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「死刑制度」⑥ 刑罰の目的と死刑されない人について

死についての話(自分語り)が大好き。どうもアコニチンです。

刑罰の目的と死刑されない人の属性についてまとめてみました。

刑罰の目的

日本弁護士連合会によると、

刑罰とは,有罪の判決を受けた人に対して,その人の 生命や自由,財産を強制的に奪うことです。その種類と しては,死刑,懲役(無期懲役と最長で30年までの有 期懲役があります),禁錮,罰金などがあります。(中略)裁判員制度は, 市民の皆さんの常識と良識を裁判に反映させ,えん罪を 防止し,適正な刑事司法を実現するための制度で、司法をより身近な ものにするという意味もあります。(中略)「刑罰の目的」についての考え方があります。 その一つは,その人が再び罪を犯すことのないように教育する目的(教育刑の考え方), もう一つは,罪に対して報復をする目的(応報刑の考え方)を重視する立場です。

刑罰は生命や自由、財産を奪うこと。この生命刑(生命を奪う刑罰)は死刑のみです。だからこそ、死刑は刑の中では特別で、賛否を問われるものなのです。

途中で、裁判員制度が導入された理由も書いてあったので、抜粋しておきました。「えん罪を防止し、適正な刑事司法を実現するため」というと、裁判官だけの裁判では冤罪があった、裁判のヒューマンエラー(もしくは恣意的な冤罪)を肯定する意味にとれますね。これはディベートの意見、冤罪で使えそうです。あと、殺人事件では裁判員制度が適用されるので、反論にも使えます。

刑は、加害者が再び罪を犯さないようにする、罪に対して報復する、目的を持っているんですね。刑は加害者が反省するためにある、とは言えそうですね。再び罪を犯さないようにするには、反省が一番ですから。刑は犯罪を抑制するという目的は持っていないんですね。刑罰の目的に関しては、なかなか奥深さを感じ取ったので、ここらへんで終わりにしておきます。詳しくは、応報刑論や目的刑論で検索するといいでしょう。

少年法

日本では、どんなに人を殺したとしても死刑にならない人がいます。それは未成年者です。ということで、少年法についてまとめてみました。以下はWikipediaから抜粋。

少年法では未成年者には成人同様の刑事処分を下すのではなく、原則として家庭裁判所により保護更生のための処置を下すことを規定する。ただし、家庭裁判所の判断により検察に逆送し刑事裁判に付さしめることもできるが、その場合においても不定期刑や量刑の緩和など様々な配慮を規定している(51条、52条、58条、59条、60条等。少年保護手続の項目も参照)。なお、少年に対してこのような規定をおくのは、未成年者の人格の可塑性に着目しているためとされている。 (中略)なお18歳未満の死刑は、国際法である児童の権利に関する条約37条によって禁止と定められており、日本はこれを批准しているため少年法の規定がないとしても死刑の判決を下すことはできない。

18歳未満は人格の可塑性があるため、国際法により守られており、死刑にすることはできない、ということです。ちなみに少年法は20歳まで適応されますが、犯行時18歳及び19歳の場合、死刑事犯の犯罪を犯した被告人に対して死刑判決を言い渡すことが可能となっています。

ここで、人格の「可塑性」の可塑性ってどういう意味かご存知ですか? 可塑性とは「固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質。」(デジタル大辞泉)のことです。わかりやすい説明がネットになかったので図解してみました。

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子どもは可塑性が高く、悪影響(外力)を受けても、元の善い状態に戻りやすいということです。逆に言えば、成人は可塑性が低く、更生の可能性が低いととれますね。ちなみに、少年への甘さ、容赦、寛容さ(英語でトレランス)をなくそうとするゼロ・トレランス方式という考えもあります。

まとめ 刑罰は、加害者が再び罪を犯さないようにする・罪に対して報復するという目的を持っている。18歳未満は人格の可塑性があり、国際法により守られているため、死刑になることはない。

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