isee! "Working Awards"への応募に向けたもう一つのストーリー

こんにちは。SmartHRのアクセシビリティスペシャリスト、辻勝利です。
先日弊社は、公益社団法人NEXT VISIONが主催する「isee! “Working Awards” 2023」でMETP(Most Edgy Technology Player)賞を受賞いたしました。
「isee! "Working Awards" 2023」にてMETP(Most Edgy Technology Player)賞を受賞 (smarthr.co.jp)

これはSmartHRが最新技術を活用した視覚障害者の就労に関する事例として評価いただいたもので、僕はこれを機に、働く視覚障害者の皆様に「SmartHRが導入されているところであれば自分も安心して働けそう」と思っていただけるサービスを目指していきたいという思いを強くしました。

私ごとなのですが、このisee! “Working Awards”への応募に当たっては、実はもう一つ別のレポートを書いたんです。
なぜこのレポートを提出しなかったかというと、こちらは主語を働く1視覚障害者の僕として書いており、今回は僕個人の取り組みではなく、SmartHRのアクセシビリティ向上の取り組みを広く知っていただきたいと考えたからです。

とはいえ、僕がなぜSmartHRのアクセシビリティ向上に取り組んでいるのかを知っていただくにはよさそうなないようだと思いましたので、ここで紹介させてください。

全ての従業員が利用可能な人事労務システムを目指すSmartHRの取り組み

私は20年ほどIT業界で仕事をしている視覚障害者です。
複数の職場を経験した後、2021年から現職のSmartHRでアクセシビリティスペシャリストとして働いています。

過去の職場には、どんなに自分のITスキルを磨いたとしても私がどうしても乗り越えられない壁がありました。
それは「紙を読み書きする」ことが当たり前のように求められる問題です。
入社手続き、各種申請、給与明細の確認、社内掲示物の確認など、紙を読み書きできなければ独力で完遂できないことが職場にはたくさんあります。
それは私にとって大きなストレスでした。

そのため前職で、コンピューターで手続きできるSmartHRの年末調整機能に触れたとき、それまでは人事労務の担当者の手の空いているときにお願いして代筆してもらう必要があった手続きを独力で完了できることにとても感激しました。
「この製品をもっと使いやすくすることで、紙の手続きで同じように困っている視覚障害者が安心して自身の業務に集中できる社会に変えたい!」、それが私がSmartHRに転職を決めた理由です。

転職後すぐに、社内にアクセシビリティを啓発する仕事を始めました。SmartHRの各機能をスクリーン・リーダーを使って操作する様子を見てもらう会を実施し、多様な人たちが自分たちの製品を使うお客様であることを社員に認知してもらいました。
この社内イベントをきっかけに開発チームから相談があり、製品のアクセシビリティの問題を改善して発表したことで、視覚障害者が働く企業にSmartHRを導入してもらえたことは、とても大きな自信となりました。

製品を開発・改善するうえで、私一人が使えるだけでは、SmartHRがどんな視覚障害者にも問題なく使えるツールであると保証できるわけではありません。
使用しているスクリーン・リーダーや見え方の状況によって、同じツールであってもその人にとって快適に利用できるツールにならない可能性もあります。

SmartHRでは、より多くの方々が安心して使える製品を目指して、ユーザーの立場で製品をテストする職種で障害者の採用を始めました。

この業務を通じて障害者雇用の拡大も期待しています。

これからも全ての職場で多様な方々が安心して持てる能力を最大限に発揮して仕事ができる社会を目指して、アクセシビリティ向上に取り組んでいきます。

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