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紐ロザリオの作り方

初めて紐ロザリオを自作してみました。作る過程で、必要な情報があちこちに散らばっていてわかりにくいと感じたので、ちょっとまとめてみようと思います。
※情報を必要な方が多そうなので、今回は全文無料で公開します。

紐ロザリオとは

紐ロザリオとは、紐を使って編むようにして作っていくロザリオの総称です。紐ロザリオにもいろいろあって

1.十字架も含め、全体を紐一本で編み上げるもの
2.十字架だけメタル製などのモチーフを使うもの
3.十字架やセンターピースはメタル製など、珠はビーズなどを使い、パーツ同士をつなげるために紐を使うもの

などがあります。今回私が作った紐ロザリオ(冒頭の写真にあるもの)は3に当てはまります。

1は最も軽く小さく、扱うときに全く音がしません。どうも南米で特に普及しているようです。いかにも生活に密着した簡素な祈りの道具といった感じで、私はとても好きです。

2や3は1よりは重くなりますが、金属製のピンや針金を使って作っていく一般的なロザリオよりは軽く、祈るときにあまり音もしません。天然石とピンで作る、見た目にも美しいロザリオも素敵ですが、こういった素朴な紐ロザリオもとても素敵だと思います。

紐ロザリオの起源についてはよく知らないのですが、必要なのは蝋引き紐とろうそくとはさみだけ…... 中世ごろから作り方が変わっていないんじゃないでしょうか。修道士が岩の壁に向かってろうそくを灯しながら編んでいる様子などに思いを馳せながら、アナログそのものな昔ながらの道具で紐ロザリオを作るのは、それだけでひとつの信仰の喜びだと感じます。

紐ロザリオを作るのに必要な材料・道具

最も基本の道具は以下の4つ。

1.ポリエステル製のワックスコード
→「蝋引き紐」「マクラメ」とも。1mm〜2mmの太さがおすすめ。私は下に紹介している1mm太さのものを買いました。ひと巻き250mのものが3色入っていて、何度失敗しても気にならないコスパのよさなのでオススメです。余ったぶんで、メダイを使ったブレスレットとか売るほど作れます笑

2.ライターとろうそく、または半田ごてか、電熱線タイプのライター
→ワックスコードの編み終わり端をちょっと溶かして接着するために使います。私はろうそくを使っていますが、半田ごてのほうがきれいに仕上がるとの情報もあります。火や熱を扱うのが怖い人は接着剤を用意して、それで端を留めてもよいでしょう。

3.細いプラスチック製のパイプ
→編むときに使います。海外だと紐ロザリオ専用のツールが売ってるのですが(気になる人は rosary knotting tool で検索)、日本だと手に入りづらいので、細いストローや、工作用のパーツなどを適当な長さに切って代用します。ワックスコードが通る内径で、あまり太すぎないものを。私は1mmの太さのワックスコードに対し、外径2mmのパイプを使っています。透明なものだと、コードを通すときにコードの先が見えるので使いやすいです。

4.はさみ
→ワックスコードを切るのに使います。よく切れるものを。

ビーズや十字架、センターピースを使う場合は、好みのものを用意しておきます。私はビーズにTOHOの外径6mm、穴の内径2.5mmのウッドビーズを使いました。

※それぞれのパーツの穴の大きさとワックスコードの太さを調べて、確実に通り、かつ編んだときにパーツがきちんと止まるものを用意しましょう。たとえば私が使ったワックスコードは直径が1mm、ビーズの穴の内径は2.5mm。ワックスコードを編んだときの直径はもともとの太さのおおよそ3倍ぐらいになるので、ほどよく止まる感じになります。

紐ロザリオの基本の編み方(フランシスカンノット)

紐ロザリオの基本の編み方を「フランシスカンノット」と言います。なんでしょうね、フランシスコ会が発祥とかなんですかね。

動画は親切な方がわかりやすいものを作ってらっしゃるので(後述)、補足としてイラストで説明します。下手くそですいません。

編み始めがいちばんわかりやすいので、冒頭で紹介した3のタイプの紐ロザリオの編み始めを例に解説します。以下、常に十字架を左手、コードの長く伸びているほうを右手で保ちます。

1.パイプをセットする

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十字架に図のようにコードを通したら、右側に短いほうの端を5cm程度出しておきます。短い端のほうのコードの上にパイプをセットします。

2. 1巻目を巻く

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十字架とパイプを左手で持ったら、コードの長い方をパイプに対し「手前から向こうへ」巻き、パイプの上で「左から右へ」クロスさせるようにします。
※イラストを描くときにうっかりしたのですが、十字架から下にたるんでる部分のコードは基本的にはロザリオ一本編める長さが続いてるので、もっとずっと長いはずです。混乱しちゃったらすみません。

3. 2巻目以降を巻く

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1巻目では「左から右へクロスさせるように」巻きましたが、2巻目以降は「右から左に、クロスさせずきっちりと順に並べるように」巻いていきます。(下の動画では「左手のほうに戻っていくように巻く」と解説されています)

4.パイプを抜いてコードを引き締める

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左手で十字架と、巻いたコードをしっかり持ったまま、パイプをそっと右へ引いていって、コードから抜き去ります。パイプを抜き去ったら、巻いた部分の巻きが崩れないように注意しながらコードを引き締めていきます。これで1ノット完成。
※コードを引き締めていくときの細かい動きは、下に紹介する動画を参考にしてください。

すべて紐で編む場合は、この1ノットが珠ひとつの扱いになります。ビーズを紐でつないで編む場合は、パーツとパーツの間や連同士をつなぐ部分にノットを挟んでつないでいく形になります。

イラストとテキストではこれ以上うまく説明できないので、細かい部分はぜひこちらの方の動画を参考にしてください。カメラをご本人と向き合う形で置いているため、見ているほうの感覚としては左右が逆になりますが、とてもわかりやすいです。前後に、全体の編み方を解説してくださっているわかりやすい動画もあります。

メキシカンクロスの編み方

十字架も編んで作る場合、十字架はメキシカンクロスという編み方で作ります。

これもまとまった情報が少ないのですが、個人の方のブログや英語の動画を挙げておきます。

ワックスコードの端の処理(接着)のしかた

編み終わりの端を数ミリ(2〜4mm程度)残して切ったら、ろうそくの火か半田ごての熱などでちょいちょいちょいとあぶって溶かし、固まらないうちにさっと指先でおさえて接着します。2mm程度の端ならちょうど溶けてなくなりつつきれいに接着するので、慣れたら2mmぐらいでやってみましょう。

どういう感じかはこちらの動画を参考にしてください。
※この方は「なるべく炎の上のほうで」とおっしゃってますが、ろうそくの火は根本の青いあたりのほうが温度が低く、引火もしづらく、扱いやすいです。根本のほうの青い炎の部分でちょいちょいと熱しましょう。黄色い炎の上端を使うと、うっかり引火させて燃やしてしまうリスクが高いです。

ろうそくの火などでコードをあぶる方法は、ビーズを使う紐ロザリオを作るときに、コードの端を固くキュッとまとめて通しやすくするのにも使えます。動画の冒頭近くで見せてくれているので参考に。

五大陸のロザリオの作り方

私が作ったロザリオは「五大陸のロザリオ」といいます。一連ごとに色が異なり、それぞれが世界の五つの大陸のうちひとつを表します。

それぞれの大陸の平和を黙想しながら祈るもので、フランシスコ教皇さまのご来日に合わせて購入したセンターピースを組み合わせて作りました。教皇さまの世界への御まなざしと、五大陸のロザリオのコンセプトがすごくしっくりくるような気がして、ぜひ作ってみたいと思ったのです。

ガラスビーズとピンで作ることもできるでしょうし、五大陸の色のワックスコードが用意できるならすべてを紐で編んだ紐ロザリオとしても作ることができるでしょう。ただ、ウッドビーズ×紐の組み合わせが最も材料も安価で、作るときも祈るときも手軽だからか、世に出回っている五大陸のロザリオというと8割がたがウッドビーズ×紐でできています。

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緑:アフリカ
赤:アメリカ
白:ヨーロッパ
青:オセアニア
黄:アジア
をそれぞれ表しています。オリンピックの五輪と同じカラーリングだとか。どのビーズが何個とか、口で説明するよりも、この写真を見本にして作ってください笑 緑のみ11個、あとは12個かな?

1ノットにつき何回巻くかは好みなのですが、私は1mmのワックスコードを7回巻いています。

上に何度か紹介した動画の方は、「1連ごとに珠ひとつぶんぐらいの余裕をもたせると繰りやすい」とおっしゃってますが、私はあまり珠が動かないほうが好みなので、ほとんど余裕を持たせずに作っています。好みでどうぞ。

補足:
私が作ったタイプのように、十字架とセンターピースをメタル製のパーツなどを使って作る場合、「十字架からセンターピースまで」と「センターピースから五連め端まで」で別々に紐を用意して作っていきます。この場合、センターピースの3つの穴それぞれの部分で糸端の処理が必要です。特に下の穴(たどると十字架につながる部分)と左の穴(五連め端)では、編み始めとは少し違った処理になります。
具体的には、最後のノットの巻きをいつものノットの半分ぐらいにしておいて、センターピースの穴に通したら、残り半分の巻きを巻いて引き締めます。行き(センターピースに向かう方向)が半ノット、帰り(センターピースから戻っていく方向)が半ノット、この2つの半ノットが合わさってちょうど1ノットになる計算です。糸端はちょうど1ノットの半ばに出る形になるので、ここで糸を切ってろうそくなどで接着処理したら完成です。
※わかりにくいと思うので、後日余裕があればイラストを足しておきます。

気軽に挑戦してみよう

紐ロザリオは、針金やピンを扱うロザリオと違って、「材料の切れ端が飛んで危ない」とか気を使う必要もないし、手の力もいりません。慣れていない私でも小一時間でパッと作れ、バラすときも一連ごとにはさみを入れるだけで一瞬なため、気軽に作り直しができました。私は紐ロザリオを作るのが初めてだったのですが、上記の五大陸のロザリオを何度か作り直してみました。3回目で巻きの回数や余裕の持たせ方などのいい塩梅が見つかり、糸端の処理のコツもわかってきて、満足いく仕上がりになりました。

初めてロザリオを自分で作ってみたい、という人には、紐ロザリオがかなりおすすめです。ぜひ挑戦してみてください。

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