古麺拉歌集を吟じる護麺官ヌードリアス
(いと高きラー十二世、メーンブルン宮殿最奥にて、家臣に囲まれ護麺官を睥睨す)
「面を上げよ、護麺官ヌードリアス」
「はっ。ご機麺うるわしゅう、陛下」
「よい。して、それが例のものか?」
「左様でございます。前方後麺墳より出土した遺物……。我らはこれを古麺拉歌集と呼んでおります」
「うむ。この日を待ちわびたぞ。よくやった護麺官ヌードリアス」
「もったいなきお言葉」
「では早速吟じてみせよ」
「はっ、麺遊詩人を呼んで参ります」
「いらぬ。お前が読み上げるがよい。これはお前の功績に他ならぬ」
「陛下……」
(ヌードリアス、ラー十二世の気遣いにうち震えた様子で)
「で、では僭越ながらこの護麺官ヌードリアス・ラメンスキーが陛下に奏上申し上げます」
『まいど~。
麺ショで、メェン!を食べた後、イッチりたい気分になりお邪魔しましたぉ~ん。
休日、到着時(15時00分)先客15人、退店時(15時35分)中待ち3人。
おタレは、冷えっ比叡(せんかん笑)ジュブナイルライトドロンジョエビトマテイスト、オリオイ和えで、甘海老メインのドルミーな甲殻系ベースに、塩分濃度やや高なスタイル。
トマト、オリーブ感が先行するイタリア~ンスタイルながら、微かにカエシのエッジ感や節感含め、ラーメン系メニューとしてのプライド・オブ・センスも滲ませとるね。
麺は、カネディン食品製やや中太やや平いくらか不揃い系、麺量253gくらい。むっちむちで未知食感な無知の知フィロソフィ~。
茹で加減若干硬めで、個人的に好みのもの。
麺汁、我知る、先走る。おスープ3段活用上級者証も狙えそうやね。
総評。冷やしタリア風まぜそばやね。
ビジュからもその味わいからもパスタ系の影響を如実に感じさせるも、そこはかとなくカホる魚介野武士感やカエシ感がやっぱラーメン店やなぁ~プライドやね~って感じ~。
暑い季節にピッタリングなメヌーなんで、この夏、サマーブレイカーな予感w』
(朗々と読み上げる護麺官ヌードリアス、若き賢帝の落涙に気付き慌てて顔を伏せる。忠実なる家臣、陛下の目元を拭う)
「ヌードリアス、良き麺吟であった。」
「陛下……勿体無きお言葉にございます」
(ヌードリアス、感極まるもぐっと堪える)
「どれ、もう一つ吟じてみせよ」
「はっ」
『まいど~。
いつもんよーに、最狂の逃げ馬サイレンスキピヨの散歩をしとったら、すきぴが此方の店先でアローンことかうんぴをばしてもうたんで土下座謝罪かてら暖簾に腕押し禿頭ぴっぴしたところ、マスターときゃわゆ奥方が「寒いやろ、ラーメン食うていき」と仰ってくれたんでほな幸いナリとドッキンキン\(^o^)/
んでもって、ドッキンキンから8分84秒84で、んなっつあつのラーメンがご主人自らあちきのもとへサーブしたとさ。
プースーは、地鶏メインヌ、トリプレットな動物系ベースにほのかなる海出汁をあわせた淡麗またおま系。魚介野武士感は皆無やね。
鶏油と生醤油の融け合いっこがすんばらしく、この系統のラーメンストリームではトップクラスやと思うっぴ!\(^o^)/
村上春日のやや細麺ややストレートは、レアいウェッティーヌ感覚なスープが麺知る我知る先走る、ゴクゴク飲み干す蛇口からダバーちてほちいスーパースーピースープ三段階超変化なうまっしぃ\(^o^)/
御御御具は、豚と鶏むねミノフスキー真空低温タイプと材木メンマ、カジュアルネギなどなどなうまっぴぴっぃ!\(^o^)/
あっ!という間にK.K.ナリね。
ちなみに、あちき的妥当価格は880円やけど、お値段やや高な1080イェン。ま、頑張ったんやないかね?
総評。よくある淡麗またおま系の醤油ラーメンやけど、やたらとグンバツなバランスの良さを感じるね〜。
珍しいタイプのラーメンなんで、ビックリびんびんすると思いますぅ\(^o^)/』
(ラー十二世、滔々と語られるいにしえの詩吟に打ち震えた様子で)
「ふ……。見事であった。ラー帝国の真髄、その黄金時代の片鱗を垣間見た心地であった」
「はっ。有り難きお言葉にございます」
(護麺官、疲弊した様子で汗を拭う)
「む、ヌードリアスよ。休んでおらぬのか?」
「はっ。まずは陛下にこの慶事を最初にお伝えすべきと愚考いたしまして、その足でこちらに来た次第にございます」
「ふむ。いかんな。誰ぞ、この護麺官を手厚く労ってやるがよい」
「私めにそのようなこと、過分にございます」
「我が信頼厚き護麺官よ、信賞必罰は上位者の務めである。受け入れるがよい」
(端倪すべからざるラー十二世の眼にいすくめられ、護麺官、その叡知と巨いなる度量に平伏す。家臣らに連れられ謁見の間を去る)
「ふぅ、余も疲れたな。寝を取る」
(家臣ら、一子乱れぬ動きで至高なる陛下をお連れする)(寝室にて。ラー十二世、侍女に湯を持ってこさせる)(この世の贅を凝らした寝具の下より、珍妙な器を取り出す)(いと高き陛下、湯を注ぎしばし待つ)(時来たりて、陛下、麺を前に安堵したように微笑み、すすり上げる)
「うむ、やはり蕎麦がいちばん旨い」
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