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菩提心の称賛《宝珠の灯》第14偈

14)太陽、月、灯明、電球の連なりは
もちろん明るいけれども、内の濃い暗闇を如何様にはらおうか。
この菩提心は、衆生の内の暗黒の
一切を根本から抜き取ると、聖者が讃えられた。
 
 
クヌラマリンポチェはバラナシで、毎日チャイを飲みながらサドゥーと語り合っていた、
という逸話を聞いているので、
「太陽、月、灯明」はチベットにもイメージが通じるけれど、
「電球の連なり」はガンジス河のほとり、暗くなったインドの町並みを浮かび上がらせる、オレンジ色の電球を想像した。
 
今でも、田舎を通る夜行バスの車窓から、暗闇の中にポツポツと浮かび上がる家々を眺めることができる。
都市部でキラキラ光る、白っぽい光とは対照的である。
 
オレンジ色の光でも、白い光でも、
形あるものを浮かび上がらせることはできても、
その後ろや、内側を照らし出すことはできない。
 
一方向からの光では反対側に影ができる。
外側全面に光が当たっても、遮るものがあれば、
光の当たらない暗黒が、どこかにできる。
遮るものが無ければ、影はできない。
 
菩提心は心ある者の内側に生じる。
菩提心があるから、心の汚れである煩悩や、カルマの汚れを浄化する実践に繋がる。
 
すぐに心の汚れが無くなるわけではないけれど、
全ての障害を取りのぞいた仏の状態をはっきりと知り、
それに続く道を実践することで、
心の奥深くまで知らぬ間に伸びていた闇の根っこを、
抜き出すことができるようになる。
 
菩提心を讃える聖者は、その経験があるのだろう。

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