上も演じた大女優です!)。 山本安英さんが、若き日の茨木のり子さんに仰った言葉が、元とな

人の顔を覚えられないのはASDのせい?相貌失認の4つの対策

ASD当事者のなかには、人の顔がなかなか覚えられない人がいます。たとえば、こんな風に。 ・数回会っている人に対して、「初めまして」と挨拶する。 ・誰かの顔を見ても、別の人の名前で呼びかけてしまう。 それこそ顔から火が出るような失敗、あなたにも身に覚えがないでしょうか? 人の顔や表情を認識しにくい状態は、「相貌失認」と呼ばれていて、脳の器質によるものです。相貌失認自体は、100人に2人の割合でいると言われています。 なぜASD当事者に相貌失認の傾向がみられるのか、どのよ

吉濱ツトムさんの講演会に参加…勇気が湧きました

吉濱ツトムさんの著書『隠れアスペルガーという才能』が出版された当時、私はその出版記念講演会に参加したことがあります。時は2016年2月5日、会場は東京の八重洲ブックセンター。この文章では、その講演の内容を中心にお伝えします。 ちなみに本書は、アスペルガー症候群の診断からもれてしまうようなグレーゾーンの人を対象に、その特徴や改善方法について書かれたもの。 私は本書をアマゾンで予約注文して、発売早々に読みふけりました。ところが購読直後に、講演会開催のビックニュースが飛び込んで

吉濱ツトムさんの第一作目~『アスペルガーとして楽しく生きる』感想

発達障害カウンセラーである吉濱ツトムさんの第一作目の著書、『アスペルガーとして楽しく生きる』を紹介します。 吉濱さんは小学校4年生まで自閉症でした。バスの接触事故に遭ったことをきっかけに、自閉症から一転、アスペルガー症候群の特性が強烈に表れるように。身体の不調や悩みを抱えていましたが、19歳から自己改善に取り組むことにより、症状が劇的に改善。26歳で社会復帰を果たしました。 現在は発達障害カウンセラーとして、個人セッションを行うとともに、著書やYouTubeやTwitte