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再タボ・15泊

タボに帰ったのは、9月10日の夕方である。
それから何故か、2週間もタボに留まることになった。
タボを出発したのは、9月25日。

その間何があったのかというと、大きなイベントは2つだけ。
インナーライン・パーミット(入域許可証)の再登録と、周囲の僧院ツアー。

先ず、インナーライン・パーミットについて。
特別な召喚状などが無ければ、許可期間は15日である。
もし、15日より長く1ヶ所に滞在するつもりであれば、あらかじめ滞在期間を記したレターを滞在施設から発行してもらい、それを添付して入域許可を申請することになる。
毎夏、数ヶ月僧院に滞在する人は、僧院から数ヶ月滞在する旨のレターを発行してもらっているそうだ。

許可証の再発行は、初回の発行所に再度申請する。
我々の場合は9月15日に期限が切れることになっていたので、15日に大型トラックをヒッチハイクし、カザのオフィスまで運んでもらい、再申請した。

初回の許可証を延長するのかと思っていたが、手続きがややこしいのか、初回と同じ申請方法だった。
必要なものは、
・パスポート&ビザのコピー×1
・パスポートサイズ顔写真×2
・申請料200ルピー。
申請書に書き込む内容は、名前・国籍・生年月日・職業・パスポート詳細・ビザ詳細・訪問地・出域日(予定)など。
それほど難しくない。

30分ほど待ったが問題なく再発行され、バスで帰ってきた。

もう1つの大きなイベントは、僧院ツアー。
ツアーといっても、1日で近くにある3僧院を参拝してくる、というだけのこと。

3僧院とは、
ダンカル僧院:インドで最も標高の高い場所に建てられている僧院。ゲルク派。
ラルン僧院:古い尊像が多く壁に座っておられる。恐らくニンマ派?
キー僧院:200~300人の学僧が学ぶ大きな僧院。ゲルク派。

最初の2週間コースでは全く参拝の予定が無かったのだが、タボに長く滞在したおかげで参拝することができた。

それでも、筆者は有名どころのキー僧院しか知らなかったのだが、
前回ナコへ発つ日にインド人旅行者と話していた友人が、
高地で星が非常に美しく見えたダンカル僧院についての情報を仕入れ、

「ダンカル僧院とキー僧院に参拝したい」と僧院長の先生と話していた時に、「それならラルン僧院も参拝すると良い」とアドバイスを頂いたおかげで、
3つの僧院へ伺うことになった。

タボ僧院には、今回さまざまな面からお世話になった。
僧院長の先生のご厚意で、僧院廻りの時には車を出して頂いた。

他にもお世話になったのは、日々の食事である。
筆者の大家さんが、事務長先生に連絡をとって下さったこと、
毎朝の護法尊のお勤め時間に、外で瞑想していたこと、
そして、僧院の運営するプライベート・スクールにコンピューター施設を作ろうというボランティアのために滞在していたインドの若者達と仲良くなったおかげで、
友人と筆者も、お坊さん達が食べている食事を頂くことができた。

ボランティアの若者達の活動について、ここでシェアしたいと思っていたのだが、内容がまだ送られてこないので一時延期。
若いから、いろいろ忙しいのだろう。

さて、食堂に伺うと、僧院の中でどんな風にお坊さん達が生活しているのか、垣間見ることができる。
また、タボ村の人々が僧院とどんな風に関わっているのかも伝わってくる。

タボ僧院にも、若い、小さなお坊さんが多い。
といっても24人くらいか。
周囲3村出身の子ども達なのだろう。
ご飯の時には、お坊さん達が並んで食事を受け取りに来る。

小坊主さんの中には、料理をしている若いインド人お母さんの顔を見に、わざわざ厨房に入っていく子もいる。
少し体が大きくて、所作も大人びているけれど、何故か他の子が暗記をしている時に食堂に外国人を見に来る小坊主さんもいる。
身体は小さいけれど、教科書を読ませるときれいな発音でハキハキと朗読?し、ちょっと間違えると「あなたが勉強すれば?」なんていう小坊主さんもいる。
元気いっぱいでバク転の練習をして見せたり、塀の上から飛び降りる練習をして、レストランの従業員から怒られる小坊主さんもいる。

少し大きくなるとお経の勉強と、夜の問答。
ゲストハウスの屋上から、彼らの問答する声が聞こえたものである。

それぞれの務めを果たし、食事時には1人分だけもらって、使った食器は自分で片づける。
ここに、老若の違いはない。

村の人々も、普段はそれぞれの生活を守っているが、大切な行事があると僧院に集まる。

先の話になるが、我々が出発する日は、或る高僧がいらして法話会をなさり、長寿の灌頂を授けることになっていた。
長寿の灌頂会では、参加者全員に長寿の団子が配られる。
その団子は、前日中に人数分用意しなければならない。

麦焦しと、黒砂糖と、バターと、牛乳と、他にも何か入れてあったかもしれない。
これらを大量に混ぜ合わせて、一口大の団子に作る。
1000個、2000個を作るために、タボ青年会の面々がダイニングテーブルを幾つか繋げて材料を練り、団子を作って大きな籠に入れていく様子は壮観であった。
その日は、遅くまで作業をしていたらしい。

かようにタボではのんびりしながら、田舎の僧院のお坊さん、土地の人々の生活の一部を見ることができた。
これも、迎え入れて下さった皆様のおかげである。

さあ、明日は3僧院の1日ツアーについて記そうと思う。

つづく。


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