積善の家に余慶あり
中国の古典「易経」にある言葉です。
直訳すると、「良いことを積み重ねている家には、子孫に良いことが巡ってくる」という意味です。
「そんな気の長い話なんて・・・」と、思われるかもしれません。
でも、目先のことばかりに気を取られすぎていると、長期的な視点を失ってしまいがちです。
不思議なことに、自分がとった行動は、長い年月のうちに自分に跳ね返ってきます。
私自身も、若い頃に助けてあげた人から、「あの時はとてもお世話になった」と、感謝されることが今頃になってあります。
失敗談もありますが、その時に迷惑をかけた人からは、マイナスのエネルギーが送られ続けているのかもしれません。
先日、ある経営者のお話を伺いました。
コロナショックで、仕事が激減して困っていたところに。
それまで付き合いのなかった同業者から、突然下請仕事が舞い込んできました。
干天の慈雨だと、ありがたくお受けしたそうです。
無事に納品して、「なぜ、付き合いの無かった私に仕事を回してくれたのですか?」と尋ねたら。
「あなたのお父さんには、私が若い頃に大変お世話になった。あなたの苦境は噂に聞いていたので、いつかしたいと思っていた恩返しのために、仕事をお願いした」とのことでした。
この経営者は、創業者である亡き父親にわだかまりがあったそうですが、この話を聞いて父親に対する感謝の念が沸沸と湧き上がってきたと言います。
「因果は巡る」という言葉もありますが。
より、深い意味の言葉のように感じます。
「積善の家には余慶あり」には、続きがあります。
「積不善の家には、必ず余殃あり(災がある)」です。
先祖が行った悪事は、子孫に災いとなって必ず訪れると言うのです。
運が悪い家系というのがありますが、それは周りから先祖について悪口を言われて足を引っ張られているのかもしれません。
現代は、人生100年時代です。
平均寿命が短かった時代には、いいことも悪いことも自分の身の上には起こらなかったかもしれません。
でも、今や若い頃の言動が、年老いてから自分に跳ね返ってくrことも考えておかないといけません。
大きな変化があった時、ピンチを迎えた時に、その人の本質が明らかになります。
善行を積み重ねるのか、不善を為すのか。
目先の損得にばかりとらわれず、不思議なところで巡ってくるものにも気を配り、長期的に物事を考えて行動したいものですね。
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